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ひんやりとした温かさ【#冷蔵庫企画】

冷蔵庫。それは私が物心ついた頃から常に家にある、そして今でも毎日お世話になっている身近な存在です。

幼い頃の私は何故か冷蔵庫が大好きで。用もないのに扉を開け閉めする、大人にとっては少し困った存在だったように思います。冷蔵庫を開けると、ヒヤリとした冷たい空気と一緒に様々な香りが頬を掠める。それは酸っぱい漬け物だったり、優しい味付けの煮物だったり…。香りの大半はご飯のおかずだったけれど、たまにプリンやケーキの甘い香りがすると弟と一緒に大はしゃぎしていたものです。

日によって入っている物も香りも変わる。そんな冷蔵庫は幼い私にとって、毎日のワクワクを提供してくれる『魔法の扉』そのものでした。

月日が流れ大人になると、冷蔵庫は『魔法の扉』から『生活必需品』という何とも味気ない認識に変わってしまったけれど。それでも私が生まれてから数十年、絶えることなく私の毎日の生活を支えてくれている冷蔵庫。認識は変わってしまったけれど、私の生活になくてはならない大切な存在であることに変わりはありません。

そんな風に、冷蔵庫に対する認識が少しずつ変化している私ですが。ここ数年でまた冷蔵庫に対する認識が変わったように思います。

きっかけは旦那さんからのちょっとしたサプライズでした。私がいろいろとハプニングが重なって心身ともにズタボロ、これでもかと落ち込んでいたある日。いつものように何気なく冷蔵庫を開けると、目の前には見慣れぬ白い箱。旦那さんに尋ねてみると

「最近お疲れみたいだから。甘い物食べて元気だしな。」

との事。予期せぬサプライズにびっくりでしたが、人の温かさに触れて気持ちはほっこり。おかげさまで無事ハプニングから抜け出すことも出来ました。

また別の日、体調が安定せず情緒不安定になっていた時のこと。自分の感情が上手くコントロールできずモヤモヤしながら冷蔵庫を開けると、またもや見覚えのない袋が目の前に。

「甘い物食べて少し落ち着いた方が良いかと思って。」

我ながら単純だと思うのですが、その一言で一気に気持ちが上向きになり。有難く冷蔵庫の中の物を受け取ってその場で糖分補給。周りの気遣いもあって、その後は体調も順調に回復していきました。本当に有り難い。

こんな事が何回も重なって、いつしか冷蔵庫に対する認識は『生活必需品』から『心のオアシス』へと変化していきました。私が辛い時やしんどい時に冷蔵庫を開けると、決まって現れる大好物のシュークリーム。その冷蔵庫の中にあるひんやりとした温かさに何度救われたことか。

今まで何度も助けられた分、これからは私からも彼に恩返しが出来ればと思っています。舞台はもちろん冷蔵庫。彼がお疲れの時や辛そうな時は彼の大好物を冷蔵庫に忍ばせて、ひんやりとした温かさを提供出来ればと思います。


こちらの企画に参加させていただきました。

川ノ森千都子さんはじめ企画運営の皆様、素敵な企画をありがとうございました。


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