13歳、恋心を失った
わたしの人生を語る上では欠かせない、恋愛と呼ぶにはこじれすぎた関係のおはなしをします。
13歳から20歳までの7年間のおはなしの連載、きょうは第1回です。
天使(仮名)
わたしの人生を狂わせたすべての元凶。
これからの連載で10人くらいの人間が登場するけれど、最初におはなしする天使ちゃんが、わたしの最後の恋でした。
出会いは中学1年生のとき。
席替えをして隣にあった名前をみた瞬間に、「この人のことを好きになるな」と、わたしはおもったのです。そして、その直感が当たったことは、顔を合わせた一瞬で知ることになりました。一目惚れだったから。
わたしたちが仲良くなるのにそれほど時間はかからず、席が離れても毎日お話をして、時にからかい、からかわれたりしながら日々を過ごしていました。
わたしの初恋が天使ちゃんというわけではありませんでした。初恋はたしか、小4くらい。ちゃんと恋だったと言えるのは2人かな。
なのに、彼女の笑顔にはそれまでの恋とは違う、特別な感情をわたしに抱かせました。今までの恋は付き合うことなんて眼中に無くて、ただ楽しく話せればいい、そうおもっていました。その特別な感情はきっと、天使ちゃんに手が届きそうにおもえてしまったから。
結局根暗なわたしは告白することもできず、友達とすら遊びに行ったこともないわたしにデートを誘うという発想には至ることもなく中学2年生になり、クラスが離れ離れになりました。
わたしも天使ちゃんも図書委員で、委員会で会う機会はあったけれど、あまり話さないうちに関係は薄れてしまうものです。
そして、天使ちゃんは不登校になってしまいました。
本をこよなく愛する文学少女。中距離走で県で賞状をもらうくらいの陸上女子。なのに集会でよく倒れてしまうひよわな女の子。クラスで噂になるくらい二重が綺麗な端正な顔立ちで、スタイルのいいうつくしい彼女。
卒業式にも会うことはできなくて、連絡先も進学先もしらないわたしの恋は、気付かぬうちに終わっていました。でも、そのときのわたしは、恋が終わったことに気づいていませんでした。
ばかなわたしは終わった恋に気づかず、いつか会えるのだという希望的観測と未練を抱えて日々を過ごしました。高校3年生の夏まで、5年半もの歳月を、届くはずのない想いを彼女へ抱き続けました。
そして、来月で大学4年生になるわたしでさえも、彼女のことを考えてしまう夜があります。
だから、あなたのせいでわたしの人生は狂ったのですよ。
今でも、あなたのことが好きです。
次回は、この一途な恋とは人が変わったように最低になったわたしのおはなしをします。
多分おもしろくなるとおもいます!
ここまで読んでくれてありがとうございました。
またね。
2023.03.07
みんなで幸せになろう!(あず)
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