カール・ユンク:赤の書 ー ブックチャレンジより

大西 穣さんから7日間ブックカバーチャレンジのバトンタッチを受けて7日目:カール・ユンク:赤の書
The Red Book by Carl Jung

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最後の日なのでAyuoの作詞と音楽に明らかな大きな影響を与えている二つの作品について二つの投稿に分けて書きます。

この本「赤の書」からの場面を昨年発表したCDに収録したので、まずは聴いてほしい。

Ayuo ー  Breath of Life / My Soul (作詞作曲:Ayuo 《カール・ユンクの言葉を含む》)


Ayuo (Vocals, Voice, Electric Violin)
甲斐史子 (Violin)
松本卓以 (Cello)

カール・ユンクは心理学者として知られているが、詩人であり、絵描きであり、芸術家であった。そのために、多くの小説家、映画監督、絵描き、ダンサー、ロック・ミュージシャンにも影響を与えた。ピーター・ガブリエルは「ザ・ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウエイ」以外にも1枚目から4枚目のソロアルバムに渡ってユンクのエピソードに基づく曲を数曲作っている。小説家のルース・レンデルも一時期ユングの心理分析に影響を受けたミステリーを数冊書いている。ユンクに影響を受けた英術作品を検索したらきりがないほどたくさん出て来るだろう。
この本はユンク自身の個人的なジャーナルとして書き始めた。彼が描いた絵や詩や物語が中世の写本のように美しく描かれている。夢日記のように書かれてあるが、内容は彼がフロイトから独立して独自の考えをまとめた時ものである。

このような言葉がジャーナルの中で出て来る (翻訳はAyuo):
「昼間の世界で忘れていた神話は夜の夢として語られる」

「無意識にあるものを意識するようにしなければそうしたものがあなたの人生を支配してしまう。
そして、あなたはそれが運命だと思ってしまう」

「人は自分の中にいる魂達に会いたくない
会わないためにどんな事でもする。
無意識にある世界を意識を向く事はいたみなしでできない。」

「自分自身の暗闇が理解できれば、人の暗闇についても理解できる。
自分を自分で受け入れるほど自分にとってコワイものはない。」

僕はこの本のエピソードに基づいていくつかの曲を作詞・作曲した。「カール・ユンクの夢日記」というタイトルの組曲もある。昨年のAyuoのCD「Outside Society」にもこの曲集から数曲収録した。

ユングはフロイトと比較されることが多いが、フロイトとは共通点もたくさんある。元々は同じところから始まっている。あまり知られていないことだが、「バック・トゥ・フロイト」の運動を始めた心理学者ラカンはユングの弟子でもあった。そのために使っている用語は違っている場合があるが、似てい入る部分が非常に多い。

ユンクは十代の頃にニーチェに影響を受けた。「ツァラトゥストラはこう語った」のような詩の言葉を使った哲学的な文章がこの本に見られる。
フロイトもドイツ文学に大きな影響を受けていて、フロイトが神話、そしてナチス時代の最中にモーゼとユダヤ神話について書いた文章は特に面白い。

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