地方の事業で集客やPRをするには?大事な心構えを解説!「秩父みんなの宣伝部 #1」
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地方の事業で集客やPRをするには?大事な心構えを解説!「秩父みんなの宣伝部 #1」

この記事は、埼玉県秩父で活動するクリエイティブ会社「浅見制作所」がローカルラジオ「ちちぶエフエム」でお届けする“聴いて試してPR!秩父みんなの宣伝部”をテキストにしたものです。

全12回を通して、PRの基本的な考えからブログやSNSの活用法、発信術まで、地方の事業者さんにお役立てできる情報をお届けします!

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第1回は、インターネット集客、PRの前提・心構えについて。情報発信するための、基本的な考えからわかりやすく解説します。

聞き手:ちちぶエフエムパーソナリテイ 伊藤美裕紀


PR・広報にはお金がかからない!? PR、広報、宣伝、広告の違い

浅見:
まずは、PRとか宣伝とか広告って何なの? という前提をお話ししたくて。

伊藤:
「人に何かを伝えること」ですか?

浅見:
そうですね。「広報」の例でいくと、この番組名を決めるときも少し悩んだじゃないですか。最初は「秩父・みんなの広報部」だったんですよ。このタイトルのほうが、僕のやりたいテーマに近かったけれど、秩父市の広報部なの? と勘違いされてしまう。

伊藤:
市から配布されていたり、ネットでも閲覧できる、「広報誌」のイメージが出てきますよね。ちょっと堅い印象を受けたので、行政のものなのかな? と感じてしまいそうです。

浅見:
まず、「広報」の話からしていきましょうか。対比としてよく使われるのが「広告」です。違いはあまり認識されていないと思うんですが全然違うんですよ。どちらも広く知ってもらうことが目的なんですけど、広報は基本的には自分たちでやっているお店や事業を自分で発信することなんです。

新聞に載せてもらったりとか、テレビに取り上げてもらったりとか、SNSを更新していくことも、広報活動で、自分から発信することをいいます。PRも同じ意味で、public relationshipというんですが、公共の場と自分たちの情報をつなげて、発信していく。これが広報です。

「広告」は基本的に、お金を払って媒体に載せることをいいます。

伊藤:
お金が発生するんですね。

浅見:
そうですね。この番組も、僕の会社がスポンサーとしてお金を払い、ラジオという媒体を使っています。広告・宣伝で。広報ではないんです。
ただ、最近は広報といっても、PRとして「こんなことを始めました」という報道者向けの資料を有料で配信するリリースをおこなうこともあるので、少し曖昧なところもあります。

けれど、基本的に広告は、お金を使って媒体に載せることを指すんですよ。正しく理解しなくてもいいと思うんですけど、一応、そういう違いがあります。

伊藤:
なるほど。広報やPRは、そもそも自分でできるもの、自分でやるものなんですね。

浅見:
そう! この番組では、主にPR・広報のことを全12回でやっていきたいと思っています。広告は、FacebookやInstagramなどSNSを見ていると、「おすすめの講義始めました」とか出てくるじゃないですか。

伊藤:
フォローしていないところからも、ポーン! と出てくることがありますね。おすすめのマンガや洋服販売していますというお店の案内だとかも出てきますね。

浅見:
あれは、お金を払ってInstagramという場所に自分たちの情報を掲載するから、広告・宣伝になります。

一方で、同じSNSでも自分たちが更新した情報が口コミでシェアされていくのは、広告ではないんです。

そういう違いがあって、広報やPRと呼ばれるものは自分たちの工夫でいくらでもできるので、それをぜひお伝えしていきたいなと。
自分たちである程度の発信ができるようになったら、お金を出して、さらに広告をやっていく。そうすると、非常に効果が高くなってくるんです。

伊藤:
最初からお金を使わなきゃいけないということではなく、まずは自分でやってみようということですね。

浅見:
意外と、できることはたくさんあるんですよ。

伊藤:
気軽に始められるものは、たくさんあると考えていいんですか?

浅見:
めちゃくちゃありますよ! 無料でできるものばかりですよ!

伊藤:
自分で頑張ることは前提だけれど、無料でできる、と。

浅見:
「無料でできる」事ばかり紹介してたら、僕の仕事がなくなるんですけどね(笑)。それこそ僕としては、お金をかけてこのラジオで宣伝しているわけですから、本当は仕事に繋がらないといけない。だけど、「僕に仕事を依頼しないで、なるべく自分でやりましょう」という。
どうして自分でお金払って話して仕事を減らすのか、という話なんですけど(笑)。

自分たちで発信できるようになったほうが、秩父のいろんなお店とか企業とかの本来の魅力が伝わりやすいじゃないですか。

伊藤:
全部が全部を人におまかせとなると、本当に伝えたい内容が変わってしまう部分もありますし、ちょっと手軽じゃなくなっちゃうんですよね。
自分で手軽にできるんだということを理解して、「面倒くさいなあ」じゃなくて、「おもしろいなあ」と少しずつ感じてもらうと、自分にできることが増えて、武器になりますよね。

浅見:
いいですね、その通り!


発信する前に、事業規模・売りたい相手を考える

伊藤:
たとえばなんですが、実は私、サウナハットというサウナで被る帽子をほそぼそと作って売っていまして。そろそろ、Instagramでやってみようかな、ECサイトを使ってみようかなと思っているんです。でも、まずは在庫作らなきゃ! 何からやろう? と悩ましい状況で……。お店を始める方で、お店づくりのところから発信していく方もいれば、開店しました! から発信していく方もいれば、いろいろだと思うんですよ。

「ここからやってみましょう!」という、何かヒントを教えてもらえますか?

浅見:
もちろん! まず、例がいいですよね。サウナハットを売りたいという。サウナ、好きですよ。サウナは暑いから髪の毛が痛む。それを防ぐために、帽子を被るんですよね。

伊藤:
髪の毛の保護にもなりますし、のぼせ防止にもなりますね。

浅見:
何からやったらいいかというのは、すごく迷いますよね。難しいところだと思います。伊藤さんの場合だと、まず、どれくらいの事業規模にしたいのかという根本を考える必要があります

伊藤:
まず、どれくらい売りたいか、どれくらい儲けたいのか。

浅見:
そう。「月100万円くらい売りたいです」という話であれば、けっこう頑張っていろんなことを考えなければいけない。でも、本業があって副業や別の事業としてやっていくのであれば、サウナハットの事業だけで採算があえばよくて、別に生活は困らないじゃないですか。反対にサウナハットだけで生活費を稼ごうとしているのであれば、ちょっといろいろ考えないといけません。まず、この前提があります。お金じゃなくていいので、趣味程度でやるのか、とか。どうですか?

伊藤:
ひとりで作ってやっていることなので、そんなに利益は取れないだろうなと思っています。うーん……売れたらうれしいですけど、作るのにも限界があるので。作れても1日1個です。月に30個も売れないと思いますね。大変なことだと思っています。

浅見:
素人でゼロから始めて月30個売れたら、かなりすごいですよ。

伊藤:
頑張れば作れるかもしれないですけど、それぐらいのイメージですね。

浅見:
そうですよね。ということは、事業としてはスモールでいい、ということじゃないですか。なので、スモールな戦略を立てられるんですよ。
たとえば、ランニングコストをかけなければいいですよね。

ランニングコストというのは、毎日、毎月かかるコスト。これを抑えればいいだけなんです。お店を持つか持たないかを判断するときに、今回のサウナハットの場合は絶対にお店は要らないですよね。それだけで、家賃が何万円もかかって、利益がなくなるじゃないですか。

お店を持たないでどうやって販売するかというと、手売りやネット通販でいい。ネット通販にしても、毎日や毎月のランニングコストをかけるかどうかという判断が必要になります。ネット通販はお金がかかるものもあれば、かからないものもあるので、その違いを見ていくと、無料でできるものもあるんですよね。

伊藤:
無料でインターネット上にお店を設けられるサービスがたくさんある。反対に、お金がかかるものも、たくさんある。

浅見:
そうです。「1か月で20個か30個売れればいい」というやりたいことを想像して、無料のものと有料のものの機能を比較すると、だいたい無料のものでできちゃうんですよね。つまり、基本的には販売に関するコストは、ほぼ、かけないでできると思うんです。もちろん、サウナハットの生地を仕入れるとかはありますよ。
あと、在庫をするかどうか、も考えるポイントです。すぐに届くことが必要かどうか。

伊藤:
そうか……。作ってから発送までに2週間かかりますよ、とするのか、1日で届きますよ、とするのか。

浅見:
そうしたときに、どういう人に買ってもらうのかを考えるんです。
「明日サウナハットがほしい」という人が自分の商品を買うのか。また、その人をターゲットにする必要があるのか。実際は、明日サウナハットが必要な人はAmazonで買うでしょうね。そういうお客さんは、Amazonにまかせればいいんです。

でも、伊藤さんが与えることができる価値は、“手作り”じゃないですか。Amazonってどちらかというと、大量に売って大量に在庫していて、安く買えるものがたくさんあるところ。それと自分の事業を比べて、Amazonに勝とうと思っていることが、戦略として間違っていることになりますよね。
じゃあ、何ができるかというと、ご自身でおっしゃっていた通り、2週間後に届けますというのを前提にしちゃう。それは何かというと、受注生産ですよね。

伊藤:
オーダーメイドで作る。

浅見:
「お客さんからご注文をいただいてから、1個1個、手作りしますよ」という戦略になっていく。そうすると、お客さんからのオーダーをもらってから生地を手配するということができるのかもしれない。もちろん、ある程度のロットとか数量を買わなければいけないけれど、そういう判断もできますよね。こうなってくると、ランニングコストはかからないんですよ。

伊藤:
たしかに! なるほど!

浅見:
そうすれば、ご注文の分だけ仕入れて、作って、売る。これで採算が合うんですよね。

伊藤:
そうか! それはたとえば、今はサウナハットの例を出しましたけど、飲食店の場合でいうと、食材を在庫するか、予約をされたお客様だけをターゲットにするかということも同じですよね。

浅見:
まさにその通り! すばらしい合いの手ですね。
僕が飲食店を営んでいれば説得力もあるのかもしれないですが、僭越ながら話させてもらうと、毎日必ずお店を開けないといけないということを、いったん忘れてやるのも、1つのやり方だなと思っていて。

最初に話した、事業をどうするかという話ですよね。それでものすごく大きな収益を得たいのであれば、オープンする日を増やさなきゃいけない。
反対に、夫婦で小さくやっていければいいということであれば、週2日や週3日だけお店を開ける。その分のコストだけをまわるようにして、他の時間を別の仕事をするとか。

伊藤さんであれば、地域おこし協力隊をやりながら、他のこともできるじゃないですか。今はそういう働き方ができるので、大きくするとか拡げていくという前提にとらわれないでやると、いろんなやり方ができるな、という話です。

伊藤:
まずは前提が大事、ということなんですね。

浅見:
めちゃくちゃ大事です。集客の話をしようと思っていたんですが、その前の前提の話ですね。

伊藤:
大事ですね。どういうアピールをどういう媒体でやっていくのかも、前提が変わると全く違う出し方になる、ということなんですね。

浅見:
そうです!


PRをするうえで大事な前提・心構えとは?

伊藤:
「まずはPR、PR」というけれど、PRできる内容をつくっていくことが大事だということですね。「あなたの事業、あなたのやりたいことは定まっていますか?」「そのPRの仕方であなたのターゲットに届きますか?」という前提をちゃんと考えないと、うまく伝わらないという。

浅見:
そう思います。なので、来月からはもう少し具体的な話をしていくんですけど、今日は「前提・心構え」の話をしたいと思っています。
うまくグループ分けできていないけれど、2つの大事なことをお話しします。

伊藤:
浅見さんがこれは大事だと思っていることですよね。

浅見:
そうですね。1つは原石以上に輝くことはできない、ということ。抽象的な表現ですが、原石がよくなければ、PRも宣伝も意味がありません
何が言いたいかというと、サービスやごはんのおいしさとか、そもそもそれがよくなければダメです、ということです。当たり前の話なんですけど。

伊藤:
よいものを提供できる前提がないと、誇大広告になっちゃいますしね。

浅見:
いくらお化粧したところで、お客さんが実際に体験したときに、「お化粧とると、意外とこんな感じだったのね」というギャップが生まれてしまう。逆効果になるんです。みなさんご存知だと思いますけど、口コミは今、すごく拡まりやすいので。

伊藤:
よい口コミも拡まりますし、悪い口コミも拡まりますね。

浅見:
本人が、うちはおいしいですよ! と言うよりも、友達が「あそこの店、おいしかったよ」と言うほうが何十倍も信頼されますよね。
基本は「うちはこうですよ」というのが宣伝や広報なんですよ。知ってもらうために、自ら発信することじゃないですか。その発信を通じて、口コミになっていくということはあると思うんですけど、基本的には自分が言っています。つまり、誰かが勧めているわけじゃないんですよね。

伊藤:
そうですね。

浅見:
たとえば、車に乗っているときに看板がぼーんと目に入るとします。「秩父のここでしか食べられない、なつかしの味」というのがあったときに、それは誰かが勧めた言葉ではなくて、自分が表現した言葉じゃないですか。口コミと比べると宣伝というのは、自らが発している言葉だから、劣るというか弱くなるんです。これが前提ですね。

伊藤:
こういうものを作ろうと思ってやってますよ! という、自分の発信ですもんね。

浅見:
そうですね。大事なのは、「こうですよ!」と言えるのは実力までのことじゃないといけない、ということ。当たり前の話なんですけど。ちゃんと考えないで付け焼き刃でつくってしまったものが、すごく魅力的な言葉で発信されていると、お客さんがそれを実際に体験したときに「違うじゃん、裏切られた」という、すごくネガティブな印象を与えてしまう。このネガティブな印象が口コミでまわってしまうことによって、結果的に評判が下がるんです。

なので、何をしなければいけないのかというと、そもそもの自分たちの実力や、ものの魅力を磨くことが必要です。その良さを伝えることができる装置が、広報とか宣伝の活動なんです。
でも、その“元々の原石”よくなければ、どんな伝え方をしても意味がありません。

伊藤:
白いものを黒い、と言ったら間違いだということですね。

浅見:
その通りです!
正直であること。広報をするのも、お金をかけて広告を出すのも、基本は等身大の魅力しか伝えられない。これは、僕が全国のいろんなお店に行って、記事を書く仕事をしていたんですけど、やっぱり体験以上のものは伝えられないんですよ。伝えたとしても、相手を裏切ってしまう。わかりやすい例でいうと、Instagramでよく出てくる、青すぎる海の写真とかあるじゃないですか。

伊藤:
ちょっと加工しすぎている写真ですね。実際に行ってみたらがっかり、ということもありますよね。

浅見:
「がっかり風景」とか言われてますね。それは、本来の美しさを過剰に演出することによって裏切りが起きてしまっている。風景は大きくは変えられないにしても、サービスは、改善できます。あくまでも、サービスをよくする、というのは大前提であって、小手先の手段で自分たちをより魅力的に発信することは、本末転倒です。
これが、原石以上に輝くことはできないから、原石を磨きましょう、ということです。


誰に届けるのかによって、PR方法は変わる

浅見:
もう一つは、ターゲットです。誰に届けるのか、ということ
です。

伊藤:
どんな人向けのお店なのか、どんな人向けのサービス・商品なのかということですね。

浅見:
さっきの伊藤さんのサウナハットを売りたいというのも、ターゲットが「明日サウナハットがほしい人」に売ろうとすることと、1週間待ってでも伊藤さんの手作りがいいと言ってくれる人をターゲットにするのとでは、やり方が全然違うじゃないですか。

伊藤:
作る側の気持ちも違ってきますね。

浅見:
気仙沼ニッティングはご存知ですか?

伊藤:
ほぼ日さんで見たことがあります。

浅見:
すごくいいですよ。注文が入ってから、岩手の職人であるお母さんたちが編むというストーリーがあって。誰に対して届けたい商品なのかというのがしっかりとあって、それはお店の立地にも関わってくるんですよ。

伊藤:
なるほど。車をビューンと走らせて、たまたまふらっと入ってくる人向けにお店をやるのか、わざわざ調べて、わざわざ来る人向けにやるお店なのか。それによっても、全然サービスは変わってきますもんね。

浅見:
変わってきます。たとえば、今おっしゃったような国道沿いにお店を構えると、集客しやすい立地になるので、その場で足を止めてすぐに来てもらえる導線が大事になるんですよ。
つまり、インターネットの広告よりも、パッと目に入って「あ!」と思ってもらえる道沿いの看板が大事、という話になります。
これが、山奥にひっそりと佇むカフェをやるんだったら、いきなり看板を見ることはないですよね。

伊藤:
ないですね……。

浅見:
もちろん、看板に広告を出すことによって見ることはあるかもしれないけど、すぐに立ち寄れる場所ではないので、効果を考えるとSNSとかで知ることのほうが多いと思うんですよね。
というような、ターゲット。どういう人に来てもらいたいのかを考えたほうがいいと思います。

伊藤:
なるほど、ボリュームたっぷりでとても勉強になりました! リスナーの皆さんもぜひ今日の話を実践してみてくださいね。


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次回は「SEO対策って怪しいの?Google検索表示の基本のキ」をお届けしてまいります。次回も、お聴き逃しなく!

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話し手:浅見制作所 浅見 裕
聞き手:ちちぶエフエムパーソナリティ 伊藤 美裕紀
書き起こし・編集:(株)リモートストーリーズ 井上かほる

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