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彫金職人は道具も自分で作ります!

ジュエリー作家のazur.jewelryです。

今日は彫金に使う道具の話をしたいと思います。彫り作業や打ち出し、覆輪止め用のタガネ、刻印など、売っているものもありますが、ほとんどは自分で製作します。

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自作の彫りタガネです。赤タガネ、青タガネ、超硬タガネ、ポンチなど。

これらの道具は全て自分で作っています。

赤タガネの特徴

赤タガネは焼きなしの状態で売っているので、ヤスリで簡単に削ることができます。素材は炭素鋼で鉄に炭素が入っているタガネです。鋼は炭素の含有率が増すにつれて硬く、強くなる性質があります。焼き入れ、焼き戻しの熱処理によっても大きく性質が変わります。

扱いやすいので、彫りタガネを作りやすく、毛彫りタガネ(曲・直)や片切タガネ(曲・直)、甲すくいタガネを作りました。使いやすいタガネをつくるのは、ちょっとした角度で変わるため、常に手入れが必要です。

青タガネの特徴

青タガネは材質がハイス鋼、ドリル刃と同じ素材です。赤タガネとは違って熱処理は不要です。ヤスリでは固くて削れないので、グラインダーで削ります。これが慣れていないと、なかなか難しい作業になります。

メリットとしてはタガネの熱処理によるばらつきが少なくなつ、ステンレスなどの固い金属でも彫れるなどです。

個人的には赤タガネだけで十分かなと思います。自分で彫りやすいタガネに手入れが出来ますし、青タガネの成型が難しいからです。

超硬タガネの特徴

超硬タガネは工具屋で形状になった状態で売っています、そのまま使用してもいいんですが、グラインダーで手をいれないと使いにくいです。これもちょっとした角度の調整なので、熟練の技が必要です。

私は、日本宝飾クラフト学院の通信教育で学び、その後、京都の職人さんに習いました。これらのタガネは和彫りをしたり、石を彫り留めするのに必要な道具です。

刻印用タガネ

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刻印用のタガネも自分で作ります。

主に赤タガネを使って作りました。一部ツルツルになったヤスリを切断して作ったものもあります。焼きなましをして柔らかくしてから、ヤスリや糸鋸で模様をいれ、焼き入れ、焼き戻しをします。

出来上がってから、刻印を金属に打って確認し、思うように仕上がっていない場合は、また同じ工程を繰り返します。

他にも、覆輪止め用のタガネや、打ち出しようのタガネなど、作りたい物に合わせて使う道具も作ります。

結構地味な作業です。

ジュエリーを製作する上で、たくさんの道具や工具を使用しますので、すべてに手入れが必要で、大事に使っています。

工具や道具は自分で購入したものもありますが、廃業した職人さんから受け継いだ物もいくつかあります。職人さんの思いや技術を受け継いでいきたいと思っています。そして、私もいつか手放す時がきたら、若い担い手に受け渡ししていきたいです。

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