今、私の前にある壁ーーーそれは、映画『プラド美術館 驚異のコレクション』について書くこと。
 映画について、書けるようになりたい、と思い、練習はしてきた。
 練習といっても、映画を見ては、noteに好き勝手に思ったことを書き付けていただけ。
 コンテンツになるか、なんて意識しちゃいなかったのが正直なところ。
「そう緊張しなくていい」
と、向こうは言ってくれているが・・・。
 緊張は、私の悪いクセと言おうか。
 どうやったら、映画の魅力が伝わる?
 私は、一鑑賞者として何を面白いと思った?
 映画をより楽しめるよう、私が補足できる要素はないか?
 考えはつきない。

 とりあえず、映画を通じて驚いたことの一つは、

「コレクション(絵画だけでも8300点!)は、全て、正当な報酬や対価を支払って集めたもの」
つまり、
「略奪品はゼロ!!」

 コロンブスを支援し、新大陸への足掛かりをつかみ、一時はヨーロッパ一の大国として栄えたスペイン。
 イギリスに敗れてからは衰退するも、美術への愛は変わらなかった。
 歴代の王や女王は、知識ではなく、自らの感性に従って、美術品を集め続けた。
 「いいな」「好きだな」と、心の声に耳を傾けて大切にした、と言おうか。

 例えば、17世紀の王フェリペ4世は、政治的には無能だったが、目利きとしては一流で、自国の画家ベラスケスを抜擢し、厚い信頼を寄せた。
 彼の根っこにあったのは、恐らくは先王たちが集め、残したコレクションだっただろう。

 数多の作品を通じて、目を養い、そして「自分が良い」、と思うものを信じるーーーコレクションと共に受け継がれたのは、その習慣ではないだろうか。

 映画中の、現代人たちのコメントを聞きながら、そんなことを思った。

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