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会議スキルの向上に、直接参加して切磋琢磨は必要か?
しばらく寝かしてしまっていた日経ビジネスをまとめて読んでいたら、気になるエピソードが書かれていた。
2019年、eスポーツの試合でノーマークだったパキスタンの選手が優勝を果たし、『パキスタンには強い選手がまだまだいる』というコメントで騒然となった。当時、優勝候補だった選手たちはオンラインで対戦するのがメインだったけれど、パキスタンではゲーセンで選手たちが直接対戦して切磋琢磨していたのが、パキスタン選手の強さの要因ではないかと分析された、という話が紹介されていた。選手同士で議論が起こり、暗黙知が共有されていたことがキーポイントではないか、とのこと。
気になったのは2点。
①eスポーツを会議に置き換えても、同じことが言えるだろうか?
②暗黙知の共有はオンラインではできないのか?やり方次第で可能なのか?
疑問①会議のスキルもオンラインより直接参加の方が向上するだろうか?
eスポーツから会議にスライドさせるのは、ちょっと飛躍している気もするけれど、ここからは会議で得られる成果やスキルの向上について、リアル開催とリモート開催で得られるものが異なるかを考えたい。仮説ではオンライン<リアルという関係なので、オンラインでは得られないリアル開催の恩恵を挙げてみる。
私の働いている環境ではリモート会議はビデオ無、画面共有有の頻度が高い。そのため、リモート会議では「参加者の表情」をはじめとする発言以外の情報が得づらい。これは結構痛手だなと常々感じていて、頷きとか戸惑いとか「雰囲気」が見えないから進行役をしていると不安になることが多い。また、リモート会議の場合、会議解散後に「ちょっと気になったことについて個別に声をかける」とか、会議とは直接関係ないことも含めて「会ったタイミングで直接お礼を言う/挨拶をする」といったプラスアルファなコミュニケーションがとりづらいなと感じている。リモート会議の場合、コミュニケーションはすべて会議中の公のものになってしまう、といったイメージである。
もちろん、リモートであっても後からチャットでフォローするとか、メンバー間のコミュニケーションはこまめに取っておくに越したことはないんだけれども、リアルの良い意味での「ついで感」がないな~と感じる。「ついで」だからお互い負担にならない…そんな感覚ないでしょうか。
プラスアルファのコミュニケーションと重複する部分もあるが、会議後のフィードバックもリモートだと得づらいなと思う。一緒に参加していた人と進行についてどうだったとか、あの議論はこうすればよかったかも、とか、リアルだったら会議室から戻る道すがらしゃべりながら得られるフィードバックをもらいづらい。これって会議スキルの向上にとって、痛手じゃないかなと思う。
まとめると、リモート会議<リアル会議となるのは、会議中に得られる情報/会議前後、会議中のプラスアルファなコミュニケーション/会議後のフィードバック。
逆にリモート会議の方が有利な点は何かあるだろうか。会議開催のハードルが低くなることが大きいし、会議にかかるコストが下げられるのは大きなメリットだろう。また、短所は長所ということでひっくり返して考えてみると、会議がシンプルに進行できる、余計なことは発生しづらいことだろうか。でもこれって本当にメリットなのかはケースバイケースな気がする。
立てた問いを見直す
従来通りのリアル会議を前提としたスキル向上については、リアル開催の方がよさそう。リモート会議の成果やスキル向上についても、リアルで得られるメリットは捨てがたい気がする。しかし、そもそもリモート会議の場合は、リモート会議に合わせたゴール設定が必要な気がしてきた。もう別物として割り切る、というか。
あと、今回はリモート会議か直接会議参加か、という2択で話を進めてきたけれど、実はハイブリッド開催もある…。私は複数拠点をつないだリモート会議で、同じ拠点の人と一緒に会議室から参加することが結構ある。その場合、会議後のフィードバックはもらえている。ただ、一緒に参加するメンバー同士のつながりが強化される一方、顔を合わせていないリモート参加同士のつながりが相対的に弱くなる恐れもあるかもしれない…。
とりあえずのまとめ
リモート会議で取りこぼしているものが少なからずありそうだ、ということがわかった。工夫次第で直接会議に参加しなくても、取りこぼさずに済むようにできるかもしれない。完全リモートではなくて、ハイブリッド開催についても考える必要がありそう。そして、リモート会議における理想形が描けていないことがわかったので、自分が従来型の会議に引きずられているなという気づきになった。
疑問②については暗黙知についてもう少し調べたり考えてからまとめたいと思う。
以上です。
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