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【映画レビュー】福福荘の福ちゃんを観て

ども!
今年のシルバーウィークはあまり天気に恵まれませんでしたね。
台風で被害に遭われたもいらっしゃいますし。
この場を借りて心からお見舞い申し上げます。

北海道は標高の高い山頂ではすでに木々が色づき始め紅葉が始まっています。
朝晩に気温差が大きくなる時期なので皆さま体調を崩さないよう気を付けてお過ごしくださいね。

今回シルバーウィーク中に見たのが”森三中”大島美幸さんが主演の”福福荘の福ちゃん
あ、いつものことながらふと目に留まったんですけどね。

福福荘の福ちゃん

この映画は2014年11月に公開された映画です。主演、福田辰男役(福ちゃん)を演じたのは”森三中大島美幸(以下敬称略)。
この映画で第18回ファンタジア国際映画祭で最優秀女優賞を受賞しています。

仕事仲間でもあり親友の島木拓郎役(シマッチ)を荒川良々、中学時代の同級生で物語のキーマンでもある杉浦千穂役は水川あさみが演じました。

いくら普段から”親方”🤭と言われる森三中大島でも
「さすがに男として見るには違和感あるだろ」って思って見始めたあゆさん。
しかし、役作りで丸坊主にしていたので全く違和感なし😳
見始めて10分経った頃には完全に男性の「福ちゃん」として見ていました😆

あらすじ※ネタバレあり

福ちゃんこと福田辰男はちょっとぽっちゃり32歳の独身男性。
十数年前に上京して以来「福福荘」という古~いアパートで暮らしています。

塗装職人として働いている福ちゃんはとても面倒見がよく、職場では人間関係のトラブルを解決し、福福荘では過去に逮捕歴のある超神経質そうな青年野々下と、大蛇をペットにして一見変わり者で掴みどころのなさそうな東大卒の馬淵という癖のある住人同士のトラブルも解決し、それがきっかけで福ちゃんを慕い3人は交流するようになります。

親切で明るくて誰にでも親切な福ちゃんだけど唯一女性は苦手なようで、そのことをいつも気にかけてくれている親友のシマッチ。
お見合い的に女性と出会いをセッティングをしてくれたりしたけど超絶女性には奥手な福ちゃん。なーんにも上手くはいきません。

過去

ある日福ちゃんの所に一人の女性が訪ねてきます。
その女性の名は”杉浦千穂”福ちゃんの中学時代の同級生でした。

千穂は外資系企業でOLをしていましたが、有名な写真家”沼倉ヒサシ”に憧れて始めた写真で賞を撮り、それを機に写真家を目指してOLを辞めてしまいます。
沼倉の写真集のサイン会へ訪れ、千穂がOLを辞めたことを沼倉に話すと「私の所へ来なさい」と千穂を快く受け入れ、スタジオへと招いてくれたはいいけれど、沼倉はそこで豹変😱下心ありありだったのです。ヤッパリ…💧

千穂はその事で”写真を撮りたい”という意欲も沸か無くなってしまい、昼間から酒を飲んで荒んだ毎日を送ります。

一方、千穂と同居している心霊ライターの下田悠子は荒んだ毎日を送る千穂を励まように時には色々諭そうとしたりもしたけど、逆にそれが原因で千穂は家を飛び出してしまいます。

行く当てのない千穂はある喫茶店に入り、ぼーっと考え事をしていると「閉店です」と喫茶店の女店主が話しかけてきました。
お金を払いお店を後にしようと背中を向けた時、千穂の髪の毛にポテトチップスが2枚くっついて居ることに気が付きました。

「(生活が)荒んでますね」

そう優しく言った女店主は改めて千穂と一緒に席に着き、自慢のお手製プリンをご馳走してくれました。

「おいしい!卵の味か濃でーーーー。」
と説明を続ける千穂に

「あなたが悪運に見舞われるのは学生時代に人を深く傷付けたからです」
と言い出しました。

「私はそこまで傷つけた人はいません!」そうい言い切る千穂に

「丸顔で」
「ぽっちゃりで」
「黒い詰襟が、、、」

女店主がその姿が見えると千穂に話すと、ハッとして思いだしました。

中学時代、同級生と一緒に男子生徒をからかってだまし、好きでもないのに告白をして、落とし穴に落とした挙句、
「本当は好きでもなんでもない」
そう周りに言って男子生徒を笑いものにしたことがありました。

そう、千穂が深く傷つけた相手は福ちゃん。そして福ちゃんの初恋相手は千穂だったのです。

過ち

深く傷つけた相手が福ちゃんだったと思い出した千穂は福ちゃんを訪ね過去の酷い仕打ちを土下座して謝りました。
初めは昔の事を思い出し、千穂に冷たい態度をとっていた福ちゃんだったけど、そこはやっぱり初恋相手、次第にまた思いを募らせてゆきます。

千穂はふとした福ちゃんの表情を見て、しばらく撮れないでいた写真を再び「撮りたい!」と言う気持ちになった千穂は、福ちゃんに頼み込んで写真を撮らせてもらうことになります。

次第に千穂の事で頭がいっぱいになって行く福ちゃん。それを心配したシマッチが千穂に
「その気がないならこれ以上福ちゃんに近づいて傷つけるな!!」と忠告します。

一方、千穂の同居人悠子は出版社に顔が利き秘かに千穂の撮った福ちゃんの写真を売り込んでいました。
千穂が撮った”福ちゃん”の写真が悠子のおかげで出版社の目に留まることとなり写真集が出版される事になりました。

居酒屋で出版祝賀会が開かれました。
和やかなムードの中、福福荘の隣人”野々下”が現れました。福ちゃんは優しく野々下を迎え入れ、「ちょっとトイレに行ってくるからここてめ待ってろ」と野々下に行って席を離れました。

そんな様子を千穂が何気なく写真を撮っていた時、野々下は千穂に襲い掛かりわけのわからないことを叫びながら、隠し持ってたナイフを千穂に向けました。トイレから戻った福ちゃんは襲い掛かる野々下から千穂を守るため立ちはだかりナイフで刺されてしまいます。
実は野々下は精神を病んでいたのでした。


再出発

幸い福ちゃんの命に別状はありませんでした。そして福ちゃんは野々下を訴えることもありませんでした。
入院している病室へ野々下の父親が胃見舞いに来ました。
福ちゃんは
「病気の深刻さに気付いてやれなくて申し訳なかった」
と逆に父親に謝罪をし、彼の為にと小さなお守りのような凧を手渡しました。

それから野々下の父は彼が過ごした部屋を引き払って出て行きました。

一方親友のシマッチは千穂に会って
「友達としてでもいいから福ちゃんと一緒にいてほしい」
と千穂に頼みます。

しかし千穂はただ自分の都合で相手の気持ちも考えず福ちゃんに近づいたことに自分で気が付きシマッチに反論が出来なかったことを話し、写真家としてゼロから世界中を回ってみるとシマッチに告げました。

一年後。
福福荘の住人、東大卒の馬淵は福ちゃんと同じ塗装工として働いていました。福ちゃんも馬淵も相変わらず同じ福福荘に暮らし毎日を送っていました。変わったことと言えば時々写真集を見てサインを求められると書いてあげることくらいでした。

ある日仕事を終えて福福荘に帰ると、野々下が暮らしていた部屋に新しく住人が引っ越してきていました。
自分の部屋に戻り、福ちゃんは携帯を手に取り、前に撮った千穂の写真を思い切って削除しました。

すると、新しく入ったあ住人が挨拶にやってきました。

トントントン。

扉を開けるとそこにいたのは新しい住人”杉浦千穂”が福ちゃんの大好きなカレーを持って立っていました。


感想

この映画は冒頭、職場でのトラブルのシーンから始まるんですが福ちゃんがシマッチを説教し解決する場面が出てくるんですね。

「あ、やっぱり親方?笑」←イッテQの見過ぎw

また、シマッチと被りすぎる福ちゃんの風貌にツボってしまって😆
映画って冒頭の掴みって大切ですよね!

あゆさんこの掴みが無いと早々と夢の中へ離脱してしまう事があるので😅

映画を見進めていくほどに福ちゃんの懐の深さや、真っすぐさや優しさがどこから来るんだろうと思って見ていました。

やがて並行して千穂の話が進んでいき、千穂が中学生の時にからかって傷付けた相手が福ちゃんだとわかるのですが、その福ちゃんの初恋相手が千穂…そりゃ好きな人にからかわれ騙されバカにされたら誰だってトラウマになりますよね💦

子供の頃や若い頃の経験って良くも悪く深く心の奥に残るものだし、同じ傷を受けたとしても若い時と今とでは痛み方も治り方も違う。

福ちゃんを「撮りたい!」って思った千穂がなかなか本人に言い出せず変装して近づき、盗撮のように福ちゃんを撮っていた時、気付かれてしまい改めて「お願いです、撮らせてください」ってっ千穂が福ちゃんにお願いした時に

「また俺を騙すのか」
「今度は何しようってんだ」
「また俺をバカにすんのか」

と涙を流しながら言うシーンがあるんですね。

他人は冗談のつもりで、深く考えないでからかったり言ったことが本人にしたら女性不信になってしまうほどトラウマを負わせてしまう事ってあるんですよね、、、。

ただ、思うんです。

痛い思いをした人ほど人には優しくって
傷ついたことがある人ほど、人の痛みに寄り添える人が多いよなって。

受けた傷って傷は治っても、傷跡は残るんですよね。
決して消えることはない。

でも傷跡を忘れることは出来る。

千穂に再び思いを募らせていくうちに福ちゃんは傷跡を忘れていったんじゃないかな…。そう考えると”恋”ってすごい力があるって事ですよね🥰
その反面受けるダメージも大きくなるって事なんですけどね💦
それは好きであればあるほど。

福ちゃんは千穂に傷つけられ、傷付く痛みを知っってるからこそ、傷付いた人の心の痛みがわかるんですよね。

心から謝罪した千穂にやがて心を開いてゆく福ちゃん。
きっと千穂が撮った写真の福ちゃんは、千穂だからこそ撮れる良い表情していましたしね😊

そうそうある時、2人で行ったカレー屋さんで激辛カレーが出てくるんですが、そこのお店「お水は一切出しません」ってお店で。

ありますよね、実際たまにそういう店って笑

人それぞれこだわりがあるのもわかるし、法律で決められたこと以外、もしかしたら
こうあるべきもの」なんて世の中には存在しないのかもしれない。

でも

「カレーを食べるとき水を飲むなんて邪道!」
「やっぱりオムレツには醤油でしょ!」
「いやいやソースだって」
「いや、通は塩コショウだって」

、、、、。

どーだってええわ!好きに食わんかい!

とあゆさんは思うんですけどね笑

その激辛カレーを食べた時、千穂がむせて苦しがるんですが、それでも断固として水を出さない店主に福ちゃんが言ったんですよ。

「カレー食べてるときの水なんてサイコーにうめーだろ!」

「むしろうめー水飲む為にカレー食うみたいなもんだろ」

って。
そう、価値観なんて人それぞれ。

そういう目線で物事を見れる人、素晴らしいと思います👏カレーがメインじゃなきゃいけない理由もない。
美味しぃ水を飲むためのカレーだって全然アリ👏

ま、あゆさん最初からそんな店って分かってたらそもそも行きませんけどね笑

そしてもう一つ印象に残ってるシーンが。

福ちゃんがすごくいい表情するって千穂が話すと

自分の面(ツラ)が良いなんて一度も思ったことねーもんな
そういった福ちゃんに

自分の良さって自分ではよくわからないものだから
っていうシーンがあるんですけど、それがすごく共感出来て😌

そういや昔「俺は優しいよ」なんて男にろくなやついなかったし笑

不器用だって何だって、人に優しくて
人の優しさにちゃんと気が付ける
人があゆさんは好きだな🥰


、、、、あんたの事なんか聞いてへんて👋爆🔥



この映画は誰に感情移入するでもなく俯瞰で見れた映画でした。

人の優しさってどこから来るの?
どうしたら優しくなれるの?

そう思って見ているうち

たくさん笑える人はきっと
たくさん泣いてきた人

いっぱい傷ついた人は
人に優しく出来る人

真っすぐな人は
回り道をしてきた人

なのかなって。

あゆさん常日頃思っていること。

目に見えるものがその人の全てではない
むしろ目に見えない部分の方が多くって

だからこそ、大切なことは目に見えないことが多い。

いつも明るく笑ってる人が
見えないところでどれだけ泣いてきたのか

楽をしてるように見える人が
影でどれ程努力しているのか

痛くないと言いながら
本当は痛みに耐えていたり

心配いらないよと言う人が
どれほど心配かけないように周りに
気を使っているのか

そんな目に見えない大切なことに

ちゃんと目を向けられるような人でありたい。

そういつも心から思うんです。

そんな事を改めて大切だと思わせてくれた
映画でした☺️















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