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湯を沸かすほどの熱い愛

死にたくないなぁ、生きたいよぉ。

のふたばの言葉が苦しいほどに。

周りの人を大きな愛で包み込む。そんなシャカリキ強い母でした。血が繋がってるとかどうとかそんな言葉がこの物語には一切出てこなかった。凛々しかった。

死期が近づくとどうして人は生きたいと願うのだろう。と、いうより、生きているという素晴らしさを、どうしていつも感じられないんだろう。

失って初めて気付く、この経験、自分もしたことあるけど、どうしていつもその尊さ、大切さに気づかないんだろう。

宮沢りえ、杉咲花、作品に入り込んでしまう演技でした。演技とかお芝居とかそんな言葉使いたくないくらい。親子だった。

前半の安澄の学校生活で「わたしには立ち向かう勇気なんてないの」「私とお母ちゃんは違うの」といった安澄に対して、「何にも変わらないよお母さんと安澄は。」その言葉はどういう意味で発せられたのかは分からない。けど、

ちゃんと立ち向かえた安澄。制服着て帰ってきた。お母ちゃんの遺伝子ちょっとだけあった。なんてもうね。

安澄の涙こらえてるところが本当に、もらい泣きした。

高2の時に自分も祖母を癌で亡くしました。その時の経過を思い出して泣いた。癌ってひどく痛いらしい。おばあちゃん、痛かったよね。苦しい思いさせてごめんね。がんばれって、元気になってね。って何度も言ってごめんね。ずっとどこかで僅かな望みを持ってた。最後のふたばの様子がおばあちゃんと重なって本当に辛かった。目や顔を動かすのだってきついよね。おばあちゃんの目から涙が出てるの何度も見た。辛い思いさせてごめんね。生かすのって、周りの人間のエゴなのかなとさえ今、思いました。この辺りにも感情移入しました。


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