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読書記録『今を生きるための現代詩』

詩について少し理解したくて、以下の本を読みました。

本の中でいくつか詩が出てきたのですが、(私にとって)理解が難しいものが多くありました。
というのも、私は速読してしまうので、詩を味わわずそのまま流し読みしてしまうことが多いんです。
詩を読み終えて「ん?これ何が言いたかったの?」となってしまう(笑)
今回も詩を味わおうと思って、ゆっくり読んでみてもやはり理解できず…

しかし著者は私を励ますかのような言葉を、本の中で言っていました。

わたしにはただ、強くあざやかな「わからなさ」の感触だけあった。そしてそれは、ふるえるほど魅力的だった。
詩とはこのようなものだ。詩とは謎の種のことなのだ。

『今を生きるための現代詩』より抜粋

この本を読んで「わからない」ことを「わからない」ままでおいておいてもいいんだと思えました。
そして著者はそれさえも魅力的であると。

詩は、雨上がりの路面にできた水たまりや、ベランダから見える鉄塔や、すがたは見えないけれどもとおくから重い音だけひびかせてくる飛行機や、あした切ろうと思って台所にあるプランスパンや、そういうものと似ている。
そういうもろもろの「もの」は、たしかにある状況のなかでは役割や意味をもつものだけれど、いついかなる場合にもその役割や意味をにないつづけているわけではない。意味をはなれて、ただたんに存在しているだけのときもある。
そういうときには、われわれはそれらを純粋に視線の対象物としてただ見て、世界の手ざわりを知る。

『今を生きるための現代詩』より抜粋

この本を読んで、そのときその詩をできなかったとしても、詩を対象物として読む、感じることで十分なのかな、と思いました。
そのとき意味不明と思っても、その感情を大事にしていたら、いつか同じようなシチュエーションになったときに「あ、あの詩ってこういうことだったのかぁ」と感じるようになるのかなぁと。

『詩を味わう』かっこいい人間になりたいと思う自分もいるけれど、
理解できないままならない自分も愛してあげようと思いました。

ではまた!


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