『青い歌』

今日から僕は
あなたたちのものでは
なくなってしまう

トランクにつめたはずの空が
瞳からこぼれていく

今日から僕は
あなたたちのものでは
なくなってしまう

自分の海に
嘘がつけなくなったから

今日から僕は
あなたたちのものでは
なくなってしまう

取り残された白い患者たちは全員死ぬだろう
それでも背中を押してくれた

夜明け前に遠ざかる白い家が
一歩一歩朽ちていく

独りの道は
時間が止まったように静まりかえって
物音ひとつ聞こえない

見渡す限りの青い世界で
誰のために歌おうか
溺れる月を見上げながら
青い 青い 海の底を歩き続ける

今日から僕は
僕のもの

砕け散って青く溶けた波は
僕のからだ
僕のいのち
僕の歌

青い 青い 僕の歌
青い 青い 僕の歌



水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。