ウクライナのエンジニアを採用して開発チームを立ち上げた話

Azukaritaiの小松です。

Azukaritaiの重視する価値観の一つとして「多様なバックグラウンドを持ったメンバーによる協業」というものがあります。チームを作るときに、境遇や環境、それまでの経験など、その人材のバックグラウンドとなる要素の多様性が高いほど、チームでの協業において、さまざまな視点が持ち込まれ、一緒に仕事をする中でお互いにより多くの気づきを協業の中から得ることができ、チームとしての学習のスピードを加速することができると考えています。

そういう考えのもと、Azukaritaiを立ち上げる時点であえて取り組んでいることの一つとして、海外に拠点を置き、私たち日本人と違う言語を母語とする人たちと一緒に仕事をできるようにする、チームを組む、ということです。UNIBAは、東京に拠点を置く会社で、これまで何人か外国人の方に参画いただいたというのはありますが、累計でほぼほぼ(95%以上ぐらい)日本人しかいなくて、これまで一緒に働いてきた外国人の方も日本に住んでいて、ある程度(あるいは完璧に)日本語ができる方ばかりでした。働いているメンバーも、海外経験が豊富な人はあまりなく、英語にばっちり自信があるという人も多分あんまりいません。

そんな私たちではありますが、東京だけ、日本だけに閉じずに、より広い世界から、志を共有して一緒に切磋琢磨しながら働けるメンバーを見つけて、チームを作り協業できるようになったら素敵だなという思いがあり、(あるいは、東京だけ、日本だけに閉じていたらもったいない!と考え)どういう人たちと一緒に始めるのがいいかなと検討していました。

そんな中、友人からウクライナのオフショアエンジニア人材のコーディネート会社のMobilunityを紹介してもらいました。当時(コロナ直前の2020年初頭)話を聞いたとき、ウクライナについては名前を聞いたことありつつもあまり馴染みのない国の一つという程度だったのですが、聞くところによると、国を挙げて、ITエンジニアのオフショア産業を強化して外貨を獲得しようと、教育投資から税制からさまざまな部分で優遇があり、日本からはあまりなじみはないながらも、ヨーロッパや北米など、英語圏の国からは、一大オフショア人材輩出国として認知されているとのこと。

ウクライナのITオフショア産業としてはそういう状況がありながら、ウクライナからしても、英語のできる人の少ない日本の会社との協業はそれほど盛んではないという背景がありつつ、紹介してもらった会社は、そこに目をつけて、日本に留学経験があり、日本語ができる営業担当を採用し、日本のクライアントの事業を積極的に拡大しようとしているということでした。

そんなわけで、Azukaritaiでは現在、彼らの協力のもと、2名のウクライナ在住のウクライナ人のエンジニアを採用し、チームメンバーとして一緒に仕事をしています。Mobilunity社の事業モデルはアウトスタッフィング型というらしく、馴染みのある言葉に置き換えるならばリモート派遣社員といったところでしょうか。

オフショアチーム立ち上げに至る流れとしては、まず、人材採用のために、どういう人を探したいかという要件を、Mobilunityのアカウントマネージャーを通じて、専任のリクルートチームに伝えます。リクルートチームは、ウクライナの人材市場の中で、要件に合う人材を見つけ、紹介してくれます。紹介してくれた人材に興味を持てれば面談をして選考を進め、違うなと思ったら、どの辺りが違うのかをリクルーターに伝えて、人材サーチの精度を挙げていきます。

Azukaritaiでは、2021年10月ごろから人材を探し始めて、一人目を2021年12月に開始し、二人目は4月からチームに参加してもらえることになりました。途中、隣国から侵攻されるなどあり、採用プロセスどころか、安全に働き続けてもらえるのかも心配になるような状況にもなりましたが、採用プロセスをなんとか再開してもらい、予定していた二人目の採用が決まりました。

ウクライナのメンバーとのコミュニケーションは基本的には英語です。Azukaritaiでは、SlackとGoogle Meetを使っています。我々サイドも、ウクライナのメンバー側も、英語を母語としない中で、色々な国の人と仕事をするためのツールとして頑張って英語を習得して使えるようにしていこう、と同じような気持ちで英語に接していることもあり、私としても、英語ネイティブのイギリス人やアメリカ人と英語でコミュニケーションするよりも、数段ハードル低く、文法怪しくても伝わればいいやという気持ちで日々過ごしています。それでも、うまく意図を伝えられない時は、コミュニケーションサポートのためにミーティングに同席してくれるMobilunityのスタッフに、通訳のサポートをお願いすることもできます。

そんな形で、色々なサポートを受けながら、Azukaritaiは、そのチームメンバーの国際化の最初のステップを踏んでいます。この取り組みはまだ始まったばかりで、苦戦することもありつつ、新しい発見もありつつ、日々ワクワクしながら過ごすことができていることにひとまず感謝しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?