プロジェクトマネジメントは、絡み合う不確定変数の連鎖を仮説で断ち切ること
これまで割と大きめで複雑なプロジェクトをマネジメントする経験をしてきたので、一般的にいうPM的なのは得意な方なのですが、プロジェクトマネジメントが機能していない案件を見ると、そのほとんどが「不確定の変数の連鎖から抜けられていない」ということです。
「これが決まってないから、あれが決められない。だけど、あれを決めるにはそれがわからないと進められない」
そんな堂々巡りで滞っているプロジェクトをたくさん見てきました。
そうですね、例えば新しい飲み会の企画をして欲しいと頼まれたとします。
まず、人数が決まらないとお店も選べない。人数を決めるにはどの人まで声かけるか決めないとわからない。声をかけるにしても、いつ、いくらで、どんな企画をするのかがわからないと声かけられない。企画をするにしても、どのくらい集まるかによって予算も変わるので、できることが変わる…
とまあ、こんな感じです。
「新しい飲み会」というホワッとしたお題は、往々にしてこのように主軸となるものが決まっていません。だから、場所を探すのも予算を立てるのも、日付を決めるのも、ずっと堂々巡りになるんですよね。これが「絡み合う不確定変数の連鎖」です。
飲み会じゃなくても、「面白いことやろう!」とか「盛り上がりそうだから何かやりましょう!」みたいな同期のプロジェクトも大体こうなります。
では、この不確定変数の連鎖から抜け出すにはどうしたらいいか。
それは、「とりあえず、仮でなんでもいいから変数を1つ確定させる」です。
エクセルのエラーになっている計算式みたいに、参照元の参照元があって、その参照先が今いじっているセル、みたいな感じで、何も決まっていないから、何も進まなく、ぐるぐる同じ場所を回ってエラーになるんです。
なので、幹事さんは(プロジェクトマネージャー)は、適当でもなんでも、まずは「この飲み会を30人で開催する!一旦1人5,000円の予算にする」で決めちゃうんです。
そうすれば、30人入るお店の候補が絞れるし、全体予算も決まる。それで可能そうなお店に目処がついたら、候補日が作れて、皆さんの予定も聞けるようになる。
ただ、こういうふうに思う人もいるかもしれません。
「30人集まらなかったらどうしよう」
そのリスクが怖くて、みんな仮説を実行できなかったりするんです。
そのリスクのリカバリー方法を考えておくのが、プロジェクトマネージャー。例えば、お店には4,000円の予算で頼んでおいて、数日前に人数確定した時にコースを変更してもらうとか、あらかじめ30人のうち、硬い人だけ内諾を取ってから、全体の声掛けをするとか。
そうした、最初の動き出しのためにアクションと、どっちに転んでもどうにかなる、の道筋を作るのが大切です。
全体を俯瞰して見たときに、ボトルネックとなっているものを発見し、そこに一発仮説をぶち込んで、まずはどちらかの方向に流れを作る。そしてその流れをコントロールしながら、目的地まで導く。そうした仕事がプロジェクトマネジメントってやつだと思います!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?