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【感想】映画『あんのこと』

先日『あんのこと』という作品を見ました。
今年見た映画の中では、かなりショッキングを受けた作品であり、この物語は実話をもとにした作品でどこまでの内容を実話でフィクションが織り込まれているのかは気になったが、上半期の映画作品では間違いなく見逃せない映画であることは確信しました。
物語の概要としましては、売春や麻薬の常習犯である香川杏という女性が主人公であり、ホステスの母と身体の悪い祖母と暮らしていて杏は日頃から暴力的で罵詈雑言を浴びせる母親によって育てられ、学校をやめて母の金銭目的の為、売春を始めた。
そこで出会ったのは、多々羅という性格の変わった一見明るい男であり、彼の世話によって彼女は少しずつではあるが更生していく。
多々羅と出会い、友人の記者である桐野という男とも出会い、彼らの支援も受けながら新しい仕事や住むための家まで見つけてくれる。
だが、ある時、急に流行りだしたコロナによって、孤独と不安に直面しながら、杏のもとに最悪な出来事が次々と起こってしまう。
彼女は読み書きはもちろん、義務教育を受けていない彼女の勉強や就職まで手助けしてくれた多々羅や桐野の彼女に対する思いやりはとても感動させられるものがあり、次第に彼らの存在は彼女の心の支えとなっていくのだが、多々羅や桐野の出会いからラストにかけての杏が絶望の淵に立たされる瞬間を見させられる時、大きな降り幅があったので見ているのが本当に辛くて息苦しさを感じさせられました。
『あんのこと』を見てから、時間を空けてあのシーンやあのシーンのことなどを色々と思い返していると、あんちゃんの不遇な壮絶な人生を通して彼女の毒母の言動に私自身は強い憤りを感じたことを記憶しています。
何故、あそこまで彼女が追い詰められる必要があったのかということ。
娘に対して‘‘ママ’’と嘲笑し呼ぶ姿も私にとっては腹立たしさもありました。
『あんのこと』という物語は、私たちにとって決して無関係な問題ではなく、実際に杏のような境遇にいる人たちは、今も必死に毎日頑張りながら過ごしている。
杏は私たちの身近なところに確かにいた。
だからこそ、こうした社会的な事実を決して国は黙殺してはいけないことだとそう感じさせられました。

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