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eテキスタイル教育のデザイン

eテキスタイルデザイン教育のルーブリックを[オープンマインドで]作成してみる。■は項目名、つづくカッコ内は対象学生

学びのプロセスのためのルーブリック

■電気的仕組みの理解(全員)
S. 電子部品に関する知識があり、電流が流れて回路が動作する仕組みを理解している(汎用的な知識)
A. 電子部品に関する知識があり、電流が流れて回路が動作する仕組みを理解している(自分が制作する回路について)
B. 電流が流れて回路が動作する仕組みをあまり理解していないが、回路をショートさせるなど誤りに自分で気づいて修正できる
C. 電流が流れて回路が動作する仕組みをあまり理解していないが、他者の支援により誤りに気づいて修正することができる
D. 電流が流れて回路が動作する仕組みを理解しておらず、誤りに気づかず修正できない(火災などの危険がある)

■回路、プログラムの理解(全員)
S. 回路とプログラミングに関する知識があり、適切な回路とプログラムを実装できる(汎用的な知識)
A. 回路とプログラミングに関する知識があり、適切な回路とプログラムを実装できる(自分が制作する回路について)
B. 回路とプログラミングに関してあまり理解していないが、他者の支援により動くものを実装できる
C. 回路とプログラミングに関してあまり理解しておらず、回路とプログラムを実装できないが、アイデアを説明することができる
D. 回路とプログラミングに関してあまり理解しておらず、実装のためのアイデアも説明できない

■設計技能(配置、構造、機能)(工学系教育)
S. 適切な回路を自分で、または他者の支援により設計し、RASIS評価(壊れにくさ)を考慮した機能を実装することができる
A. 適切な回路を自分で、または他者の支援により設計し、目的に合った機能を実装することができる
B. 最適ではないかもしれないが既存の回路を組み合わせるなどして、機能を実装することができる
C. 知識や技能の不足によって回路を作ることはできないが、回路についてのアイデアを説明することができる
D. 実現したい回路についてのアイデアを説明できない

■テキスタイルデザイン技能(色、形、配置/構造、技法、機能)(デザイン系教育)
S. 色や形、配置、構造、技法、機能などを工夫し、意図に沿ったものを実現できる
A. 色や形、配置、構造、技法、機能などについて、意図に近いものを実現できる
B. 知識や技能の不足によって色や形、配置、構造、技法、機能いずれかの工夫が足りないが、意図に近いものを実現できる
C. 知識や技能の不足によって色や形、配置、構造、技法、機能など多くの工夫が足りず意図に沿ったものを実現できないが、アイデアは説明できる
D. 知識や技能の不足によって意図に沿ったものを実現できず、アイデアも説明できない

■人間中心設計技能(誰が使う?どこで?何に?…)(デザイン系教育)
S. 上記について明確に説明でき、その意図どおりに制作できた
A. 上記について明確に説明でき、まあまあ意図どおりに制作できた
B. 上記について明確に説明できるが、制作物には反映されていない点もある
C. 上記について明確に説明ができるが、制作物には反映されていない
D. 上記について明確に説明できない

■美的評価、生産方法の評価(全員)
[ 美しい、面白い、革新的、オリジナリティ、インパクト、本質を押さえている、シンプル、既存の価値を活かしている、
それを使いたい人が実在する、実用性、直感的、親しみやすさと共感、コスト面(低コストで効果が高い)、プレゼン ]
S. 上記のいずれかの観点で特に優れている
A. 上記のいずれかの観点で優れている
B. 上記のいずれかの観点で評価できる
C. 上記のいずれかの観点でやや評価できる
D. 上記のいずれの観点でも評価できない

■素材と環境についての理解(全員)
S. eテキスタイルに使用する素材について十分に関心があり、生産地・廃棄場における社会環境(労働者)や自然環境でどのように扱われているか理解し、それについての考えを説明できる
A. eテキスタイルに使用する素材について関心があり、生産地・廃棄場における社会環境(労働者)や自然環境でどのように扱われているかを説明できる
B. eテキスタイルに使用する素材について関心があり、自ら調査できる
C. eテキスタイルに使用する素材について、他者のアドバイスにより調査できる
D. eテキスタイルに使用する素材について関心がなく、調査できない

■歴史的・社会的位置づけの理解(全員)
S. 自分のeテキスタイル制作物について歴史的・社会的位置づけに関心があり、調査することで正しく説明できる
A. 自分のeテキスタイル制作物について歴史的・社会的位置づけに関心があり、調査することで大まかに説明できる
B. eテキスタイルの歴史的・社会的位置づけに関心があり、それについて大まかに説明できる
C. eテキスタイルの歴史的・社会的位置づけに関心がある
D. eテキスタイルの歴史的・社会的位置づけが説明できない



以下、成果物の評価ルーブリックは当然の内容なので必要ないかもしれない

成果物のためのルーブリック

成果物のクオリティ(全員)
S. eテキスタイルとして価値が高い(ただの電子機器カバーでない)
A. eテキスタイルとして機能する
B. eテキスタイルのアイデアがあり、少しの修正で動作する
C. eテキスタイルのプロトタイプとアイデアが示されている
D. eテキスタイルのアイデアが完成していない


以上。


参考にしたテキスタイル専門教育についての説明資料
いくつか読んでみたけど、プロセスや科目、教育のコース、教育の実施体制に関する説明が多く、テキスタイルデザインの評価方法について明確に書かれているものは少なかった。(デザイン全般的にそうだけど、このジャンルではあまり明文化されないのかもしれない。あったら教えて下さい…)

[1] Choo, Tae-Gue: A Study of Fashion and Textile Design Education in the UK, Journal of the Korean Society of Costume(복식), 33巻, pp.55-71,(1997).  [pdf]
[2] 忻亜健, 中島勝: 中国のテキスタイル専門教育について, 繊維機械学会誌, pp.355-358, (1991). [pdf]

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