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東崋山
2023年11月6日 20:58
奇書についての小話を考えてみた。今後話を書く時に活かしたいと思う。まずは由来について。カトリックの告解において神父が書き残したもの。本来の守秘義務を守りきれず、複数人の神父が持ち寄って編纂したもの。配布方法について。正規のルートでは手に入りにくいように、古書店や雑貨店に置かれている。ただし、店主の目を盗んで勝手に置かれたため、流通ルートは制作者しか知らない。(偶然性に神性を見出
2021年8月16日 22:59
「何か面白い話はないですか?」ライターの鈴木は、丘の上の古びた洋館を訪れた。洋館にはネタの宝庫が住んでいる。記者になって3年が経ったある日、先輩から洋館に住む少女を紹介された。「くだらない話ならあるけど」めんどくさそうな口調で、少女が答える。2人は洋室の客間で向かい合いながら話をしていた。少女はダルそうにソファで横になりながら、クマの形をしたグミを頬張っている。対して鈴木は、背筋
2021年8月22日 18:52
8月のある日、ライターの鈴木のもとに封筒が届いた。差出人の名前は書かれていない。封筒には蜜蝋で封がしてあり、手で持つと少し重量がある。軽く振ると、中からは金属が触れ合うような音がした。こういう凝った真似をする知り合いは1人しかいない。3年前、上司から紹介された洋館の少女だ。明らかに年下なのだが、自分のことを「ユーさん」と呼ぶことを強要している。莫大な資産を元手に上質なネタをくれるが