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人を介すことで解像度が格段にあがる

実はわたしは基本的に自分の興味のないことには徹底的に興味がないタイプの人間だ。その魅力を語られてもピンとこないし、うんうんと聞いていても実はそんなに興味を持てなかったりする。

だけれども、そんなわたしがどんなに興味のないことにでも興味を持つときが一つある。

それが商品やサービスの作り手の想いに触れたときだ。

 

例えば地方でその土地の特産物をつかったちょっとした雑貨を作っている人がいるとする。

わたしはそのことを雑誌で見ても、欲しい物でない限りは、ただ店頭で商品を見てもなかなか興味が持てない。
だけれどもそれを作っている人に会って、作ることになったいきさつや、どのような想いで作っているのかを直接聞くと、とたんにものの見え方が変わってくる。

ずいぶん都合のいい人間だと思われるかもしれないけれども、実際にそうなのだから仕方がない。

 

ここ数か月、東北から九州まで、まさに日本全国いろいろな場所に取材に行かせてもらえることが増えた。取材先では観光地の取材をすることもあれば、かなりコアな場所を取材することもある。

だけれどもそのどれにでも共通しているのが、「取材」という名目で来ているためか、町の歴史や、特産品の作り手のこと、その場所を作った人の想いを直接聞く機会をたくさん与えてもらえている。

そうすることで、きっとただ観光に来ただけだったら興味を持てなかったであろうことでも、作り手の思い出に触れた瞬間に、白黒写真がカラー写真になるかのように、わたしのなかにどっといろいろな情報が入ってくるようになる。

お仕事だからまじめにその人の話を聴いているとか、そういうことではなく、自分から興味を持ってその話を聞くようになる。

 

ここ数年「ストーリー性が大切だ」とい話をよく耳にするけれども、きっとわたしみたいな人には、そういったストーリーがあることで、より身近に、より現実的な話として心の中にまでじわりと届いていくんだと思う。

 

日本は広い。
いや、世界的に見ると狭い国であることには間違いないのだけれども、四季があって、季節によってどの地域でも全く違う姿を見せてくれて、そして場所によって本当にいろいろな文化がある。そういう意味での広さだ。

ドイツに留学していた1年間、わたしはそんな日本の魅力をもっといろいろな外国人に知ってほしいと思って、インバウンドの企業の門をたたいたりしていたけれども、日本人でもこんなに知らないことがあるんだと、ここ数か月でたくさん驚かされてきた。

 

もっともっと日本各地の魅力がたくさんの人に伝わればいいのに。

そんなことを思いながら、ライターとして自分がやるべきことが少し見えた気がした。

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