工業製品から"形態素"を精製する。 ―製造過程で付与された形質に着目した廃棄物の再生について―
明け方の街を歩いている。見渡す限りが、誰かによって寸法を決められたものばかりだ。この景色の中で一番古いものはどれだろうか。せいぜい50年前の住宅の壁なのであれば、そのくらいの年数で目の前にあるものすべてが廃棄されていることになる。粗大ごみ置き場に、3つの植木鉢が捨てられている。量産品であろう古びた素焼きの鉢の寸法はきれいに揃っていて、3段に積み重ねられている。
工業化社会において、自然環境から採取された天然資源は、精製されることで均質な素材となる。この素材に寸法を与え、加工