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絶対にメイドになりたかった私が、バイトに10個以上落ちてメイドリフレで働くまで

※いかがわしい話はありません
※サムネは私です

「絶対にメイドになりたい!」

そう思ってメイドの面接に来る子はどのくらいいるもんなのでしょうか。

少なくとも私はメイドがやりたくて仕方なくて、メイドリフレという天職に出会い、大学4年間のバイトを全うしました。

ちょっとだけ、そんな大学生のころの身の上話をさせてもらいます。



メイド喫茶でバイトしたいと言いふらしていた高校3年生

大学時代の話をするためにはまず、2013年、高校3年生の冬に遡ります。

受験が終わり、みんながガラケーをスマホに買い替え、高校最後の春休みに忙しくしていたころ。

「大学に入ったらなんのバイトする?」というこの時期特有の質問に、「メイドさんになる!」と私は威勢よく答えていました。

「可愛い服が着たい」とか「可愛い女の子とお近づきになりたい」とか「絶対領域に住みたい」とか…不純な動機だったと思います。

不純ながらもそれなりに、大学生デビューしたかったし、社会人になる前に別のものになりたかった。変身願望のかたまりでした。

「変身」というくらいには、高校3年生の自分とメイドさんはかけ離れていて、喋りも得意じゃなければ、メイクも下手。普段の私を知っている同級生たちには「いやいやazumiがメイドは厳しいっしょ」と一蹴されていました。

大学に入学したらメイドになってそんな同級生も見返せるんだと、その時は信じて疑いませんでした。


バイト10連続落ち時代

いやびっくりですよ。大学に入ったら自動的にメイドになれるような気がしてたんですから。

バイト未経験+遠方住み(アキバまで2時間くらい)の人材は、今考えるとたしかに採用する気になりません。

あまりにメイド喫茶に受からないもんだから、まず私にはバイト経験が必要なんだと思って、「メイド服が着れる普通のカフェ」の面接を受けることにしました。

なんのわだかまりもなく、むしろ大ファンなので紹介させてもらいます。当時東京にあった店舗全て受けて、全て落ちたのは「椿屋珈琲店」さんです。

行ったことある人ならわかってくれるかもしれません。ここは大正レトロな高級喫茶で、女性の店員さんは白黒ロングドレス+カチューシャのクラシカルメイドスタイルなんですよね!!!!(早口)

今でも好きすぎてたまに拝みに行っています。

しかしどんなにファンであっても働くとなるとまた別です。高級喫茶ならなおのこと、バイト未経験者は受かりにくいわけでした。

それにも関わらず、しらみつぶしに店舗をリストアップしては電話をかけ、面接して、落ちて…。

あまりに数が多いので、店舗/電話番号/面接日/合否を紙に書いてリストアップしていました。新卒の就活ならまだしも、普通のバイト面接でこれをやってる人はいないんじゃないでしょうか。就活生でも紙には書かないか。

1〜2個落ちた時点で気づけばいいのに…あの頃はずいぶんと脳筋でした。「やたら面接に来る未経験の大学生がいる」とか、エリアマネージャー陣で笑い話にでもしてくれていたら嬉しいです笑。

椿屋珈琲店全部受け・全部落ちを一通り終えたころには、すでに7月。周りの大学生は初バイトでの仕事を覚え、テキパキ稼ぎはじめた頃合いでした。

私は懲りもなくメイドの求人を眺め、「メイドリフレ」というジャンルを発見します。

その頃にはすでに「JKリフレ」なんかが摘発され始めた頃合いだったので、「リフレ」という言葉にすこし怖さはありました。

しかし、あまりに一般的すぎる時給表記がむしろ安心要素になり、試しに受けてみることにしました。(これが日払い手渡し高時給!みたいな感じだったら避けていたかもしれない)

※補足しておきますと、健全なメイドリフレはマジで時給が高くないです。居酒屋バイトの方がよっぽど高いと思います。稼げるか稼げないかではなく名誉職みたいなものです。単純に稼げる仕事を探している場合は正直、(不健全な方の)リフレか、巷で流行りのコンカフェなどをおすすめします。

もうあまりにバイトに落ちすぎて、今回も落ちるだろうな〜と思っていたらまさかの合格。やっと掴んだメイドという職。「喫茶」だろうと「リフレ」だろうとメイドはメイドです。

大学1年生の夏、ようやく憧れの職業に就くことができました。


〜Happy End〜


…メイドになるまでの話はハッピーエンドなんですけれども、これを読んだ人が、「必死こいて水商売に就いてて草」とか「自慢するような職業ではない」とか誰かが言ってきたらめちゃくちゃ嫌です!だって私はこの仕事にえげつない誇りを持っているのですから!!

そんなわけで、ここからはメイドになってからのお話。

noteの世界にいる、メイドリフレに一切縁がなかった人にもイメージしてもらえるよう、既存イメージの払拭になるよう、「リフレでよかったこと」を働く側の視点から紹介します。

元メイド、しかも喫茶じゃなくてリフレのメイドが思ったことにもう少しお付き合いください。


リフレでよかったこと① 手に職

メイドリフレって何をするんだいと、行ったことのない方は思うかもしれませんね。(知っている人は読み飛ばしてくださいね)

リフレは整体や針灸などとは違って、資格なしでできるマッサージの仕事です。

「リフレクソロジー」の本来の意味は主に「足ツボマッサージ」のことですが、足ツボ以外にも全身の施術を行なっている店は多いです。

服装だけメイド服にして、サービス内容は「てもみん」とか、「ラフィネ」とか、「リラクゼ」とか、今では繁華街や駅ナカに必ずといっていいほどあるマッサージ屋さんと同じと考えてください。

どうでしょう?思ったより健全でしょう笑?当然お触りは即出禁です。(私はちょっと怪しいムーブをするご主人様はバンバン出禁にしていました。そして平和は保たれる。)

さらに、私の働いていたお店は個室もなかったし、オイルマッサージや仰向けでのマッサージもなかったので、むしろ普通のお店よりもある意味安全かもしれません。


意外とマジメにマッサージを受ける店なんだよということを理解してもらったところで、リフレは「資格なしでできる」と言えども、適当にやっていいわけではありません。

お客さんに施術する以上、ツボごとの効能や、マッサージの順序を覚えたり、ちゃんとブレなく筋肉に届くような正しい押し方を身につけたりすることは必要です。

施術の流れと技術を一気に叩き込むわけなので、最初はそれなりに大変でしたが、私が自信を持って「手に職」と言えるスキルは後にも先にも「マッサージ」くらいとなりました。

もちろん、現職のWeb広告業も長く経験していますが、職人的な、「ブランクがあっても体が覚えている」的なスキルかというと違う気がして。

たまたま入ったリフレ業界でしたが、「社会人になる前に何かになりたい」と思っていたところに、マッサージというおそらく一生モノのスキルを思いがけず手に入れられたことは嬉しかったです。

もしも私が会社員を辞めて、食うに困ったとき、真っ先に見るのはリフレの求人でしょう。どんな仕事よりもダントツでまず見ると思います。

年齢的に「メイドリフレ」ではないかもしれませんが、リフレ業界にはいつでも復帰したいし、復帰できるかもなと今でも思うのは、大学生のときの「手に職つけた自信」が残っているからでしょう。


リフレでよかったこと② ご主人様1人に全集中

メイドリフレにおけるお客さんは、「ご主人様」や「お嬢様」。やはり、ご主人様のほうが割合は高いですね。

正直、メイドになろうと思ったとき、一番の不安要素が「ご主人様との会話」でした。メイド喫茶は会話をする商売だってのに、そこが一番私には欠落していたのです笑。

お世辞にも社交的とは言えない性格をしていて、事実、友だちも少ない私が、あんなに流暢なフリートークをこなせるとは思えない…。それはいまだにメイド喫茶に行くたびに感じます笑。

そんな私がなぜメイド続けてこれたのか、それはやはり「リフレ」だったからと言えるでしょう。たまたま受かった先がメイドリフレだったに過ぎないのですが、そうでなければこのようないい思い出にはなっていないと思います。

メイド喫茶だと「1人のご主人様に1人のメイドが120分ずっと担当につく」なんてことなかなかありえませんし、フロアの状況を見渡しながら、その場に応じた接客や他メイドのフォロー、ドリンクの準備、お会計など、あらゆるマルチタスクが求められるでしょう。(私はこういう動きをしながら空気を読んだコミュニケーションをとるのがめちゃくちゃ苦手)

しかしメイドリフレだと、「120分間ずっと1人のご主人様を担当」はよくあるのです。「コミュ障が120分間、1対1でだれかと過ごすなんて無謀では?」と思う人もいるかもしれませんが、不思議なことに私はまったく苦に感じず、むしろ得意とまで感じていました。コミュ障にもいろんなタイプがあるのかもしれません。

いわゆるオタクらしく、アニメやアイドルの知識を披露してくれる人、
自分の仕事の話をしたい人、
メイドである私の話を聞きたがる人、
大学生である私の話を聞きたがる人、
まったり世間話をしたい人、
前半は喋って後半は眠りたい人、
受付までは毎回ノリノリなのに、マッサージに入ると毎回爆睡する人…

ご主人様はほんとうに十人十色。100人いれば100通りの接客があります。接客時間が比較的長く、1対1であるぶん、このバリエーションの広さはメイド喫茶以上かもしれません。

メイドリフレはそんな一人ひとりの異なるニーズにいわば「全集中」して施術します。私はこれが大好きで、没頭していました。

まず初対面で、ご主人様は何を求めてメイドリフレに来てくれて、私にどういう接客をして欲しいのか、言葉、仕草、髪型、服装、表情などをよくよく観察します。

そして、そこで導き出したイメージで自分のキャラを設計し、話題や会話量、表情や話すスピード、リアクションなどなどを微調整しながらコミュニケーションのキャッチボールを重ねていきます。

もちろん外すこともありますが、そのキャラがピタッとはまって「また来るね」と言われたときの喜びは、それでもらえるお金なんか比べ物にならない、変え難いものでした。

「そんなの接客業の常識だよ」とか言わないでください。私にとってはこれが最初の仕事であり、最初の接客業なのです。

ある意味毎回、「作った自分で演技してる」とも言えるのですが、それがいい。

ほんとうの私なんて単なる「ぼっち」なのです。せっかくメイドになって、仮にも源氏名が付いているのだから、その時くらい完璧な自分に変身していたい。

ポケモンのメタモンばりに、ご主人様ごとに雰囲気を変えているものですから、めちゃくちゃ心身共にカロリー消費が激しいです。

メイド喫茶だったらきっと、考える要素が多すぎてパニックになってしまうけれど、メイドリフレは「ご主人様」と「マッサージ」しかないからこそ、全力で疲れ果てるまで打ち込むことができました。そうやって全力でそのご主人様に没頭していたからこそ、それなりに喜んでもらえたんじゃないかという自負はあります。

もし毎日賑やかかな大人気メイド喫茶なんかに受かっていたらどうなっていたんだろう…爆発してたんじゃないかな笑。

少なくとも私には、この没頭し全集中する接客があまりにもぴったりとはまっていました。この接客に出会えたのはたぶん「喫茶」ではなく「リフレ」だったから。ここまでたくさん落ちてきてよかったな。


転んだ先の天職

あくまで結果論にしかすぎませんが、私はバイトに10個以上落ちまくったからこそ、メイドリフレの求人に出会って、天職にありつけました。

肩が凝ってる人がいれば自然とマッサージしちゃったり、
「バイトするならマッサージ屋さんかな」と真っ先にイメージができたり、
大人数の飲み会より1対1で対峙する方が得意だったり…

今の私をかたどる個性や特性を作っていったのは、社会に出る前のあの「変身体験」に違いありません。

メイドとして演技していた自分は、仮の自分や嘘の自分かもしれません。でも、メイドになる前の自分よりちょっと好きかもしれないです。

絶対なりたいと思った職業を全うできたこと、おばあちゃんになっても思い出すと思います。死に際の走馬灯には組み込んでもらえるよう、もし三途の川の走馬灯編集担当がいれば、前々からお願いしておきたい笑。

転んで、転がっていった末にぴったりの仕事があるとは思いもしませんでした。メイドさんになる夢、捨てなくてよかったな

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