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おれはゲーム『DOOM』をプレイし内なる怒りをインプットした

またあったな。

かつておれは100年の眠りから目覚めハイラルを救った勇者で、トラベラーに導かれしガーディアンであり、ハリデーの遺産を狙うオアシスのプレイヤーであったが、過酷な日々を凌ぐうちに何者でもない男となってしまった。そしてこの黄金週間……おれは内なる人間性に火をくべるべく、ゲームショップに足を運んでいた。

そしておれは運命的に出会ったのだ。この『DOOM』と。

*注意!*
『DOOM』はCEROレーティング18才以上のゲームであり、18才未満の方は購入することはできず、かつこの記事には残虐な記述やフェイタリティなスクリーンショットが含まれています。よいこは注意してね。

『DOOM』とは何か?それは世界にFPSという言葉を轟かせたゴッドファーザーであり、このあとに数多の素晴らしいゲームの系譜を築く偉大なゲームであるが今はそんなことはどうでもいい。

おれは偶然にもマリオとかドンキーとかが並ぶ棚にひっそりと置かれていた『DOOM』を発見し、まるで煉獄のようなパッケージイラスト、『DOOM』の力強いタイトルフォント、そしてその謳い文句に目を奪われた。

火星にあるユニオンエアロスペースコーポレーションの巨大研究施設が、獰猛で強力なデーモンたちに蹂躙されている。君は彼らと我々の世界をつなぐ唯一の存在、DOOM海兵隊として一つの任務を託された——敵を殲滅せよ…

つまり、火星基地を侵略しに来た悪魔じみたエイリアン野郎を一人残らずぶちのめすということだ。このただならぬ気配をにじませたゲームをカウンターに持っていくことにおれは何の迷いもなかった。

こうしておれはDOOM海兵隊の一員となった。

内なる怒りをインプットしろ

おまえは目覚めると両腕が鉄の腕輪で拘束されていた。おまけにそのお目覚めは悪魔じみたエイリアン野郎のモーニングコール付きでだ。これはどうしたことだ?おまえが100年の眠りから目覚めた伝説の勇者だった時は清らかな姫の声が頭に響いていたはずだ。おまえはここでまず内なる怒りを覚える。

鎖ごと腕輪を引きちぎり、おまえは悪魔じみたエイリアン野郎の頭を叩きつけ、熱々のトマトソースを作り上げると、その辺に転がっていたピストルを拾い上げて残りのエイリアン野郎に銃弾をくれてやった。しかも全裸でだ。ここまでの流れはおまえにとって最悪な目覚めだ。今までの人生でワーストオブワーストだろう。おまえは己にこんなクソみたいな状況を仕込んだやつに殺意を覚えるはずだ。

おまえがやるべきは2つ。この辛気臭い施設から脱出することと、あのエイリアン野郎を一匹残らず駆除し、最悪な目覚めをプレゼントしてきた黒幕をぶちのめすことだ。そしてそれはたった一つの手段で達成することができる。それはおまえが手に持っているショットガンによってだ。

エイリアン野郎どもをショットガンで殲滅しろ

このゲームは敵兵にヘッドショットを決めるようなゲームではない。別にスマートにキルを決めてもホットなレディに褒められる訳でも無い。エイム技術は不要だ。エイリアン野郎に銃弾をぶち込むことだけを考えろ。リロードすらも必要ではない。弾薬が続く限りエイリアン野郎どもを撃ちまくれ。

もちろん、ショットガン以外にも様々な武器がおまえの手元にはある。重アサルトライフル、ロケットランチャー、プラズマライフルなどだ。注意深くマップを見渡していたのなら、おまえはオールドスクールでレジェンダリーなスーパーショットガンすら手に入れるだろう。あらゆる武器を用いてエイリアン野郎どもを駆除しろ。

『グローリーキル』でエイリアン野郎どもをフェイタリティしろ

武器を手にしたおまえはまさに悪魔のような苛烈さでエイリアン野郎どもをぶちのめしていくだろう。だが、そのうちに弾薬がアウトオブアモーとなり、ライフが削られ、やがて……エイリアン野郎に貪り食われる。つまりゲームオーバーだ。

おまえはどこで間違ったのか?それはおまえが『グローリーキル』を知らなかったせいだ。エイリアン野郎を殺し切らずに瀕死の重傷にとどめると、やつらの体が白く点滅し始める。この状態でやつに接近し、右スティックを押し込むと……おまえはエイリアン野郎の頭を握りつぶし、腕をもぎ、首をねじ切る。するとおまえは素晴らしいフェイタリティの快感とともにライフと銃弾が補充される。つまりそうゆうシステムだ。

このゲームは物陰に隠れてこそこそ狙い撃つようなゲームではない。ここ火星ではトラベラーから授かったエネルギーシールドも超自然回避も存在しない。エイリアン野郎どもの返り血を浴びながら、10受けたダメージを100にして返すのだ。

武器を強化しエイリアン野郎どもに真の恐怖を植え付けろ

おまえは施設探索の途中で可愛らしいドローンに遭遇するはずだ。こいつらはおまえのために新たな武器を調達してきてくれる。可愛いやつだ。だがおまえは怒りによってしか感情を表現できない。おまえはドローンからもぎ取るように武器を奪うだろう。

可愛いドローンが運んでくるのはおまえの武器のパワーアップアイテムだ。ショットガンなら3点バーストショットガン、もしくは炸裂ショットガンが新たに使用できるようになる。重アサルトライフルなら狙撃スコープマイクロミサイルポッドといった風だ。これによりおまえのエイリアン野郎どもの殺傷率は200%向上したことだろう。さあ、エイリアン野郎どもが出現したら行進間ショットガン射撃でやつらをトマトケチャップ和えのマッシュポテトに変え、瀕死のやつらをフェイタリティしろ。

チェーンソーでエイリアン野郎どもを真っ二つにしろ

だが、エイリアン野郎どももただ的になるだけではない。やつらは盾やビーム砲で武装し、集団で襲い掛かってくる。とくに、出来損ないのハルクのようなエイリアン野郎にはおれは何度も苦渋を舐めさせられた。やつはスーパーアーマー持ちでショットガンをクリーンヒットさせてもなかなかひるまないからだ。だが、そんなクソみたいなエイリアン野郎を一瞬で始末できる武器も存在する。それがチェーンソーだ。

チェーンソー……それは極秘に火星に密輸された対エイリアン用のリーサルウェポンだ。おまえがチェーンソーを構えた瞬間に、やつらはただの木人に成り下がる。お前だけのチェーンソーアートをやつらに刻み込め。チェーンソーでやつらを切り刻むと大量の弾薬をドロップする。つまり、チェーンソーと銃さえあれば、おまえはいくらでもエイリアン野郎どもの駆除を続けられるということだ。

エイリアン野郎もカルト野郎も胡散臭い博士も信用するな

この施設には生存者はほとんど残っていない。つまり施設内で動いているやつはすべてエイリアン野郎どもで、おまえは心置きなく銃をぶっ放すことができる。だが、数少ない生存者はすべて信用するな。

この悪魔じみたエイリアン野郎どもを解き放ち、おまえに最悪のモーニングコールを用意したカルト野郎も、「人類の進歩が…」とか「科学の発展を…」とかほざいている、もはや生き物かどうかも怪しい博士もだ。胡散臭い博士からは必要な情報だけを引き出し、カルト野郎には銃弾をくれてやれ。おまえがやるべきはこのクソみたいな施設を、エイリアン野郎ごと木端微塵に吹き飛ばすことだ。

マップをくまなく探索し、このクソみたいな施設の実態を暴け

おまえはエイリアン野郎どもを駆除していくうちに、様々なテキストを拾い上げる。それはこの研究施設が何のために作られ、どんな研究をしていたかの記録だ。そしてその結果が今おまえが置かれている最悪な状況だ。あのエイリアン野郎どもですら、ここの職員にとっては研究対象だったということだ。まさにクソにクソを上塗りした最悪の所業を暴き、お前の内なる怒りにさらなる火をくべろ。

メトロイドじみた隠し部屋にも注意を払え。シークレットの発見はそのままおまえの武器やスーツの強化につながる。マップを隅から隅まで探索することが、おまえをさらなる強みへとのぼるための鍵だ。

エイリアン野郎どもを駆逐し、内なる怒りを燃やし尽くせ

このように、『DOOM』においておまえは常に内なる怒りを身に宿し、つまらない説明を垂れ流すモニターを叩き割り、重要そうなよく分からない装置を蹴り壊す。なぜか?

それはおまえが現実においても理不尽な状況に遭遇したり、「うーんここの文章表現がちょっと気に入らないなあ」とかクソみたいな理由で報告書を突き返されたりされるからだ。『DOOM』でのおまえは現実のおまえと表裏一体だ。人間性を吹き消さんとする氷河期のようなこの世の中では、怒りのはけ口を探すことでさえ非常に気を遣うどうしようもない世界だ。だが、『DOOM』はそんなおまえを全力で受け止めてくれる。クソみたいなエイリアン野郎どもによってだ。

さあ、おまえも『DOOM』によって内なる怒りに火をくべ、おまえという人間性を取り戻すのだ。

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