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SEO対策ってなに?Google検索表示の基本のキ!「秩父みんなの宣伝部 #2」

この記事は、埼玉県秩父で活動するクリエイティブ会社「浅見制作所」がローカルラジオ「ちちぶエフエム」でお届けする“聴いて試してPR!秩父みんなの宣伝部”をテキストにしたものです。

全12回を通して、PRの基本的な考えからブログやSNSの活用法、発信術まで、地方の事業者さんにお役立てできる情報をお届けします!

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第2回は、SEO対策について。Google検索の仕組みから、いま必要な知識についてお話しします。

聞き手:ちちぶエフエムパーソナリテイ 伊藤美裕紀


SEO、SEO対策とは何か

浅見:
今日は、ちょっと専門的な話「SEO対策」について。まずは「SEO」の言葉の意味から説明していきましょう。

伊藤:
SEOは聞いたことありますが、何を指しているのかわからないです。3文字のアルファベットの怖い病、ありますからね、CEOとか(笑)。

浅見:
自社のホームページを持っていたり、PRを積極的にやっていたりする人は聞いたことがあるかもしれませんね。
「search engine optimization(サーチエンジンオプティマイゼーション)」の頭文字を取って呼ばれるのが「SEO」なんですよ。

伊藤:
どのような意味なのでしょうか?

浅見:
サーチエンジンというのは、検索の仕組み。そして、オプティマイゼーションは日本語訳すると「最適化」。つまり、ホームページなどの内容を検索エンジンに最適化する、というのがSEOの意味ですね。
たとえばGoogleやYahoo!などの検索エンジンで「川越 カフェ」と検索すると、その検索キーワードにあったホームページが並びますよね。検索された言葉に対して、適切な情報が出ていることが最適化されている証拠なんです。
そして、検索エンジンに最適化するためにおこなう技術や考え方のことを「SEO対策」といいます。
では、検索の仕組みについて解説していきますね。GoogleやYahoo!はみなさん使いますよね。

伊藤:
今はもう使わない方はいらっしゃらないんじゃないでしょうか。とくに、スマートフォンを持っている方であれば、なおさらですよね。

浅見:
意識せずとも、いわゆる検索窓に「川越 ホテル」「秩父 カフェ」と調べて、ほしい情報を引き出していますよね。ちなみに、WindowsのPCを利用している方であれば、bingという検索エンジンもありますが、今はGoogleがもっとも有名です。それは、Yahoo!を含め9割以上の検索エンジンがGoogleの仕組みを使っているからなんです。(bingは独自の検索システム)

伊藤:
Yahoo!は自社のシステムではないんですか!

浅見:
そうなんです。つまり、基本的にSEO対策をすることは「Googleの検索の仕組みに対して最適化しましょう」という意味になるんですよ。


クリック数を稼ぐ、キーワードをたくさん入れるのは昔のSEO対策

浅見:
Googleの検索で上位に表示されるページには、どんな特徴があると思いますか?

伊藤:
信頼性が高いページ……とかでしょうか? でも、信頼って何だろう。広告費を払っているとか、でしょうか? 明確にはわからないですね。なぜ上に表示されるのか。

浅見:
どんなページが上位に表示されるか、明確な基準は公開されていないのですが、「アクセス数が多い」「検索されるキーワードがたくさんホームページに入っている」などがよく言われていたことです。
でも、でもたとえば、仲間をたくさん集めて1日にものすごい数をクリックしたり、ホームページにやたらと検索されそうなキーワードを詰め込んだらどうでしょう? クリック数やキーワードの数で評価をしていたら、簡単に上位に表示されてしまいますよね。

伊藤:
たしかに……そうですね。あまりよくない気はしますが。

浅見:
そうなんです。この仕組みを操作して、おそらくその通りの情報が入っているだろうと検索エンジンに思わせる手法が以前は流行ってました。「検索結果の1位や2位に表示できますよ。ちょっとしたことをやるだけなんです」という電話が多かった時代は、まさにこの方法でした。リスナーの中にもこうした営業電話がかかってきた方もいらっしゃるかもしれませんね。

伊藤:
ちちぶエフエムにも営業電話はあったらしいです。「あるキーワードに対してトップに表示させますよ」という話ですよね。ちょっと怪しいですね。

浅見:
怪しく聞こえるかもしれませんが、よい業者も中にはいます。
先ほど、当時と今とではやるべきことが違うとお話ししました。営業電話が多かった当時とは違い、今は検索システムにAIも入っていることから、Googleの検索の仕組みは更新されているんです。とはいえ、営業電話はゼロになったわけではないので、きちんと見極めてもらうために、Googleの検索の仕組みについて具体的にお話しします。


Google検索の仕組みを知り、Googleが応援したいホームページを作る

浅見:
ちょっと視点を変えて、Googleの立場になってこの話題を考えてみましょう。
伊藤さんはGoogleに勤めているとします。そんな伊藤さんは「川越 カフェ」と検索されたとき、どんな情報を見せてあげたいと思いますか?

伊藤:
いろんなカフェの紹介ページや、おいしいお店を複数掲載しているブログのようなものですかね。

浅見:
そうですね。では、たとえば、その表示されたページが先ほどのようにキーワードをたくさん入れただけの悪意ある操作をされたページで、「川越 カフェ」の検索結果に見合っていないものだとしたらどう思いますか?

伊藤:
怖いですし、許せないですね。

浅見:
その通りです。Googleの人たちは、「川越 カフェ」と調べた人に対して、ちゃんとした情報を届けたいと思っているんですよ。そのために日夜、何百人ものスタッフが努力し続けています。

伊藤:
何かルールというか、よくないホームページをチェックする機能があるということでしょうか? Googleで検索した情報が全然違うものだったら、おかしいですもんね。

浅見:
Googleは、この検索システムが揺らいではいけない主幹のサービスです。無料とはいえ、サービスとして満足度が低くなると「Googleは信用できない」と思われるじゃないですか。お客さんが求めている情報をどういうニーズで、どういうことを調べたいと思っているか、になるべく近い検索結果を表示させようというのが、googleがやりたいことなんですよ。なので、先ほどの小技のようなもので上位に表示されてしまうと困るんですよ。

伊藤:
たしかに、「これとこれをやればいい」ということだったら困りますよね。

浅見:
Googleが何をやっているかというと、そういったよくない小技を排除し、適切な情報が常に上位に表示される仕組みを開発し続けています。ページを上位に表示させるために評価項目は200個あると言われるほどで、それも毎回どんどん更新されている。
今の検索システムでは、たくさんクリックされればいい、人気のキーワードをたくさん入れればいい、というわけではないのがわかりますよね。

伊藤:
たしかに。反対にその200個をしっかり守れば、上位に表示されるということなんでしょうか?

浅見:
それは「イエス」なんですが、その200の評価項目は公開されていないので不可能に近い。ただ唯一、公開しているポリシーがあります。「検索した人に有益な情報を与えるホームページ作りをしてください」ということです。基本なんですよね。
テクニックはあるけれど、1番大事なのは検索した人の気持ちを考えて、その人に対して有益な、ちゃんとためになる情報をホームページに出すということ。それが何よりも大事なんです。

伊藤:
ホームページが見つからないお店というのは、もしかするとそういうことが影響しているのかもしれない、ということでしょうか?

浅見:
その可能性はあります。Googleとしてはなるべく表示させたくないですからね。
「秩父 カフェ」と調べたときに、どんなメニューがあるのかわからなかったり、やっとたどり着いても10回くらいクリックしないと欲しい情報に辿り着けないなど、ストレスが溜まるじゃないですか。

伊藤:
見たいページまでに時間がかかる……イライラしちゃいますよね。応援したいお店ではなくなってしまいます。

浅見:
そういう体験はGoogleとしてはさせたくない。Googleが応援したいと思えるホームページをどう作るのか、というのが重要なんですよ。抽象的な話ですが、大前提です。


「リスティング広告」はキーワードに対して入札し、表示順位が決まる

浅見:
ここまででどうでしょうか。SEO対策について理解は深まりましたか?

伊藤:
少しわかってきましたが、実際にどうすればいいのかはまだ……。それに、検索する側としては上のほうに表示されたものは、信じてよいのだろうか、とぼんやりしている部分はあります。

浅見:
実際にスマートフォンで検索してみましょうか。
たとえば、Googleで「秩父 歯医者」と知らべてみます。すると、まず「広告」と書いてあるのが出てきますよね。

伊藤:
「秩父で評判の歯医者」など、広告とわかる表示のものが出てきますね。
これは、先ほど私が言った「上位に表示させるためにお金を払っている」ということでしょうか?

浅見:
そうです。「リスティング広告」といって、お金を払って表示させています。検索結果に広告が表示されているのは、みなさんなんとなくご存知だと思います。よく検索されるキーワードに対しては、広告枠をよく目にしますよね。
「秩父 歯医者」と検索する人に対して、比較や情報をちゃんと見たいと思う人、調べる人に、スピーディーかつ正確に情報を届けたい場合に利用します。

伊藤:
誰でも出せるものなんですか? 何か審査のようなものはあるんでしょうか?

浅見:
公序良俗に反していない限り誰でも広告は出せます。広告費は1回クリックされるごとに、かかります。

伊藤:
たくさんクリックされたら、その都度、広告主に支払いが発生するということでしょうか?嫌がらせとか無意味なクリックが発生するのではないかと、ドキドキするんですが……。

浅見:
それは大丈夫です。一定時間内に何度連続でクリックしても、ひとり1カウントです。
悪意のある行為はされないようになっているんですね。
また、金額は入札制です。「秩父 歯医者」というキーワードに対して、私は1クリック100円払いますと入札します。それに対して競合する広告主が120円とか、150円とか入札するんです。広告が表示されてクリックされるごとに入札がおこなわれていて、広告枠の中での表示順位が決まります。

伊藤:
裏側でそんなことがおこなわれているんですね。面白いです。

浅見:
さらに下へスクロールしましょうか。すると、マップが出てきますよね。歯医者さんの場所にピンが立っています。最近のGoogleはこちらに力を入れていて、とくにカフェや歯医者などその場所に関係した検索をするときには、非常に多く出てきています。
(マップの話は、来月お届けする予定です)


ホームページにはコンセプトを打ち出し、見る側が迷わない導線を作る

伊藤:
マップの下に、ようやく広告ではないページが出てきますね。広告は飛ばしてしまいます。

浅見:
自然に飛ばしますよね。広告が終わると、僕の画面では上から2つが秩父の実際の歯医者さんが出てきています。その次に口コミサイトがありますね。口コミや評判は、歯医者選びに失敗したくない人が多く、調べる人が多い。なので、上位に表示されやすいです。
上の2つの歯医者さんのページを見ると、「虫歯とは」「小児科」など、細かい情報がたくさんあります。

伊藤:
なるほど、たしかにそうですね。

浅見:
細かい情報を出していることが評価されて、上位に表示されています。
その下に、弊社が制作させていただいた鶴見歯科クリニックさんのページがあるのですが、具体例として説明していきますね。
クリックして見てもらうとわかると思うんですが、ページ数が他の上位サイトと比べて少ないんですよ。Googleは一般的にページ数が多かったり、情報量が多いほうが評価されやすいと言われているのにも関わらず。これは、他の上位に表示されているページより情報は少ないんですが、見る側が使いやすいように作っていることが評価されているんです。

伊藤:
たしかに。すっきりしていますけど、見やすいですね。

浅見:
たとえば、最初のページに「お急ぎの方はこちら」というボタンを表示させています。
また、アクセスやお問い合わせ、すぐに電話できるよう番号を見やすい位置に配置することで、見る側が迷わないような導線にする。
あとは、どういうコンセプトでやっているのかをていねいに伝えるために、院長さんやスタッフさんの顔を出して、ホームページの中でしっかりと導線を作っています
おそらくそれが評価されているため、最近は3~4位の表示ですが、以前は1位でした。歯医者さんを選ぶ際に不安な人をイメージして、その不安を払拭するために作ったんですよ。

伊藤:
なるほど。歯医者さん選びに不安な人がこのホームページを見たら、行きたくなるんじゃないか? ということですね。

浅見:
そうです。なので、コンセプトを伝えるのはとても大切です。
鶴見歯科クリニックさんだと、「虫歯になってから治すという対症療法をやめましょう」というメッセージを伝えてるんですよ。ふだんからチェックして守る、という予防歯科の考え方を伝えたかった。見やすい、情報にたどりつきやすいことを考えて作ると、伝わるホームページになるんだと思います。


ホームページ作りに必要なのは、消費者感覚

伊藤:
鶴見歯科クリニックさんのお話、とても勉強になりました。
でも1つ、疑問があります。
たとえば、ホームページを作る際によく知らない人にお任せすると、そのままよくわからないものができあがり、よくわからないページとしてGoogleに評価され、全然上位に表示されない……ということになってしまうのでしょうか?

浅見:
そうなる可能性はあり得ますね。ホームページを作るにはプログラミングやデザインなど、専門知識はたしかに必要ですから。
ただ、この情報があったほうがわかりやすい、というのは一般消費者の感覚なんですよ。

伊藤:
なるほど!

浅見:
たとえばお店のメニューを見たときに、近くに値段が書いてあったほうがいいというのは誰もが思うことじゃないですか。そういう目線を持っていれば、業者さんに発注しても、ちゃんとチェックできますよね。
インターネットって何? サーバーって何? とかわからない専門用語はあったとしても、消費者目線になると「これ、おかしくない?」という感覚はみんな同じなんですよ。
なので、「専門じゃないからわからない」とするのではなくて、あれ? と思ったら、「これはこういうことじゃないですか?」と確認をしていけば、業者さんとも距離が近くなって、よいホームページができあがるんじゃないかと思うんですよ。

営業電話についても同じです。適当にリストの上から順番にかけているのではなくて、「この人は私のホームページのことをちゃんと考えてくれているのかどうか」と、誠意があるかどうかで判断するといいと思います。

伊藤:
言われたことを受け入れるだけではなくて、自分が持っている消費者感覚を大切にするということですね。


誰のために、何のためにホームページを作るのか

伊藤:
ここまでSEOについて、検索や表示の仕組みについてお話いただきましたが、ホームページを作るうえで大切なのは、「何を伝えなきゃいけないのか」という消費者感覚を持っていれば間違えることはないということでしょうか?

浅見:
そうですね。消費者感覚というのはユーザー、使う人の感覚です。
たとえば、僕がホルモン屋さんをオープンすることになり、地元の人に来てもらうためにホームページを作ろうと考えたとします。伊藤さんは秩父に来て2年ぐらい経ちますよね。地元のホルモン屋さんをGoogleで調べますか?

伊藤:
最近はもう調べないですね。知り合いから聞いたり、馴染みのお店があったりして。秩父に来たばかりだったり、旅先だったりすると検索するかなと思います。

浅見:
そうですよね。必ずしも誰もが検索するというわけじゃない。
伊藤さんが言ってくれたとおり、旅先では検索するんですよ。川越でかき氷を食べたければ、「川越 かき氷」と調べる。でもそれは、知らない土地だから調べるわけです。つまり、「秩父 ホルモン屋」と検索する人は地元の人じゃなくて、地元じゃない人ばかりになる。地元じゃない人が見ると考えると、使う言葉のチョイスやコンセプトの打ち出し方も変わってくるんですよね。
「自分がここに行くとしたら、どうやって調べるかな」と考えたり、逆に地元の人に来てほしいのであれば口コミや紹介、インスタグラムなどのSNSで知ることも多いんですよね。

伊藤:
インスタグラムを見てお店に行くことは、増えましたね。

浅見:
食べログは見ますか? 東京だとすごく活用すると思うんですけど。

伊藤:
そうですね。でも、秩父では全然使いません……。

浅見:
これは秩父に限らずなんですよ。どこの地方もそうで、食べログは地方では機能しないんです。これは、食べログの投稿ユーザーが圧倒的に少ないから。口コミの数が伸びないので、適正な評価がおこなわれないんですよね。おそらく、秩父の食べログも半分以上は観光客の方が投稿していると思います。
自分が大好きで地元でも評判だけど、なぜか食べログの点数は低いな…みたいなお店、見たことありますよね。

伊藤:
そうですね。なぜ? という評価を見たことはありますし、地元の方が熱心に書いているというのは、あまりいらっしゃらないんじゃないかなと。

浅見:
そういった意味で、使う人のシチュエーションや場所、どんなことをしたいと思っているのかによって、こちらの打ち手はまったく変わってくるんです。

伊藤:
なるほど。誰のために、何のためにそのホームページを作るのか? というのを前提にする必要がある。

浅見:
そうですね。前回に続いて前提の話でしたが、この前提が大事です。

伊藤:
よくわかりました。ホームページを何が何でも作らなければいけないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、もしかしたらホームページじゃなくてもいいのかもしれませんね。
リスナーの皆さんも、ぜひ今日の話を踏まえて考えてみてくださいね。

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次回は今日も少し触れました、「 MAPに自分のお店を表示させよう!Googlemap(マイビジネス)」についてお届けしてまいります。
次回も、お聴き逃しなく!

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話し手:浅見制作所 浅見 裕
聞き手:ちちぶエフエムパーソナリティ 伊藤 美裕紀
書き起こし・編集:(株)リモートストーリーズ 井上かほる


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