曜日の感覚はどこかへ忘れてしまった

フリーランスになってから手放したものがたくさんある。
その一つが曜日の感覚だ。

会社員時代は、曜日によってその日の仕事の忙しさが変わっていたこともあり、曜日を意識して働いていた。
もちろん、それ以外の予定も会社員の友達とあわせると土日になるし、私の仕事のシフト希望も土日に休み希望が出せない関係で、曜日でプライベートの予定を把握することが多かった。

フリーランスになると、逆に日にちで予定が埋まっていく。
〆切の日にちに合わせて日付を基準に仕事のスケジュールを立て、クライアントとの打ち合わせもそれに合わせて日付基準に予定を把握するようになった。

基本的に土日に休んで平日に働くという働き方をしていないので、必然的に土日＝休みという感覚は私の中から抜け落ちてしまって、この1年ですっかり「曜日」という感覚は忘れてしまっていた。

　

曜日の感覚を忘れてしまったことで、予定を忘れてしまうことはないものの、少しづつ世間から乖離しているまずさは感じていた。

別に世間になじむことがすべてではないことが分かっていても、今日が何曜日か分からないことで、周囲のいろいろな人が生きている時間軸と、私が生きている時間軸が別なのではないか、違う時間軸に取り残されてしまったのではないか、と無駄に不安になることもあった。

　

それでも曜日の感覚を忘れたことで得られたこともある。
それは1日1日をかみしめて生きることができるようになったということだ。

曜日が分かる＝1日を大切にしているではないことは分かっているし、逆に曜日が分からない＝1日を大切にできていないわけでもない。
ただ、「まだ火曜日だからしんどい」「金曜日だから仕事を早く終わらせて飲みにでかけよう」みたいな感覚も一緒くたになくなってくれたおかげで、毎日を精一杯生きることができるようになってきた。

　

曜日なんて、どこかの誰かが決めた枠組みの一つでしかない。
その真理を少しだけ享受できるようになってきた。

曜日のペースに飲まれることなく、自分のペースで生きていく。
自分の歩いていくペースは自分自身で決めていく。

これまでできていたようで、できていなかったことが一つできるようになっていた満足感。

そんな小さな小さな満足感とともに、日曜日の夜をゆっくり布団の中で過ごしてみている。