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ヤン・ファン・エイク<ロランの聖母子>(メモ)

ルネサンスと言えば、イタリア。

ルネサンスの重要画家を挙げろ、と言われれば、私でもまずイタリア人の名を挙げる。

何人か挙げて行った後、ようやく同時期のフランドルで活躍した画家が来る、と言ったところか。

例えば、フランドルの代表格ヤン・ファン・エイク、という名前を出したところで、何人の初心者が興味を持ってくれるだろう。

どんなに美術史上有名だとしても、日本に作品が無いからか。

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ヤン・ファン・エイクの代表作として挙げられるのが、こちらの<アルノルフィニ夫妻の肖像>である。

フランドルで、ヤンとその兄フーボルトによって発明された、油彩画の嚆矢と言うべき作品。

夫人の服の緑の鮮やかさ、明るい室内、そして、インテリアの緻密な描写。

「世界でもっとも有名な絵の一つ」と言われるのも、頷けよう。

入門書などで、美術史をざっとさらおうと思ったとき、必ずと言って良いほど出てくる。

むしろ、入れるのが「王道」と言おうか。

もう一つ、この絵の他に、個人的に私が気に入っている絵がある。

それが、こちらの<ロランの聖母子>である。

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上の肖像画とは違い、こちらは一応、宗教画。

左で手を合わせている男性は、注文主のロラン司教。豪華な刺しゅう入りの衣装を着ている。

そして右には幼子イエスを膝に乗せた聖母マリア。

たっぷりとした赤い衣裳の襞の描写が印象的だ。

そして、頭上には、小さな天使が宝冠を彼女にかぶせようとしている。この宝冠の細工の細かさ!(当時のフランドル(ブルゴーニュ公国領)は、洗練された文化の中心だった。)

他にも室内に目を向ければ、床のタイルや柱に施されたレリーフ。ステンドグラス。外の風景。

様々なモチーフが、細かく、写実的に描き込まれている。

このディティールの細かさ、そして何気なく描き込まれたモチーフが、しばしば何か意味を持った「シンボル」となっていること―――それらがフランドル派の醍醐味と言おうか。

もう少し情報が揃ったら、ちゃんと書きたい。

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