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撮影現場で使われる専門用語を英語で学ぼう!

こんにちは、ニューヨーク在住女優、筒井あづみです。今回は私の本職であるお芝居の仕事についてご紹介します。

今回のお仕事はトイレのクリーナーや洗剤を販売している会社のコマーシャル。コロナ以降は現場での撮影はめっきり減ってしまったので、久しぶりの現場撮影です。

まず前日に “call sheet” というものがメールで送られてきます。これは当日の予定表。自分の集合時間のことを “call time” と言います。

また、自分で現場まで行くことを “self-report” と言います。撮影現場が遠い場合はプロダクションが車を出してくれたりします。

現場に着いてまずやることは wardrobe (衣装) の確認です。それが済んだら次はヘアメイクです。これは頭文字でHMU (hair, make-up) と記載されたりします。

それが終われば大抵は本番まで待機になります。アクターたちの控室は “holding room” と言い、そこで朝食を食べたり、コーヒーやスナックを食べながら待ちます。

撮影現場には “craft service” なるものがあり、これを略して “crafty” などと呼びますが、これはおやつや飲み物が置いてある場所のこと。

撮影の現場はよく “Hurry up and wait” だと言われます。1日の仕事のなかで待ち時間が長く、アクターが呼ばれるときはやたらめったら急かされます。

カメラやレンズの設定、照明、サウンド、そして props (小道具)、すべてのチームがうまく協力し合わないとなかなか先へ進めないのが撮影の難しいところ。アクターはすべての準備が整ったところで最後にパフォーマンスを行う役割といったところです。

ちなみにセリフは “line”、台本は “script”、自分のセリフのところだけ抜き取ったものを “sides” と言います。

カメラ、照明の準備が整い、いざセットへ。アクターの身長に合わせてカメラのフレームの最終調整が行われます。私は身長が低いのでよく “apple box” を用意されます。これはアクターが乗る木箱。様々な厚さのものがあり、一番薄いものを “pancake” と呼びます。

アクターをカメラのフレームにうまくおさめるために少しだけ右を向くとか左に半歩進む、などの細かい指示がディレクターから出されますが、こういった動作のことを “cheat” と呼びます。 “cheat” は本来「ずるをする」とか「カンニングする」といった意味ですが、撮影の場合は、例えば相手役の人がいても、カメラの映り方の問題上、その人に真正面では向かい合わず、すこーしだけ右を向いてください、などの指示が出ます。実際には不自然なことをしていてもカメラではそちらの方が自然に映ったりするのです。

「本番いきまーす」は "Picture's up!" 

撮影開始の掛け声は “Camera!” “Rolling!” “Sound!” “Rolling!” “Speed....Action!!” です。この監督からの “Action!” を待たずに始めちゃうと恥ずかしい思いをするので必ず待ちましょう。

その後1日 “Hurry up and wait” を続けて、夕方にやっと “Wrap”(仕事が終了すること。自分の出番が終わったら “I’m a wrap!” と言ったりします)。待ち時間ばっかりだったとはいえ、けっこうくたくたに疲れます。

ちなみにその日最後のショットを “Martini” と言います。なので誰かが "Martini's up!" と言ったら「次で最後か~」と喜んでいいです。

さて、みなさん、なんでカチンコを使うかご存知ですか?カメラの前で本番前に「かちゃん」とやるあれですが、あれは「かちゃん」という動きと「かちゃん」という音を撮っておくことで、編集時に音と映像のタイミングを合わせやすくするためにやっているのです。英語ではカチンコのことを "Slate" と言いますが、slateを持っていないプロダクションでは、アクターに本番前にカメラの前で手をぱちんと叩かせることで同じことを行っています。


以上、撮影現場で使うお役立ち英語でした~。また次回をお楽しみに。

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