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ー夏の小旅行(箱根、小田原)ー『Palais Coloré』エッセイ2023/8/15掲載

夏の小旅行ー箱根、小田原ー

夏休みも折り返し、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
今年の夏は猛暑日が続いておりますね。

台風の影響も心配されますが、
コロナが落ち着いたこともあり、数年ぶりに海外などへご旅行されたり、
夏らしい夏を大切な方々と一緒に過ごされている方が多いと思います。

我が家も、愛知県に住む父母、親戚と小田原、箱根で合流し、
家族揃って夏の小旅行を楽しんできました。

久しぶりの箱根の街並みは、以前と変わらず情緒ある温泉街の雰囲気を残したまま。
秋の紅葉の時期の来訪も良いですが、夏の緑豊かな箱根もいいものですね。
今回は、宮ノ下にある富士屋ホテルに滞在しました。

箱根へ行くたびに車で前を通ったりしたことはありましたが、宿泊は初めて。
20代、30代の恋人同士、若い夫婦がこのホテルを宿泊先に選ぶことは少ないのでしょうか?
私もこれまで宿泊する機会もなく、今日に至りました。
父母も初めての宿泊となり、父に関しては密かに憧れていたそうです。
憧れていたなんて、今、このタイミング知ることになりました。
人の憧れ、ましてや家族の憧れを知るタイミングはひょんなことなのかもしれません。

歴史的な建造物である富士屋ホテルは、
一歩足を踏み入れると館内の至る所に歴史的情緒を感じます。
これまで富士屋ホテルは何度も改修工事を繰り返して現在に至るそうで、
ホテルの歴史を大切に守られてきていることにも感銘を受けます。

最近はコロナの影響もあり、時代の流れから
古いものは新しいものに淘汰されてしまう傾向があります。
流れに沿って変化を受け入れることも大切ですが、
歴史あるもの、皆が大切に守ってきた気持ち受け継ぐことの重要性を感じていました。
それをこちらの富士屋ホテルさんは見事に実現されていらして、
対応して下さったホテルの方がそのことに誇りを持っていらっしゃるお姿がとても印象的でした。

昼過ぎにホテルに到着し、
ラウンジで美味しい水出しアイスコーヒーをいただいた後、箱根の街の散策へ。
日も沈みかけ、ホテルに戻り温泉で疲れを癒した後は、
国の登録有形文化財でもある「メインダイニング・ザ•フジヤ」にて、
子供も一緒にフレンチのコースをいただきました。
ここでのお食事は、今回の旅の目的の一つでもありました。


近代的な建物のホテルでいただくフレンチとは違う趣での食事となりました。
クラシックホテルは、そこにいるだけで日本の歴史を肌で感じ、
和洋折衷の雰囲気からも、これまで日本人が世界を尊敬と憧れの念を抱いて
受け入れてきたと感じます。
1878年から営業されているので、私の年齢的に懐かしいと言えるものはないのですが、
そこで過ごしてきた人々の想いが歴史として残っているように感じました。

また、その翌日に有名な「菊の間」をご案内いただくことになったものですから、
想像力も際限なく掻き立てられてしまいました。

過去に、この菊の花が掲げられた扉をくぐり、三島由紀夫が新婚旅行で滞在し、
また、ジョン・レノンが宿泊したと思うと、ミーハー心も通り過ぎて、
普通に緊張してしまうものです。


朝食は父の希望で離れにある旧御用邸菊華荘で和朝食をいただきました。
「日本庭園を眺めながら、和朝食をいただく」
これは本当に至福の時ですね。
心にも体に優しく、前日の晩にフレンチのフルコースを頂いたのにも関わらず、
素材の味を十分に感じさせてくれる品々が美味しくて美味しくて。

また、館内の至る所には歴史を感じる小物や家具などが展示されています。
その歴史を再確認し、学ぶことができる博物館も併設されています。
こちらは宿泊客に開放されている場所なのですが、とても広い敷地ですので私達は気が付かず‥、
ホテルの方にご案内いただかなかったら見過ごして帰京してしまうところでした。

時代の流れにともなうホテルの変遷を知り、
その当時の貴重な備品などを見学する良い機会となりました。
いつの時代も世界を見据え、新しいもの日本に取り入れる先駆者がいるのですね。
以前、三重県で訪ねたMIKIMOTOの創業者御木本幸三さんのお宅を思い出しました。
写真のバスタブも、当時は船便で気の遠くなるくらいの日数をかけて日本に届いたそうです。
この優美な曲線で縁取られ、足のついたバスタブに、きっと衝撃を受けたことでしょうね。

最後に、レトロな屋内プールも必見です。
タイルの貼り方、2階の観覧席の造作、奥にはなぜか人物大の白い石像が置かれていたり。
当時の西洋への憧れを全て取り入れたモダンなプールは、
富士屋ホテルを訪ねる限られた人々へ向けた、特別な場所だったことを感じさせてくれます。

東京から近場だからと行き先を決め、決行した今回の箱根滞在。
富士屋ホテルでの滞在は思いがけず見所や学びが多く、印象に残る旅となりました。

その後は、小田原のヒルトンホテルへ移動。
トップ画像はお部屋から眺められる海です。
夏空のもと燦々と照りつける太陽を受け青々とした海が澄んでいて美しかったです。
ファミリー向けのゆったりしたホテルで、海の変化を眺めては写真を撮影して過ごしました。

皆さんはどのような夏をお過ごしになられましたか?
また、ブログなどで教えて下さいね。
楽しみにお待ちしております😊


春香さんの素敵な文章とお写真で、読んでいて私もうっとり〜してしまいました😍 壮観な富士屋ホテル、由緒あるお部屋、お料理、どれも素晴らしいですね✨ そしてお父様もきっと喜んでいらっしゃったのでは、と思い、親孝行だなとしみじみしながら 私も両親をこんな素敵な場所へ連れて行ってあげたいな、と思いました💕 PS: 春香さんのインスタに上げられていた、息子さんが撮られた春香さんのお写真、すごく好きでした✨息子さんにしか撮れない”母”の優しい笑顔ですね💙

『Palais Coloré』メンバーコメントより抜粋

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