マガジンのカバー画像

うたがわきしみの宇宙Ⅱ

890
140文字では収まりきらなかった、うたがわきしみの世界観。コラムやエッセーやうわごとじゃない。あくまで、なにかしら、きしみの宇宙を匂わす作品になっているものたち。主に詩。ギャグ系…
運営しているクリエイター

2020年7月の記事一覧

人間を漬け物にして食ってきた #一行小説

大嫌い!を聞いてほしい #一行詩

“自分”がないと生きにくい 違う ”自分“があるから生き辛い

振りほどいても振りほどいても泣いて入ってくる #一行詩

悔しくて拍手できない #一行詩 #自由律句

純粋で無垢なものが壊れていく様を眺めるが好きで、それは性癖と言っても差し支えないと思う。田舎の純朴な子をさらってはペットにし、調教し、自分の社会に対する憎悪やみじめさをそこに注ぎ込んだ。庭に埋めたのは三人程度で山には十人以上埋めた気がする。満たされないクズのまま死ぬのは嫌だった。

教室に入った瞬間がさつな声が響いた。 「あー臭い臭い、何だか急に淫売小屋の匂いがしてきたな」 無視して席に着く背後に纏わりつくように声が追いかけてくる。 「そうか、母ちゃんが体売った金で学校あげてもらってんだもん、そりゃドブ臭いわな」 振り向きざまシャーペンを頬に突き刺していた。

酒臭いと自分でわかるほどしたたかに飲んでいた。 とはいえ記憶は鮮明で抱いていいはずもない女だとわかっていた。それで余計に体を貪った。 死体のように転がった女の白い脹ら脛に窓越しに射し込んだ信号の灯が青く点灯していた。 仄暗い罪悪感を纏い、妻が待つ家に向かった。 信号が赤になった。

ずっと生唾が止まらなかった 逃げないで向き合おうとした時から 自分が向き合おうとしてるものが 何なのかすら分かってないのに 手応えばかりがバブルのように膨れ上がって 世界を服従させた気になって そのくせ何も始めず ただイライラを募らせた 一番欲しいものが見えた時 一番逃げたくなる

答えを出さないで #一行詩

青い夏から 僕だけが ずれていく 取り残された透明は 光を反射できない海のように 静かにたゆたって ただひたすらに 沈んでいく 風のやんだアスファルトに 青い蜉蝣がわだかまり 世界はとりとめもなく歪んで 呼吸の輪郭を失う 瞬間――青い星は 丸ごと深海に飲み込まれ 空に溺れる

『静かに泣く人』

真っ直ぐすぎて何にもない #一行詩 #自由律俳句

ねえねえ どうしてヒトは 本当はちっともそんなこと思ってないのに 反対のことを言ってしまうの? いいかいおチビちゃん それはね “人間”だからだよ えー、ゼンゼンわからなーい ハッハッハッ そうかい、全然わからないかい それでいいんだよ、今はね ふん、ヘンなのー