見出し画像

ファッキン・シリアス・オオカミバンド

YoutubeにMAN WITH A MISSIONの『Take Me Under』のMVが投稿されてから何度もリピート再生している。圧政を強いるディストピアを築いたブタたちに一匹のオオカミが立ち上がるほとんどサイバーパンク(しかも激しい怒りのリベリオン的なサイバーパンクだ!)なロックンロールだ。特撮的なアクションシーンや某ニンジャを殺す者的な覚醒描写もありかなり熱い。最近のマンウィズはかなり好みの楽曲が多く大変興味があるが、この曲はBOOM BOOM SATELLITESの中野雅之氏がプロデュースをしておりなるほどと思った。

MAN WITH A MISSIONは見た目通りオオカミの被り物をした5人組ロックバンドでありはたから見るとかなり色物だ。その生い立ちというか、公式設定も荒唐無稽でコミックバンドの風が強い。ついで特徴と言えばそのタイアップ曲の多さだ。ガンダムに変態仮面、ストリートファイターに少女コミック、ヤンキー漫画にマッドマックス、化粧品まで実に節操がない。この手のタイアップは若手バンドの登竜門的なものなので、デビュー時一発ネタで終わると思いきや、思った以上に熱心なファンを産み出したマンウィズには不要に感じる。

だがマンウィズはその出自ゆえに、一種のフィクションとしての存在であり、同様にフィクションの物語を担うにちょうどいい存在なのかもしれない。彼らはインタビューでも幼少期のエピソードとか、日頃世の中に思っていることとか、邦ロックアーティスト然とした話はほとんどせず、「ロックをもっと広めたい」を目標に活動している。ゆえにタイアップはコンテンツとロックを密接に関わらせる彼らなりの手段なのかもと思った。フィクションであるが故に空っぽな器を、同様にフィクションの物語で埋めることで新たな化学反応を産み出すとか、なんかそういうやつだ。

マッドマックスの日本版主題歌もエンドロールで聴いたときはなんか映画と噛み合ってないとかモヤッと思ったが、改めて聴き直すとめっちゃマッドでマックス感がありサイコーだ。そもそもゼブラヘッドとコラボしている時点で最高だった。完全に余談だが反対にゼブラヘッドがマンウィズとコラボした楽曲『Devil On My Shoulder feat. Jean-Ken Johnny』は最高オブ最高であり、楽曲名からしてドストライクだった。

世の中にはアイデンティティ探しとかヒステリック悲壮感とか、フェスで踊り狂うためだけの曲とかもあるので、彼らのようにフィクションとロックンロールで時代を渡るロックバンドがあってもいいじゃない。少なくともオオカミたちはあんな暑そうな被り物を被ってまでマジな覚悟でロックンロールしているのだ。

ここは記事下のサポートエリア!わたしをサポートしたいと思ったそんなあなたに、わたしのamazonほしいものリスト! https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/1XCLS13WI5P8R?ref_=wl_share