『言葉の骨』
意地悪は小骨が多く
はんなりは腰がやわらかい
頑固は前屈が苦手で
真実はいつだって骨太
絶望の骨は黒く、ひしゃげ
花魁は全身とろけて溶かす技がある
爆音はとがり
風はたおやかにしなり
月の骨は金色に響く
妄想の頭蓋は肥大化して軋み
聖女の鎖骨をなめれば濃密な背徳感
夢は七つに割れて拾えず
死は乾いて悲しいほど軽い
愛の骨は死してなお人肌にあたたかく
嫉妬はトゲつき
イジメはイバラつきで
自分まで痛い
空の背骨は虹となり
宇宙の背骨は天の川
やがて誰もが笑顔で骨抜きにされ
土に還る
言葉の骨よ
僕という骨よ
灰となって
世界に優しく降りしきれ
世界に優しく降り積もれ
言葉の骨たちよ
水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。