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独立で大事なのは“手に職”ではなく「会社の鎧を着て、軍で戦っていた自分」を知ること

会社の中で評価が高く、独立してやっていきたいと思っている方がいたら、独立する前にぜひ伝えたい。(特に知名度のある大手企業で活躍している人には)

あなたは鎧を着ている」と。


たまに「独立したい」「フリーランスになりたい」という相談をもらうことがあるのですが、多くの人が「スキル」に対する不安を抱えています。

はっきり言いますが、大事なのはスキルの絶対値じゃなく、自分の実力を正確に把握するメタ認知だと思っています。力を正確に認知できていれば、戦う相手もフィールドも選べて、戦い方をしっかりと練られるんです。

でも独立前の多くの人は、この自分の力を誤認していることがほとんどです。

会社の中ではMVPを獲得したり、周りからの評価も高かったり、それなりの活躍をしている人が、いざ独立したら全く歯が立たなかった、という人を何人もみてきました。

実は会社に勤める人の多くは、自分の実力は「会社の鎧と軍を率いて」ビジネスと戦っているのを“認知していない”と思ってます。

これは、同じ「ビジネス」という競技の中でも、会社に属して戦うのと、個人で戦うのでは、全く異なる競技といっていいほど違いがあります。

同じ空手でも、「型」と「実戦」の違いのように。


僕は34歳で独立をしました。30歳までは業界大手の企業で、34歳まではベンチャー企業で、それぞれ営業職についていました。

最初の業界大手の企業では、それなりの評価を得ていたことがあり、「自分は仕事ができる人。どこに行っても活躍できる」と思い込んで、「もっと自分の力を試してみたい」のまったく未経験の業界、しかも10名以下の“ド”ベンチャー企業に転職しました。(当時、転職コンサルの人に、マジでやめておけ、って言われまくりましたが、「あんた僕の力わかってないでしょ?」って聞く耳を持ちませんでした)

このベンチャー企業で僕は地獄を味わいました。

今までいた会社でチヤホヤされていた僕が、2年間くらい成果がほぼゼロだったんですよね… 人生でもっともドン底といえるくらい、苦しい期間を過ごしました。

最初は、「業界のジャンルが違うからだ」「会社の方向性がよくない」と外的要因のせいにして、自分に原因があることをまったく認めませんでした。(上司もさぞかし聞き分けの悪いやつだと思ったでしょう)

悪いことに、前の会社で30歳まで働いてしまうと(しかも新卒で入ったからその文化しか知らない)、めちゃくちゃ癖がついちゃってるんですよね。バットのスイングと同じで、癖になったら直すのには相当時間がかかってしまう。その癖に、僕は縛られていたんだと思います。

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↑昔、自分の生き方をプレゼンした時に作ったパワポ笑


でも、繰り返し自分の力が通用しない現実を目の当たりにし続けていたら、ようやく「あ、自分は今まで会社の武器や鎧、仲間があっての力で戦っていたんだ」ということを認識しました。

今までは、殴られても痛くない鎧を着て、一刀両断の切れ味のある大きな剣を持って、ピンチになれば多くの仲間が助けてくれて、いざとなれば上司やさらにその上の偉い人という召喚獣まで使えた。

でも、ほぼ個人の力で戦わないといけないその“ド”ベンチャーの会社には、それらが少なく、自分自身の戦闘力がめちゃくちゃ落ちてた(というか元々戦闘力がほとんどなかった)のに気づいたんですね。

自分はすっごい鎧と剣を持っていると思ってお客さんに立ち向かってましたが、実は丸裸の素手で戦いに行っていたようなもので、相手からすれば随分と威勢がいいが実力も中身もないやつだな、って思われていたんじゃないかなと(笑)。


丸裸で素手であることを認識した以上、もう筋トレして肉体を築き上げていくしかありません。何度もロープレという仮想闘技場で戦いまくって、少しずつ力をつけて、少し弱めの敵を倒しにいく。それを繰り返して、ようやくボス戦にも挑めるようになりました。

この「鎧をきていたことを認識する」経験があったからこそ、僕は独立をする時もなんとか苦労をせずここまで走ってこれました。これが大手企業でブイブイ言わせていた自分のまま、フリーランスになったら間違いなく即死でゲームオーバーでしたね(笑)

相手がスライムでも一撃でやられてたと思います(笑)


独立をしたい、起業したいと考えている方は、ぜひ会社に所属している時から、会社の鎧も仲間もない場所で、裸一貫・素手で戦う経験をしてみてください。

会社の後ろ盾がない状態の戦いは、あなたが思っている以上に大変な戦いです。でも、その戦いに勝利したときの感覚は、会社にいた時とは全然別次元の達成感があります。

参考になればと思います。

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