チリモンマスターになりたい話

私はこの春、大学3年生になった。

コロナウイルスの影響で大学に行くことができず、家でゴロゴロと自粛をする毎日だ。

突然だが、私の趣味について話す。私には小学生の頃に密かにハマっていた趣味がある。それは、スーパーで買ったちりめんじゃこの中にいる小さなエビやカニ、いわゆるチリメンモンスターを探すことだ。

私は元々ちりめんじゃこが大の好物で1パックを一気に食べてしまうほどだった。ちりめんじゃこだけを口いっぱいに頬張る瞬間が最高に幸せでたまらなかった。

母親にはスーパーに行く度、お菓子のような感覚でちりめんじゃこをねだった。

あるとき、いつものようにちりめんじゃこを堪能していると、机の上にポトッと何かが落ちた。シラスが落ちてしまったと思った私は机の上に落ちたものを見て驚愕した。

机の上にそれはそれは小さなエビがいたのだ。指の腹に乗るほどの小さなエビが釜揚げしらすの中に潜んでいたのだ。シラスを口に必死に掻き込んでいた小学生の私がその小さなエビと出会えたのは運命だった(絶対)。その時初めて私はチリメンモンスターと出会ったのだ。

それからというもの私はちりめんじゃこを食べる時は中に潜むチリメンモンスターを1匹1匹探しながら用心深く食べるようになった。私はチリメンモンスターハンター(自称)となったのだ。

チリモンハンターの私は色々な種類のチリモンを捕まえていた。最初はエビ、そしてカニ、タコ、イカ、そして許しがたいことにちりめんじゃこのフリをしたエセじゃこまで潜んでいた。

チリモンの世界は奥が深かった。

まあ、こんな過去があった私だが、中学生になりチリモン熱がすっと冷めてしまった。そのまま高校生、大学生と大きくなった私は、今まさにチリモン熱が再燃してしまったのだ。

コロナウイルスの影響で自粛して家にこもる私の退屈な日々に終止符を打ったのは他でもないちりめんじゃこだった。

出会いは突然だ。スーパーに買い物に行った日、ふと視線を横にずらすとちりめんじゃこがいたのだ。その時私はビビッ!ときたのだ。

そのまま手に取りお買い上げ。そして家に帰って早速チリメンモンスター捕獲に挑んだ。数年ぶりのチリモン探しは今年度で1番の楽しさだった。懐かしい顔ぶれを見つける度に心が弾んだ。

しかし、新しいモンスターも捕まえてみたくなる。チリモンハンターのレベルアップのためには新しいモンスターが必要なのだ。  そんなことを思い、インターネットで調べてみることすぐにヒットした。

私は目を見開いた。なんと、なんと、     チリモンの中にはタツノオトシゴやヒトデがいるらしい。なんだこの世界は、面白すぎる。もっとちりめんじゃこを買わなければ。

私はチリモンの沼にズブズブにハマっていた。

そんなことが先日あり、20歳のチリモンハンターの私はレベルアップのため、チリモンマスターになるため日々チリモン捕獲に勤しんでいるが、まだタツノオトシゴもヒトデも捕獲できていない。

私のチリモンマスターへの道はまだまだ長い。

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