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ゆる

にしてもだ。
髪の毛先が痛み過ぎていて、針金みたいになっています。触るとトゲトゲしい。
カラーリングをすると決めた時から、こうなることは想定範囲内でしたが、いざ現実になるとこうもトゲトゲしいのか。
それに傷んだ毛先はもう元には戻らない・・・。誤魔化すのみなのです。

マシェリのヘアミルクを買ってみましたが、いい香りが漂うだけでした。トゲトゲの圧勝。マシェリでさえも太刀打ちできないのか。
あとから知ったのですが、傷んだ髪にはクリームよりもオイルの方がいいみたいですね。
YouTubeの中の人が言っていました。その方、めちゃくちゃ可愛いんです。ヘアカタログと同じで、言うことを聞けばその可愛さが手に入るんじゃないかという、愚かな錯覚。

ドラッグストアに行く度に、いつも気になるいち髪のヘアオイル。だいたい2000円弱。
安いといえば安いのに、ひとつの商品に2000円出すという金銭感覚をどこかに無くしてしまったわたしには、唸る2000円なのです。いや、決して高くないし、そこで2000円出しても金銭感覚が狂っているとは思いません。でも何故か躊躇してしまう2000円。1000円なら買う。5000円なら逆に気合が入る。その中間を彷徨う2000円。微妙なところを突いてくるよね。

とにかく、何をしようと傷んでいるものは傷んでいるので、出かける時はお団子してからのくるりんぱで、毛先を奥深くに隠しています。
それがキレイにまとまった時の爽快感ったらない。
先ほどのYouTubeの中の人が言ってましたが、まとめた後にちょっとずつ髪の束を引き出して、ゆるめにするのがコツらしいです。

ゆるめ。ゆるめか・・・。
なんか苦手なんですよね、ゆるめって。

だらける、とは違う。
ぬるい、とは違う。
おろそか、とは違う。
寝ている間によくよだれが垂れている、これは口元がゆるいで正解。
財布のヒモと靴ヒモは固めにウエストはゆるめに、が我が家の家訓です。

ゆるめかー、と考えながら紅茶片手に一服していたら、外から聞こえてきたのが「石焼き芋」のアナウンス。
「いしや〜きいもー・・・・・・・・・・おいも」
それが18時過ぎ。この季節にめずらしいと思いました。
「ちょっと甘くてまるで羊羹のような美味しさ・・・・・・・・おいも」
住宅街に響き渡るその声。
あー、これがゆるいってやつか。なるほどね。

やっとしっくりきた。