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恋してないから歪んだ恋

ハリネズミ

高校3年生の秋くらい。さすがにこのまま未練に浸り続ける学生生活はまずいとおもって、無理やり恋をした先が同じクラスのまあまあ話せるくらいの女の子でした。

小動物っぽくてなんかかわいい、という理由だけで好きになった気でいたけれど、やっぱり天使ちゃんに抱いた感覚とは違いました。現代の言葉遣いをするならば、「推し」という感じ。

すっかり帰宅部で青春とは無縁の学生生活だったけれど、コロナ禍で少し短くなった高校3年生は楽しかったです。
放課後学校に残って勉強したり、恋とは呼べない片想いをしたり、この1年がわたしの中のわたしが変わるキーポイントだったのかもしれません。青春を見てしまったことが。

やっぱり卒業式には会えなかったけれど、成人式で会うことができたのでツーショットを撮ることができました。嬉しかったです。


芋 (大学1年春〜冬)

大学1年生、春。地元の誰もいない関東のすみっこで一人暮らしを始めたわたしはとりあえず童貞を捨てたいな、とおもいました。Twitterの大学垢から繋がったコミュニティにいたのが芋ちゃんで、草むらにモンスターボールを投げたら捕まった、そんな感じ。名前から想像できる通り顔も好みではありませんでしたが、「付き合ったことない歴=年齢」は嫌だったので交際をはじめました。

その後のことはいいでしょう。わたしがvalorantにハマった12月から放置していたら3月にフラれてしまいましたが、問題は付き合ってから1週間も経たない頃の話です。


地雷

芋ちゃんと同じコミュニティで出会ったのが、典型的な地雷系陰キャな蛙顔の地雷ちゃんです。
数回話したことのある地雷ちゃんですが、わたしに好意を抱いていることが判明します。そう、芋ちゃんと交際を始めた1週間後に。付き合っていることは芋ちゃんが直々に伝えたそうで、その後地雷ちゃん本人から電話をいただきました。

わたしは地雷系をはじめにかわいいものが好きなので、地雷ちゃんからすると「なんでわたしじゃなくて芋ちゃんなのか」とおもっていたことでしょう。わたしもそうおもっていました。さすがに最低限の倫理観は備わっていたので1週間で乗り換えはしませんでしたが、普通に地雷ちゃんの方がかわいいし好みです。

後に芋ちゃんから「普通に考えて地雷ちゃんはお前のこと好きだっただろ、男って鈍感だな^^;」みたいなことを言われましたが、わたしは言われたことをそのまま後悔しています。
芋ちゃんと付き合っているとき何度地雷ちゃんならよかったのに、とおもったことか。女選びはたいせつです。

時は流れて大学2年生の夏、前期末試験で偶然隣の席になり再会を果たします。試験終わりに二言三言会話を交わしたあと、地雷ちゃんは小山田壮平似の男と教室を出ていきました。わたしの方がかわいいのに。「なんでわたしじゃくて、小山田壮平なんだろう」。みなさま、これがBSSです。


わたしはちょうどその頃、半年経った今更芋ちゃんを捨てたことへの罪悪感に苛まれるようになっていた。彼女はちゃんと、わたしのことを愛してくれていたから。
たぶん違う。わたしが極度の依存体質だから、だれかに寄りかかりたかったのかもしれない。目の前でわたしの苦しみをぜんぶ投げつけて、大声で泣いても許される相手がほしかったんだとおもう。

その頃、推しが『石を黙らせて』をおすすめしていたことをおもい出して読んだ。謝罪はぜんぶ自己満足に過ぎなくて、誰かを傷つけたことを償う方法はない、というお話。地獄です。


自分のした行いがすべて自分に帰ってくること、その時のわたしはまだ何も知らなかった。

精神的にどんどん弱っていくわたしはネット恋愛に溺れ、自業自得の破滅の道に陥っていきます。次回も読んでくれたらうれしいです。

またね。

あず(みんなで幸せになろう!)
2024.03.08

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