わたしの大恋愛 一歩前進編
時は流れ、恋に突っ走る女子中生だったわたしは、勢いそのままに高校2年生になっていた。
彼との関係は相変わらず塾のバイト講師と生徒のままだったが、週に数回確実に彼との時間を過ごせることがとてもしあわせだった。ある意味それで充分満足していて、それ以上の関係まで求めていなかったかもしれない。
そんなある日、彼からの思いがけない提案により、私たちの関係はぐぐっと変化することになった。
その日は、いちばん後ろの席で授業を受けていた。授業後、まわりに人がいなくなったタイミングで、彼がこそっとわたしの耳元で言ったのだ。
「2:1より、1:1の方がよくない?」
「カテキョに行ってやろうか?」
まじーーー??
大気圏を突き抜ける勢いで、わたしは舞い上がった。彼の名誉のために言っておくが、この時の彼に下心は一切なかった。この子やる気あるからしっかりみてやりたいけど塾のコマだけじゃ教えきれないし、どうせ他でもカテキョしてるし、自分的にも収入増えるからちょうどいいと思ったらしい。
わたしに断る理由は1ミクロンもなかった。帰って速攻両親にことの次第を説明して、OKを取り付けた。
こうしてわたし達は、塾のバイト講師と生徒から、カテキョと生徒にランクアップしたのだ。
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