教室に入った瞬間がさつな声が響いた。
「あー臭い臭い、何だか急に淫売小屋の匂いがしてきたな」
無視して席に着く背後に纏わりつくように声が追いかけてくる。
「そうか、母ちゃんが体売った金で学校あげてもらってんだもん、そりゃドブ臭いわな」
振り向きざまシャーペンを頬に突き刺していた。

水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。