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【7作品目】グランド・ブダペスト・ホテル

こんにちは!
映画鑑賞が趣味で2022年は120作品を観ていましたAyumiです。

今年は観た作品の概要を整理するためにも簡単な記事に起こそうと決意いたしました。2023年7作品目は「グランド・ブダペスト・ホテル」です。

グランド・ブダペスト・ホテルはどんな作品?

この映画のあらすじは以下です。

ヨーロッパ随一の超高級ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」。完璧なおもてなしが評判の伝説のコンシェルジュ・グスタヴは、常連客が殺害された事件であらぬ疑いをかけられる。そして彼はベルボーイの見習い少年ゼロと共にホテルで起きた殺人事件の解明のため奔走する。

この映画の舞台は、架空の国・ズブロフカ共和国にあるグランド・ブダペスト・ホテルです。

ホテルに休養で訪れた作家が、ホテルのオーナー「ゼロ・ムスタファ」と出会い、ゼロは初代コンシェルジュであり師匠でもある「グスタヴ・H」の事や常連客の殺人事件の真相について語ります。

コンシェルジュのグスタヴと部下のムスタファを主人公に、常連客をめぐる殺人事件と遺産争いに巻き込まれた2人が、ヨーロッパ中を駆け巡り事件解明に奔走する物語です。

本作は複数の時代が交差するように物語が展開していきます、複雑です。
1930年代、1960年代、1985年、現代の4つです。

時代の変化は画面サイズで理解

この映画では時代によって画面のサイズを変えています。

以下3つのアスペクト比の画面が登場します。

  1. スタンダード:ほぼ正方形、一番古い1932年を描く。

  2. ビスタ:中間のサイズ、1985年。

  3. シネスコ:最も横長、1963年。

それぞれ舞台となる時代が異なるだけでなく画面の色調も異なります。

1では、この物語のメインとなる1930年代を描いています。グスタヴとムスタファの師弟コンビが、マダム・Dの殺害と遺産相続をめぐって繰り広げる冒険談です。

3では、1960年代の同ホテルを舞台に、大富豪であるオーナー(年老いたムスタファ)がホテルの宿泊客である作家に、昔話を語る場面。この昔話というのが「1スタンダードサイズ」の物語なのです。

最後に2です。1985年「3シネスコサイズ」で話を聞いた作家が、書斎で過去を回顧するシーン。

冒頭とエンディングでは、ビスタに近いサイズ(1985年のサイズに近い)で現代が登場し、作家は死亡・著作のファンである少女が登場します。

ほとんどが30年代の話

時代展開としては以下です。

現代→80年代→60年代→30年代→60年代→80年代→現代

画面サイズが色々変わるから複雑!そう思うでしょう。

しかし、物語のほとんどは1930年代です。
本作品の大部分を占める時代でありながら、一番窮屈なスタンダードサイズというのがなんとも可笑しいです。

マダム・Dを殺害したのは誰か

結論から言うと、息子ドミトリーです。
マダム・Dの遺産を我がものにしようと婦人を殺しました。

しかし、血の繋がりのないグスタヴに相続権が渡ることを知り、マダム・D殺人事件の犯人として仕立てあげるのです。

総評

本作では対比的な人間模様が描かれています。

  1. 本当の価値を知らずに破壊や破棄を繰り返す愚かな人間

  2. 打算的でありながら人に至福の時間を与え感謝される人間

この映画のメッセージは、ゼロ・ムスタファのセリフから読み解くことができます。

この野蛮な屠畜場(とちくじょう)のような世界にも、文明の光がわずかに残っていた。かつては人間性と呼ばれていたものだ。グスタヴはその1つだった。

価値あるものを見抜いたり、守り抜くことは簡単ではありません。
しかし、それらを美しいと感じたり、大切に扱うことで維持していくことは可能ではないかと。

以上。

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