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普通じゃダメだ。まんなかに、戻るんだ。ミッションは「売れなおす」〜作家・藤沢あゆみの作家復活物語

藤沢あゆみです。

2013年12月。
著者になって10年の節目で書いた本。

「何があっても自分の味方でいれば、あなたはこれまでで一番好きな人に出会う」

その本が生まれたきっかけが
かつてのブログに残されていました。

「みんなは、何を求めているの?」

ずっと探していた。

恋愛の本?自己啓発書?
ううん、ジャンルなんて関係ない。
そこを飛び越えるような言葉を
わたしは発したかった。

わたしは圧倒的に
なりたかったのだ。

圧倒的って何?
って感じですよね。

震災があって、その少し前から
恋愛をするひとが減ったと言われた。

だけど、実際はどうなんだろう。

わたしは震災の前以上にひとを好きになるって素晴らしいと思ったし
友だちもコンサルティングに来てくれるひとも目一杯恋愛してる。

これまでとは違う。
それは恋愛の本が下火だから恋愛のことは書けないみたいな単純なことではなかった。

むしろそれは、考える大義名分に過ぎない。

恋愛の本がイケイケどんどんなら
わたしに求められるのはモテる本だから
ほかの提案をしたり
立ち止まることなんてゆるされないと思ってた。

実は、2010年くらいからずっと考えている。
「藤沢あゆみにしか書けないものって?」

それは単に1冊の本のことではなく
わたしはどういうひととして本を書くか
メディアに出るか
「これが自分だ」と言える自分とは?

編集さんは
「いつでも企画を出してくださいね」
と言ってくださった。

わたしは書店に行って10冊くらいの本を買って読みまくった。
売り場の声を聞こうと思った。

自尊心、自己肯定感、自己承認・・・

それが足りない足りないという声が聞こえた気がした。

そうか・・・
わたしは全部オッケーなひとになろう。

オッケー、いいね、全肯定だ!

すとんと落ちた。

わたしよりすごいひとなんていくらでもいる。
だけど・・・

どんな状況でも気休めではなく
それをオッケーして、ポジティブな解決策を見出す。
そこには自信がある。

そうだ、

わたしは全肯定なひとになろう。

堂々巡りしてるひとの恋も
あなたには無理と言われるひとの夢も
全力でオッケーして
光が射す方へ行ける方法を提案できる。
そんなひとにわたしはなりたい。

そしてある日、編集さんが別件で中目黒に来てくださった。
わたしが出版社さんのプロモーションを少しお手伝いしたからだけど
それが口実であったことをわたしは知る。

「藤沢さん、企画出されませんね。
いつもすぐに出してくださるのに」

無意識だった。
わたしは、待っていただいていてお待たせしていた、のだ。

うちに帰って、気恥ずかしいほど
世のなかで求められていると思ったことを
タイトルにした。
多分30本くらい書いたと思う。

返事はすぐに来た。

「これがいいですね。
これまでで一番好きなひとに出会う本。
サンプル原稿と目次作ってみてください」

第一章 自尊心を取り戻す
第二章 自己肯定感を高める
第三章 みとめあう
第四章 全肯定する

自己啓発コンプリートだ。
その企画書を書いたときわたしは自分にオッケーが出せた気がした。

企画は通った。
だが・・・

「15000部突破すること」

具体的な数字が提示された。
それだけ売れないと出版させないと言われたわけではない。
だけどそれを聞いたとき、スイッチが入った。

15000人に言葉が届くひとになろう。

15000人に言葉が届くひとになれば
武道館でライブもできるのだ。
そんなひとになろう。

そして、あの場所に戻るんだ。
編集Mさんとふたりで作った場所。

最初はふたりだったけど
本が出来たら営業さんたちも動いてくれた。

300冊とか40面展開とかしていただいたので
期待のラインナップに入ってたのかと思いきや

最初は特に期待されていなかったと最近聞いた。

期待されてないところから10万人に届く本を作った。

まんなかに、戻るんだ。
ミッションは「売れなおす」

わたし自身を知るひとは

存在そのものが自己啓発だといってくれるけど

残念ながらまだその分野で10万部の
ベストセラーは出したことがない。

求められるのは恋愛著者の藤沢あゆみを超えること。
自分たちが作った場所をまた自分たちで超えるんだ。

わたしは、ほかの誰にも似ていない。
そのことにだけは、自信を持とう。

となりで全く同じテーマで本を書くひとがいても
わたしの本を読む意味があるには?

メルマガライター時代から
そのことにこだわってきた。

わたしは話すだけで元気になると
よく言っていただくけど
その感じを本を読んで感じて頂くには?

わたしはコンサルティングをしているのを
レコーダーで取るかの如く
自分の文章を音で聴きながら文章を書いた。

普通じゃダメだ、と思った。

ある日、書いていた原稿を
フェイスブックに投稿した。
みるみるうちにいいねがついていく。

ワードで2ページ、本にすると4ページもある
長い文章に、200いいねがつき
たくさんのコメントをもらった。

週末の夜、文章ばかりの長たらしいテキスト。
フェイスブックでいいねをたくさんもらえる
セオリーからは外れている。

わたしは毎晩のように
そんなテキストを投稿し
楽しみにしてもらえるようになった。

ひさしぶりに会ったひとにも
最近フェイスブック熱いねと
言われるようになった。

だけど確固たる自信があったわけではない。
あっさりした文章が多い売り場で
どううけとられるだろうか?

自分を、信じよう。
みんなからのいいねを、信じよう。
ドキドキしながら、打ち合わせの日を迎えた。


「いいと思います。
何もいうことはありません。
私はこの話を読んで泣きました」


勝負をかけた。
そしてそれは編集さんに伝わり
感動して泣いたと言っていただいた。

しあわせになるために必要なこと
それは自分で自分の味方になること。


自分の味方になることを
この本全部使って伝えよう。

圧倒的なものを持ちたい。

それは他人に勝つことではない。

自分のあたえられる
一番のものをあたえたい。

自分しかあたえられない視点を
あたえることができるのが
著者なんじゃないんだろうか?

尖ってなくてどうして生き残れるのだろう。

正直な気持ちをメールした。

すぐに電話がかかってきた。

「明日弊社に来ていただけますか?」

本を作るとき、これで行こうとなり
脱稿したら編集さんがさらに編集して
ひとつの本の形にする過程がある。

そのとき原稿の段階より
洗練されたスッキリしたものになる。

確かに編集さんの手を入れた原稿は
スッキリしてするする読めたし
流れがとても考えられていた。

Mさんは、出版の世界でも
ヒットメーカーとして知られる方。
Mさんの感性に間違いはないだろう。

だけど、譲ってはいけないことがある気がした。

Mさんも、わたしのメールを読まれ
思われるところがあったらしい。

わたしたちは半日かけて原稿を読み返した。
そして自分ならではのものが復活した。

過去の自分を超えること。
そtれは自分じゃなくなることではない。

あるときのフェイスブックに

「このひとの文章は、他人のための文章」

と書いてくれたひとがいたけど

誰かの為の自分になることは
自分じゃなくなることではないのだ。

読んでくれたひとが

「ああ~わかってもらえた~」と思ってくれること。

どこをとってもオッケーいいねで溢れてること。
気休めじゃなく未来を切り開こうと思えること。
世界観が、どんどん出来ていった。

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そんなわたしたちにもうひとりの味方ができた。
送られてきた表紙デザインには
これまでと全く違う世界があった。

写真が表紙で、長いタイトル。
だけどなんとなく、今のトレンドに乗ったものではない。

デザイナーさんは原稿を全部読み
わたしのメディアも見てくださって
まるで3人で打ち合わせしているかのように
熱いフィードバックをしてくださった。

「それはちょっと軽いと思います」

「いかにも実用書な感じはやめましょう」

「それでは世界観が小さくないですか」


帯案は、20くらい出した。

実は今の写真に行き着くまで
デザイナーさんはいろんな写真を
提案してくださった。

まずは自分が自分の味方になること。
そうすれば、目の前のひとが味方になってくれる。
そうしたらね、新たな味方が現れて
それは、まわりに広がっていくんだ。

この本を通して伝えたいことが
目の前で起こっていた。

誰かを敵にして一番になることじゃない。
自分の味方になるとは
この自分でオッケーと思えること。

わたしはよく
「自分におおきないいねをあげよう」って書いてるけど
この本を手にしたとき
わたし自身が、自分にオッケーを出していた。

この本がどう受け取られるか
わたしにはわからない。
だけどやれることはやった。

何が起こっても、わたしはわたしの味方でいよう。

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この暑苦しい文章を
当時の自分はブログに書いていました。

10年の集大成を、世のなかに問う前夜。

わたしはまんなかに戻れたのか。
圧倒的になれたのか。

その場を包む空気は温かいものでした。

アマゾンにはたくさんのレビューが寄せられています。

3刷にもなった。

だけど、体感はそこそこだった。

わたしが戻りたかった場所とは?

次はそんな話をしましょう。


6日後、この本がわたしの代表作になります。

それにしてもよくも悪くも人間の本質は変わらないものですね。

ここに書いている「自分にOKを出す」というテーマで、数年後NHKの取材を受けるなんてこのときは思いもしませんでした。

さらには「作家復活物語」とは、まさに、売れなおすことのようで、わたしは定期的に暑苦しくなっているようです笑。

だけど当時のわたしは、自分が自分がでまだいっぱいだったように今読み返すと感じます。

もしかしたら、それが圧倒的にいま一歩及ばなかったところかもしれません。


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