見出し画像

THE・張り込み

車上荒らし犯 監視・証拠

GWに突入するタイミングで1本の電話が。

「お願いします。昨日、車上荒らし犯がウロウロしてたんです」と。
凄く慌てた様子が伺えたので、更に話しを聞いてみた。

「今夜から見張りして捕まえてもらえませんか?急なことなので他の探偵事務所からは断られてしまって」…と。

緊急出動案件だ。

私は急ぎLINEする。
「課長。今夜とか無理やんなぁ?」

調査課長A
「代表、もうパンパンですよ。今朝もミーティングで確認したやないですか」

また調査課長に怒られてしまった(笑)
無論、予定いっぱいなのは承知していたが…

画像1

「○○さん。ちょっと調査員の空きがありません。でも今夜とか犯行の感じなんですよね?」と私が言うと

「はい❗昨夜のは絶対に下見に来てたんです。なので今夜から来てほしいんですって。警察にも言いましたけど動いてくれる気配が無くて」…と。

私は少しだけ考えて…
「解りました。やりましょ。とりあえず3日間の予定なら、何とか出来そうですから」と回答し御契約の運びに。

緊急出動案件を受けたw
私自ら、そして1人で調査に乗り出すことにした。

午前0時。
該当のコインパーキングの隣りのコインパーキングにて張り込み開始。監視体制突入。

車内、後部座席にてビデオカメラをセット。
私自身も後部座席に。

2人体制なら交代で私はノートパソコンで事務作業も出来るところだが1人…

ビデオカメラのモニターとにらめっこを続ける。
動体検知機能が付いているので対象者を見逃して撮影出来ない。ということは無い。
しかし、素行浮気調査にしかり、今回の調査にしかり、対象者が現れたタイミングでビデオカメラが教えてくれるはずも無いので、モニターから目を外すわけにいかないのだ。

そんな事を考えたりしていると、2時間が経過。
1人の怪しい人物が小走りに該当コインパーキングに入って行った。
「来たか」と思った瞬間、猛スピードで商用バンが来て、その人物に近づいた。
そのまま乗車した途端にバンは、また猛スピードで走り去ろうとしたので、もう1台のビデオカメラでバンのナンバープレートをキッチリと撮影。

他で車上荒らしを行い、何かアクシデントでもあったのか。
逃走のように思えた。

画像2

「コレはアルなぁー」と犯行が行われる確率が高いと私も感じた。

その後、何の変化も無く午前5時を迎えた。
初日の任務終了だ。

午前中に依頼者様に一連の出来事を電話にて報告。証拠動画を写真に起こす作業を行い就寝(笑)

調査2日目開始の前に依頼者様に写真を提出。警察にも届けてもらう。
そして、2日目は何一つ怪しいことは起きずに終了。
3日目も同じ。

一応、任務完了したので依頼者様に報告。

不安が拭いきれない依頼者様。
しかし、本当に予定がパンパンで動きようが無いので、その旨を伝える。

「お願いします。捕まえたいんです。実は前回ヤラれてるんです。悔しいんです」…と。

弱りに弱った私だが、背に腹は代えられないってことか。やるか?と自問自答。
睡眠時間が無くなる(汗)
2時間の睡眠時間で通常業務もこなすのか?(汗)

「お願いします。ホンマにお願いします」と言われ…

「わかりました。あと2日やりましょ」
受けてしまった。仕方ない。困ってる人を見捨てるわけにはイカン。

そして延長の2日間の張り込み・監視。

結果は、全く何も起こらなかった。
それはそれで事実なので、そのまま依頼者様に報告。
この時点で私も既にメラメラと燃え上がる心が。
もちろん依頼者様は納得がいかない。と不安どころかお怒りのご様子が電話でもヒシヒシと伝わってきた。

「どうしましょ?私も腹決めましたわ。やりますか?」と私が言い終わる前に

「GWいっぱいやって下さい。お願いします。絶対に来ます。お願いします」

え?GWいっぱい?
あと4日もあるけど(汗)(汗)(汗)と思いつつも「わかりました。やりまひょ」と声を震わせながら再延長をお受けした。

画像3

そして再延長に突入。
6日目、7日目、8日目、何も起こらない。
「おいおい。勘弁してくれやぁー」と思いつつ、依頼者様に最終日、シッカリと監視します。とお伝えし最終日の9日目開始。

初日と同じく午前0時から開始。
体力の限界を感じるどころか、限界突破を感じつつ、相変わらずモニターとにらめっこ。
少しだけ気が緩んだのか尿意がやってきた。

私は張り込み時にトイレは行かない主義だし、1人なので行けるはずも無く、我慢を決めこんだ午前4時25分を過ぎた、その時。

来た❗初日に現れた人物と同じ格好したヤツ❗❗

コインパーキング内を物色し始めたことろをバッチリと撮影して、依頼者様の車に近付き、ハンマーの様な鈍器を振り上げた瞬間。

「おい❗❗❗」
と飛び出して、取っ捕まえてやった。
本来なら車上荒らしの瞬間を撮影するべきだが、依頼者様の要望で可能な範囲で捕まえてほしい。とあったので、私人逮捕という形をとった。

もちろん、撮影はしたままで行動した。

一応だけでも護身術の心得もあるので何とか確保出来た。
すかさず依頼者様と警察に電話し容疑者引き渡しを行い、私も事情聴取に向かう為に調査車両に乗り込もうとした時…

お手柄と言うべきか、例のバンが、のこのこ現れた(笑)
もちろん警官がパトカーのサイレンを鳴らすと逃走するどころか、アッサリと停車し御用となった。

と、ウソのような本当の話。
依頼者様は大喜びで「社長さん、ホンマにありがとうございました。めっちゃ嬉しいです」と。
依頼者様の喜び。

まぁそれが何よりの我々の喜びなわけで。
そして、眠れる…という気持ちがフツフツと沸き起こり、尿意を忘れていたが、警察署に到着するや否やトイレに駆け込み用を足した。

「また明日来て下さい。一旦帰ってもらってかまいませんよ」って、最初から言うててくれよ。とボヤきながら、無事に「任務完了❗」と警察署内で叫んだことは内緒でっせ(笑)

連続9日間。合計45時間張り込みの話でした。

私のGWは例年にも増して休み無しに終わった(汗)

2日に1回、トイレ休憩に交代しに来てくれた調査課長にも感謝(笑)

そして調査課長は「代表、良かったですね。でも、やっぱり変人ですね(笑)」と