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挨拶の主流

今日みたいな曇り空の日のだるさって、ハンパないと思います。
1日中ドヨーンとしていて、昼間でも電気をつけないと薄暗くて、重力にいつもより引っ張られている感じがします。低いところ低いところへ追いやられて、ギュッと潰されたような1日。

こんな日は眠くなるんですよね。見たくないものを見なくて済むように、眠気が顔を出してくれるのかもしれません。

特にひどかったのがお昼過ぎ。
眠くて眠くて、後ろにぶっ倒れるかテーブルに突っ伏してしまうかの二択でした。
後ろにぶっ倒れるとソファーの位置関係により首がやられる、テーブルに突っ伏すとおでこにガラスと木の跡がついておでこがやられる。どっちにしたってやられることに変わりはありません。

かといって、こうなったら本格的に寝てやると思うと、布団に入るための約6歩がものすごく遠く感じるのです。体感で言うと、日本とブラジルくらい。
わたしは海外に行ったことがなく、パスポートすら持っていないので、まずパスポートを取るというところから始まるブラジルまでの道のり。
ね?めちゃ遠いよね・・・。
そんな重い6歩を踏み出せずに、リビングで固まったまま眠気と戦っていました。

全て曇り空のせい。わたしのせいじゃない。

そして17時くらいになって、ようやく目が覚めてくるのです。
いつもの夜になるから空模様が関係なくなるわけで、そこで初めて過剰な重力と悪魔の微笑みとよく言われる眠気から解放されました。今日という日はここから始まるのだ。

こういう時、大家さんのことを思うのです。
うちのマンションは大家さんが隣に住んでいて、たまに顔を合わせると挨拶ついでに、時間がある時は軽く世間話もします。
以前、働いていた時は、
「これからお仕事?行ってらっしゃいね」
この挨拶が主流でした。行ってきます!ってわたしも返していました。

その頃は家に帰ってくる時間も遅かったので、必然的に部屋の明かりがつく時間も遅くなります。
でも今は、暗くなるとすぐに部屋の明かりがつきます。毎日。
そして今日みたいな日は1日中、明かりがついているわけです。

〇〇号室の〇〇さん、いつも部屋の明かりがついているんだけど、仕事していないのかしら?

そう思われるのも当然で、挨拶の主流も変わりました。
「毎日寒いわね」
最近はこれです。寒いですよねー、お体に気をつけて下さいねってわたしも返します。

「仕事していないの?」なんて、余計なお世話を言ってくるような失礼な人ではないので、一度も聞かれたことがないのに、それでも顔を合わせたら、いつも以上に愛想を振りまいている自分がいます。
伏せっているわけではなく「ちょっと休んで謳歌してるんですー」くらいのノリですっていうアピール。無駄なアピール。意味ないやつ。
毎月家賃が払えているのだから、もっと堂々としていいのに。

今日なんて1日中部屋が明るいもんだから、今日「も」在宅間違いなしなのです。
朝から天気が良かったら、こんなこと思わなかったのにな。

全て曇り空のせい。わたしのせいじゃない。