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付箋付きチョコレートと愚かな私

自分の情緒に振り回されている。
それはもうブンブンである。
いつか遠心力で空の彼方に飛んでいってしまうかも。


最近、また自分の心が不安定になってきた。
どうせなら、ひとつの感情をある程度継続していただきたい。ついさっきまで、初めての仕事を1人でこなして「やりきった!やればできるじぶん!」と達成感に満ち溢れていたのに。その喜びは、あるものを見て一瞬で消えた。見つけてしまったのは、付箋付きチョコレート。


私は仕事の都合上、デスクを離れていることが多々ある。たとえ大量の事務作業があったとしても、訳あってそちらの担当業務を優先しなくてはならないため、ほとんど上司や後輩の手を借りながら事務作業を進めていくことになる。


今日もそうだった。
午後ほとんど席を外す私の代わりに上司が事務作業を進めてくれていた。デスクに戻った私は残りの作業を片付けながら(みんな帰っちゃったんだなぁ)と周りを見ていると、後輩の机に付箋付きのチョコレートが置かれていることに気付いた。付箋には、上司の文字で“ありがとうございました”と書かれていた。

恐らく、上司から後輩へ感謝のお菓子だろう。

私の仕事のせいで忙しくなってしまった上司の手伝いを、後輩がしてくれたのだと思う。


………あー、心がしんどいなぁ。


今の仕事はあきらかに1人でこなせる量ではないし、部長からも、こればかりは仕方がないから周りに協力してもらいなさいと指示されている。実際どうしようもないということも、自分が1番分かっている。

けれど、

私の心がこれを良しとしていないのだ。
こういうもの(チョコレート)を見てしまうと
なおさら、こう思ってしまう。

私ばかり、周りに支えられて情けない。



本当はもっと頑張れば1人でできるんじゃないの?
私の要領が悪いから、こんなことになっているのでは?他の人ならもっと上手くやれるのか?
次から次へわたしが私を責めてくる。


後輩は、チョコレートに感謝の言葉まで受け取る活躍をしているのに。私は……。


人と比べるなんて愚かなことだ。
それは重々承知しているのだけれど、今日みたいな日は思わずそんなことを考えてしまう。

あぁ、バレンタインも間近だというのに。
恐らくあと数日はチョコレートを見るたびに苦い顔をしてしまうだろう。



ここまで読んでくれて、ありがとう。

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