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吉野ガリ

少し前、吉野ケ里遺跡の未発掘だったエリアから石棺墓が発見されたというニュースがありました。そこは神社の境内地。つまり聖域ということから発掘の手が及んでいなかった場所。
そのニュースを知り、何度か訪れたことがある吉野ケ里遺跡を思い出しながら、寿司のお供でお馴染みのブツを自作してみた記録。


材料

新生姜       100グラム
塩         小匙半分
はちみつフルーツ酢 100ml (2倍に薄める)

試験的に作ってみたので少量。
よく取り寄せで使う蜂蜜屋さんが作っているフルーツ酢を甘酢の代わりに使用。

魏志倭人伝によると、弥生時代の倭国には幾つもの国があったといい、その風習や様子も描写されています。
そこに描かれた通りの遺跡が現れたと大きく報道されたのは昭和六十一年(1986)
周囲を濠で囲んだ環濠集落であり、大規模な建物の柱跡等が発見。


本来、ドリンクとして使う物ですが、甘酢として使ってみる。

当時、佐賀県は大規模な工業団地の造成を計画。その用地として神崎郡を試掘。大規模な工事が始まる前に遺跡等があるかもしれないということから掘ってみたということ。
すると、出てくる出てくる、内堀と外堀の二重環濠。高床倉庫の跡やら逆茂木の跡、甕棺に収められた人骨等々。
遺跡内には三基の前方後方墳。
これは間違いなく重大な考古学的発見ということで工事は中断。本格的な調査。
工業団地を造成しようとしていた業者からすると迷惑な発見?
工期が遅れるばかりですから。
私は別に発掘調査優先を批判している訳ではありません。我々の祖先の生活を調査することは大事なことと思います。ただ、見方を変えれば困った人もいたということを書いているだけです。(言い訳)


塩を入れたフルーツ酢を煮て、しっかりと溶かす。

この発見の少し前、奈良で長屋王の屋敷跡が発見。歴史書に出てくる人物の屋敷跡ということから、この時も保存すべきかという議論。結果、屋敷跡は埋め戻されて、その上にはデパート(そ〇う)が建てられました。
歴史に名を遺した皇族の屋敷ですら、これですから、名もなき古代人達の集落など風前の灯。
議論の結果、歴史公園として保存することが閣議決定。
工業団地の計画は白紙撤回。
因みに長屋王の屋敷跡に建った〇ごうですが、その後は撤退。長屋王の呪い?数年前に訪れた時には雑多なテナントが入っていましたが、今はどうなっているのか。


新生姜を薄切り。

吉野ケ里遺跡から発見されたのは環濠や建物の跡だけではありませんでした。甕棺に入った人骨。それも首が斬り落とされた骨。明らかに自然死ではない。戦死若しくは処刑?
このことから、この集落が何故、濠に囲まれているのかが推察出来ます。自衛のため。つまり弥生時代というのは稲作が盛んになり、富の蓄積が始まり、それを巡る戦乱が始まった時代ということを、首がない死体は示しています。
発見された遺物にも銅剣や銅矛等の武器。
弥生時代が始まる前、縄文時代の遺跡からはそうした殺傷能力ある武器は発見されていません。狩猟用の石斧とか鏃等、人間を殺傷する武器はなし。


茹でた新生姜の水気を絞り、酢(分量外)を少し掛ける。

地面に囲いを作って、ここは俺の土地だと言い始めたことが、人間不平等の始まりだったと説いたのは、ルソーの「人間不平等起源論」だったか。
吉野ケ里に生きていた古代人達は周囲に濠を作って、ここからは俺達の土地だ。入ってくんなと言い始めたということ。
縄文時代の人々は狩猟採取生活で分け合い、平和に共存していたと思われる。
それが稲作が始まり、余剰の米が出来ると、それを貯蔵。米は風通しをよくすれば三年位は保存可能。何等かの理由で食えなくなった人々はそれを狙い、襲撃。貯蔵している方も盗られてたまるかと武装して自衛。


新生姜をフルーツ酢に漬ける。

どかた家にはテレビという物体が存在しないので、視聴したことはないのですが、今年の大河ドラマ「どうする家康」で瀬名、所謂、築山殿が武田と内通していた理由が、奪い合うのではなく与え合う国を作りたいと語ったとか?(あくまでネットニュース等で見た二次情報でドラマ自体を見ていないので誤りがあるかもしれません)
史実を無視していると批判的な人もいるとか?まあ、ドラマはあくまでもファンタジーですから目くじら立てることもないと、見てはいませんが、そう言っておきます。
ふとそんなことを思い出し、考えました。
日本列島は温暖で山海の幸が豊富。狩猟採取だけで縄文人達は平和に共存していた。貯蔵可能な米を作り、富の蓄積が始まったことから分け合い、共存する社会から、富める者とそうではない者の不平等が生まれ、奪い合いが始まった。吉野ケ里遺跡とは、そうした不平等と争いが始まった記念碑的な場所というひねくれた見方をすることも出来る。


吉野ガリ

一晩漬けた状態。新生姜の先端の部分から赤い色が溶け出し、微かな桃色に染まる。塩控えめでかなり甘い。これは漬物というよりもスイーツとしても楽しめるかもしれません。
殺菌作用がある生姜、寿司に添えるのは利に適っていたということ。
寿司に限らず、湿気が多くて腐敗が進みやすい時期なので、胃腸のお守りとして食べるのもよし。甘いのでデザートとして食べてもいいいかもしれません。
生姜糖に代わる新たな生姜スイーツ誕生?

先頃、石棺墓が発見された場所は日吉神社。
元々、集落の実力者が葬られ、神として祀られていたのではないか?とすると、古墳の上に建てられた神社であり、御祭神とされているのは周囲に濠を作らせた人間不平等起源の当事者?そんなことを妄想しながら、吉野ガリをご馳走様でした。

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