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《読書記録》ブラック•ショーマンと名もなき町の殺人 東野圭吾

「名もなき街の、殆どの人が訪れたことのない平凡で小さな町なのに」

結婚を控えた真世の元に父の訃報が入る。自宅で発見された父は何者かに殺された可能性が高いという。
真世は何年かぶりに帰省した叔父武史と共に事件の真相を追うことに…。

軽いミステリー。元マジシャンの叔父という変わり者の魅力的なキャラクターとそれに助手的についていく主人公のやり取りも面白い。赤川次郎の作品を読んでいるようなそんな気軽さがあった。
事件はかつての同級生も絡んで複雑になっていくかと思いきやラストはわりとすんなりいった印象である。登場人物達の関係性も難しくない。

また、コロナ禍のこの状況をこんなに早く題材にして書き上げてしまうとはさすがの一言。
殺人事件の謎はもちろんだが、コロナ禍での葬式、結婚式、観光に頼る地方の現状などの描写も興味深い。これは後にコロナの時代を振り返ることのできる小説でもあるのだ。
★★★★

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