見出し画像

部品とは


コンピュータは、主に「CPU」「メモリ」「ストレージ」「ネットワーク」の部品から構成されています。

CPU

「CPU(Central Processing Unit:セントラル プロセッシング ユニット:中央処理装置)」は、そのまま「シーピーユー」ということが多いです。演算(計算や判定)や装置の制御を行います。
CPUが含まれる機器が本体だと思って良いでしょう。

見た目は一つの部品ですが、中には複数コア・複数スレッドのものが一般的になりました。
「コア(core)」とは処理する回路で、「スレッド(thread)」とは1つのコアが同時に処理できる仕事の数です。コアやスレッドの数が多くなると同じ時間でも多く処理できますが、処理の中には手分けできないものもあるので、コア数×スレッド数が2倍でも処理速度が2倍になるとは限りません。

処理する途中のプログラムやデータは、一時的に「メインメモリ」へ記憶します。メインメモリとのやりとりはCPUの処理より遅く、CPUが待たされることもあります。この待ち時間を減らすために、CPUの中にメモリを持たせているものもあります。このCPUが持つメモリを「キャッシュ(cache)」(「現金」のキャッシュ(cash)とは違います)といい、メインメモリより高速にやり取りできます。より高速化のために1次、2次、3次キャッシュを持つものもあります。

CPUはいろいろなメーカから出ていますが、演算や制御を行うために用意されている命令はそれぞれのCPUで違うので、制御するOSも異なるのが一般的です。
しかしIntel社とAMD社のCPUのように、どちらもWindowsが動作するものもあります。これはCPUに用意されている命令に一部互換性(別のものに置き換えても同じように動作できる性質)があることと、Windowsという「OS(オーエス)」がCPUの違いを吸収しているためです。
Mac(Apple Macintosh)はモトローラ社、Intel社のCPUを採用してきましたが、最近は自社で開発した「Appleシリコン」を採用し、自社のPCやスマホ、タブレットへ搭載しています。
スマホやタブレットなどバッテリーという限られた電源でも長時間使えるように、消費する電気量を抑えたCPUなどもあり、用途に応じて採用されています。

メインメモリ

CPUが演算する手順や処理対象のデータ、処理途中にできるデータの一時的な記憶場所として使われるのが「メインメモリ(main memory:単に「メモリ」ということもあります)」です。一時的な記憶場所のため、電源が切れると内容は消えます。

使用中にメモリの空きが不足すると、メモリの内容をストレージへ一時保存することがあります。これを「仮想メモリ」などと言います。
ストレージとのやりとりの速さはメモリより遅いため、頻繁に行われる場合は処理全体が遅くなります。
この場合、メインメモリを追加または容量の大きいものへ交換すると解消されることが多いですが、CPUやOSの制約で増やせるサイズに限界があります。

ストレージ

ストレージ(storage:貯蔵庫)は情報を保存するために使います。保存が目的のため、電源が切れても消えないように作られています。
ストレージには、本体に内蔵するものと外付け機器として使えるものがあります。
内蔵型は本体に設置するため置き場所を取らず、接続も早い方式が使えます。
外付け型は取り外ししやすいので、持ち運びに向いています。

ハードディスク

ストレージの代表格に「ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)」があります。単に「ハードディスク」ということが多いです。

円盤の上に磁性体(じせいたい:磁気を帯びる物質)を塗り、小さい範囲をN極・S極へ磁化させることで情報を記録しています。円盤上を読み書きヘッドが移動するため、動作中に振動を与えると故障することがあります。
部品の大きさは3.5インチまたは2.5インチのものがほとんどです。2.5インチは、ノートPCに搭載しやすいサイズとして登場しましたが、コンパクトなデスクトップや持ち運び用にも使われています。大きな容量のものが比較的安価に手に入るので、データ保存用に良いでしょう。

接続方式にはいろいろありましたが、個人向けにはSerialATA(シリアルエーティーエー、SATA:エスエーティーエー、エスアタ、サタ)という規格が主流です。SATAは、何度か改定されていて転送速度などに違いがあります。

SSD

「SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)」は、電気を切っても内容が消えない半導体を利用しています。アクセス速度はハードディスクよりも数倍速いため、OSやよく使うアプリ、起動に時間のかかるアプリを入れておくと快適性が向上します。
電気を切っても内容が消えませんが、長期間電源を入れないと内容が消えることがあるようです。

部品の大きさには、2.5インチハードディスクと同じものと2.5インチハードディスクより小さいNVMeなどがあります。

光学ドライブ

当てた光の反射で2つの符号を表すストレージで、古い順にCD、DVD、BD(Blu-ray:ブルーレイ)があります。円盤の大きさは同じですが、盤面の構造が異なり、記録できる情報量も違います。円盤には一度のみ書き込みできるものと、繰り返し書き換えできるものがあります。また、DVDとBDには層が複数のものもあります。

ディスクの中には、長期保存向けの「M-DISC」というものがあります。記録するには対応ドライブが必要ですが、読み出しはM-DISK非対応でも可能のようです。1回記録用ディスクなので、大切にしたい写真やビデオの記録に良いでしょう。

これらディスクには、対応するドライブが必要です。ドライブを購入するときは、必要なディスクが対応しているか確認しましょう。
ハードディスクより読み書き速度は遅く、1度しか書き込みできない円盤もありますので、使用頻度が低いファイルの保管に向いています。

ネットワーク

他の機器と情報を交換するために使います。
つなぎ方には有線と無線があります。

有線では、ルータやスイッチングハブなどとLANケーブルで接続します。ケーブル内に電気信号を送るため、安定して通信ができます。
無線では、無線ルータや中継器などと電波で通信します。
電波を使うためケーブルを敷く必要はありませんが、家電や無線機器と電波干渉が起こったり、途中の物で電波が遮断されることがあります。

通信相手との途中に遅い機器があると、他の機器が高速でも遅い機器により待たされるので、全体的に遅くなります。
また、カテゴリの低いLANケーブルでは通信エラーが多くなることもあるので、使用する機器に合わせたケーブルを選びましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?