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観たもの、聴いたもの、読んだもの(2024.01)



01.活字本

01.スローターハウス5

山田玲司がYou Tubeで絶賛していたSF。
『タイタンの妖女』と同じヴォネガット作品。
古いSFということもあって文章は読みにくい。
そして、時間が頻繁に跳躍するため話がわかりにくい。
称賛すべき点は、トラルファマドール星人という過去と未来を同時に見ることが出来る宇宙人を描いたこと。
この設定は最近のSFの『メッセージ』でも出てきたし、ジョジョ第6部のプッチ神父の目指した世界にも通じるところがある。

02.逡巡の二十秒と悔恨の二十年

Tikitokで読書系You Tuberが紹介していたので購入。
『食用人』という食用人間の存在する世界の話が大変グロかった。
余りにもグロかったので数回読むのを止めた。
人間の活け造りを丁寧に描写している。
魚を人に置き換えるだけでこれだけ残酷に見えるとは思いもしなかった。

アイデアが面白かったのは『草食の楽園』
非武装の平和世界は実現可能か?というテーマが面白い。
無抵抗主義を貫く村の村長を思い出した。
何というか全体的に筒井康隆の匂いがする短編集だった。

03.近畿地方のある場所について

2chの洒落怖を思い出す内容。
1つの事件を複数人が考察して、真相に近づいていく。
2ch掲示板・山・怪異・失踪事件・ルポライター・因習村・真相知ってる系爺さん。
上記の単語でワクワクする人は読むべき。
自分はズブズブにハマって一気読みしてしまった。

ネット発のホラーは現在、雨穴さんが上手いことアップデートしていると思う。
動画だと30分近いホラーでも気になって観てしまう。

04.粘膜戦士

粘膜シリーズの短編集。
過去キャラの掘り下げがあるので、ファン的には歓喜。
和製ロボコップが出てくる『肉弾』が大変悪趣味で良い。
起きてることは悲劇なのに、機械化された兵士の一挙一足がコミカルで笑ってしまう。

あと、みんな大好きへもやんのエピソードには驚いた。
豚大好きの変態さんかと思ってたのに、意外な強者。

05.高瀬舟

尊厳死にまつわる名作小説。
教科書に載っていなかったので初読。
短編でありながら、役人と罪人の内面がしっかり描かれていて驚いた。
そして、流刑される罪人のほうが人生に希望を持ち、役人が現実に疲弊しているところが印象的だった。
森鴎外先生、この歳になってようやく凄さがわかった気がする。

06.安楽死が合法の国で起こっていること

世界の安楽死について書かれた本。
Twitterで話題だったので購入。
著者が障害児ケアラーなため、終盤は優生学に関する内容に終始していたので、期待した内容とは違った。
ただ、安楽死が一般化することで、臓器提供を待つドナーのメリットになることは驚いた。
車の部品取りのように、使わないなら欲しい人はいくらでもいる。

02.マンガ

01.バカ女26時

女2人のロード・ムービー。
絵のタッチが好きで読み始めた。
ハッピーエンドはないという漠然とした予感はあるが、旅への不安感と日常からの開放感が魅力的に描かれている。
旅のハウツーも話の合間に説明されるので、意外と勉強にもなる。
量産型作品が増える中で、こういったジャンルは貴重だと思う。

02.ベアゲルター(7)

久しぶりの新刊だが、話はあまり進まず。
アクションは格好良いのだが、イロモノのキャラが増えすぎてゴチャついてきた。
退場したキャラが股間に銃を付けて再登場したのは予想外だった。
もうそろそろ話を畳むフェーズへ移行して欲しい。

03.チー付与(7)

なろう系原作とは思えない頭脳戦バトル。
令和のハンターハンターを名乗っていいと思う。
主人公パーティー・王国・半グレ・暗殺の母。
登場する組織が増えつつも、抗争関係がわかりやすい。
『ハンターハンター』のヨークシン編のような緊張感がある。
半グレに関しては、やたらと人物描写の解像度が高くて驚く。

04.未来日記

年末に全巻安売り(Kindle)していたので購入。
あらためて読むとテンポが良いし、伏線もキチンと回収された良作。
ヒロインが強すぎたりと、ツッコミどころは多いけど、人気が出たのも納得の内容。
序盤から出ているテロリスト雨流みねねが最後まで見せ場たっぷりで良かった。
デスゲームだけど、どのキャラもいい味出してる。

05.カイホウ讃歌

意味わからないけど、100p超を疾走感で書き抜けるのは凄い。
絵柄も汚いけど、印象に残る作品。
松井優征みたいに独自の世界観を貫いて大成してほしいと思う。
非凡さを上手に商業作品に仕上げる編集と組んで欲しい。

03.アニメ

01.ゾン100

夏アニメなのだが、半年かかって12月24日に終了。
序盤の疾走感が素晴らしく、明るいゾンビ作品という目新しさが良かった。
血の色がスプラトゥーンのようにカラフルになっているところも作風に合っている。
ゾンビのような生活をしていた主人公が、ゾンビ世界で生き直すというのは構図としてホントに上手いと思う。
通勤電車でスマフォを触りながらフラフラ歩いている様子は、確かにゾンビに似ている。
また、自分の目標を書き出すというのは話を動かす良い原動力になっていた。
自己啓発本のテクニックを話に活かすのは面白い。
製作のゴタゴタで2期は絶望的なので、続きは原作を読もうと思う。

02.ダンジョン飯

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CMSDPZJH/ref=atv_dp_share_cu_r

先月原作が完結したばかり。
多分、全巻アニメ化してくれるはず。
ファンとしては満足の出来。
マルシルが動くし、叫ぶしで観ていて楽しい。

残念な点はアニメ化のタイミングが遅かったこと。
ダンジョン飯のインスパイア系作品が先にアニメ化されたせいで、目新しさがなくなっている。
原作1巻発売時は、魔物を料理するグルメ系は珍しいためインパクトが凄かった。
ただ、ダンジョン飯の類似作品で本家を超える完成度の作品がないのも確か。

03.姫様“拷問”の時間です

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CNSCST7T/ref=atv_dp_share_cu_r

ジャンプラで愛読しているギャグ漫画。
姫様が美味しい食事に釣られて、秘密を漏らす流れ。
自分は姫様メインの話より、拷問官のトーチャーが主役の回が好き。
OLのオフ日みたいな内容。

04.スナックバス江

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CQD5Y5RR/ref=atv_dp_share_cu_r

スナックが舞台の日常系ギャグアニメ。
Xで漫画のコマが切り抜かれていることが多いので観てみた。
1話の感想としては、作業用のアニメとしては良さそう。
あと、バス江だと思っていた子は明美だった。

05.アンデッドガール・マーダーファルス

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0BX463XJ8/ref=atv_dp_share_cu_r

生首の探偵と半分鬼のコンビの推理モノ。
アニメ紹介系YouTuberがオススメしていたので、筋トレのお供に視聴。
吸血鬼の殺人事件など、被害者が人間でない事件が斬新で面白かった。
設定はブッ飛んでいるが推理パートはロジカルに進むので満足度は高い。
問題は1つの事件に対して数話かかること。
映画を倍速視聴する時代に、ゆっくりとしたテンポの推理モノはミスマッチ。
『薬屋のひとりごと』が15分で1つの事件を解決するので、製作する時代が悪かったとしか言いようがない。
続編を期待したいのだが、話題にならなかったので原作を読むしかなさそう。

06.薬屋のひとりごと

シーズン2を引き続き視聴。
サクサク謎が解決するところが良い。
ショート動画時代に上手にマッチしていると思う。
猫猫が厨二病女子の代名詞になりつつあるが、話として楽しめるからOK。
今期は自分が好きな怪しい軍師が出てくるので、活躍に期待。

07.葬送のフリーレン

シーズン2を引き続き視聴。
試験編へ突入。
ハリーポッター感があって少し懐かしい。
新キャラは癖がありつつ、根っからの悪人が居ない所が現代的。
デンケンなんて初見勢は絶対に騙される。
フリーレンの魔力を見誤ったアウラの気持ち。

04.映画

01.バグダッドカフェ

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00IJ69NZA/ref=atv_dp_share_cu_r

マツコ・デラックス似のドイツ人女性が古びたモーテルで働く話。
ミニシアターで公開され、カルト的な人気があるらしい。
感想としては、面白いけど人に勧める程ではない感じ。
旦那の居なくなった女性の自立と友情がテーマなのだが、前半のテンポが悪い。
あとは、モーテルで働く人達が全員酷い状況なのに陽気な雰囲気が不思議。
合う人は何度も見直すタイプの映画だと思うが、自分には合わなかった。
ちなみに『ONE PIECE』のバロック・ワークスの隠れ家はこの作品がモデルらしい。尾田栄一郎先生も観てるとは。

02.ミーガン

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CBNJ49F2/ref=atv_dp_share_cu_r

予告を見てチャッキー系のホラーかと思いきや、AIを積んだロボットが暴走するスモール・ソルジャー系。
AIが話題になる現代では、リアルな設定に感じた。
ミーガンのロボットダンスが見どころで、動きの見せ方がスタイリッシュ。
アマプラで暇つぶしに観るには丁度良い映画。
どんでん返しとか斬新な展開は期待してはいけない。

03.ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー

興行収入の高さも納得の面白さ。
ゲーム原作映画の見本にして良いと思う。
マリオという材料を余すこと無く使用し、全世代に刺さる見せ方が上手すぎる。
ギミックに関しても「みんな知ってるよね?」という設定は割愛できるのが強い。
BGMは幼少期から刷り込まれてるので条件反射でワクワクしてしまう。
まさか、マリオが動いてる絵だけでも楽しめるとは思わなかった。

04.花束みたいな恋をした

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B09Q51SYT9/ref=atv_dp_share_cu_r

アマプラ無料。
会社の同僚に勧められて視聴。
若い子向けのデートムービーかと思いきや、ビターエンドのラブストーリー。
サブカル好きの男女が東京で出会い、社会の波に揉まれて変わっていく話。
シンプルなストーリーだが、小道具の使い方が上手い。
(隠し包丁がたくさん入っている感じ)
鑑賞後にウィキペディアで調べてみたら、監督は『東京ラブストーリー』を仕掛けた超ベテラン。
バブル世代の監督がZ世代の感性をしっかり捉えていることに驚いた。
ホンモノは芯を食っているということだろうか。

05.音楽

01.ソングオブザデッド

今更購入。
踊りも含めて、覇権アニメの要素は十分だったと改めて実感。
海から顔を出した後にタイトルロゴが表示されるところがエモい。
KANA-BOONは『すべてがFになる』のOPも歌っており、アニメの世界観に合わせた楽曲作りが上手い。

02.ハピネス オブ ザ デッド

サビの一気に明るい雰囲気になるところが好きで購入。

寄り道したっていい 急に歌い出したっていい 全て終わる日まで

ハピネス オブ ザ デッド

この辺りはミュージカル感があって好き。
『ラ・ラ・ランド』が頭に浮かぶ。
ゾン100はOPもEDも歌詞がポジティブな所が良い。

03.Sleep Walking Orchestra

『ダンジョン飯』の主題歌。
BUMP OF CHICKENは作品の世界観を理解した上で曲を作ってくれるので、原作ファンも満足の出来。
食がテーマの作品で、歌詞の中で遠回しに表現している所がBUMPっぽい。
曲としては1:27からの間奏の部分が聴いていて心地が良い。

OP曲がBUMP OF CHICKENでED曲が緑黄色社会と、食事に関連する単語が入ったアーティストを起用している点にこだわりを感じる。


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