記憶の薄らい_fadeless_memory

記憶の薄らい

彼女が眠るその場所へと
歩を進める

忘れないと誓ったはずなのに
時間は残酷にも過ぎていく

思い出せるのは
最後に微笑んだ
儚げな横顔だけだった

薄れていく記憶を
繋ぎ止めようと
幾度となく
頭の中でその姿を再生する

嬉しさも悲しさも
淡く溶けて滲んでいく

全て消えないように
全て失わないように

それでも いつかは
忘れ消えゆくのだろう

その日までは
覚えていたい

彼女を愛した全ての記憶を

記憶の薄らい_fadeless memory


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