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ヴィーガン・ベジタリアンが環境問題に与える影響とは?SDGsの観点で分析 vol.4

土井あゆみです。

Vegan検定講師としてさまざまな方とお話しする中で、ヴィーガンがお役に立てる分野はさまざまあるなと感じています。

その中でも、環境問題に対して、特にSDGsの観点から見ると非常に影響を与える可能性があると思い、株式会社GIVERのホームページ内の記事にまとめさせていただきました。

今回はそちらを再編集し、数回に分けてお伝えしていきます。
みなさんの参考になれば幸いです。


それだけじゃない!ヴィーガン・ベジタリアンで快適に働ける世の中を

ヴィーガンやベジタリアンは「すべての動物の命を尊厳し、犠牲を強いることのないライフスタイル」を提唱しています。その考えが広まっていくことで、快適に働ける世の中のためにも、より良い影響を与えていくことができます。SDGsの目標においては、下記が該当します。
 目標1.「貧困をなくそう」
 目標12.「つくる責任 使う責任」

1. 人々が暮らす土地を守る

野菜や穀物よりも比較的高値で取引される食肉を生産するため、より広い土地を求めて開拓が行なわれています。その際、土地を追われてしまうお金のない人たちも多くいます。
また、そうした肥沃な土地をめぐって、紛争などの争いの引き金にもなっています。

ヴィーガン・ベジタリアンのライフスタイルが広まり、畜産業のためにさらなる開拓が行なわれることが減れば、こうした自分の土地を追われる人も減らせる可能性があります。

2. 生産の透明性を大事にすると働く人も快適に

近年、SDGsや環境問題、持続可能な開発に向けた意識が高まる中で、商品をつくるメーカーとしても、サスティナブルな(持続可能な)ブランドであることやエシカルな(倫理的配慮がされた)ブランドであることの価値が高まっています。
その中で、原材料だけではなく、生産工程の透明性や、ブランドとして多様性を尊重していること、さまざまな観点で倫理的な配慮がなされていることが重要視されはじめています。

そのため、原材料においても搾取はせず公正な取引を行なうこと、労働環境や働く人に配慮されていることなどが、ブランドの価値に反映されるようになってきています。

直接的ではないかもしれませんが、ヴィーガン・ベジタリアンの価値観やライフスタイルが広まることは、働く人へもプラスの影響を与えていける可能性があります。

3. 多様性を許容する世の中へ

ヴィーガンやベジタリアンは、食を中心に動物性のものを使わないライフスタイルです。その中でも、さまざまな理由でヴィーガン・ベジタリアンを選択する人がおり、何を食べて何を食べないのか、非常に多様な基準があります。
完全菜食主義の方もいれば、卵は食べる方もいますし、五葷と呼ばれるスパイスを避ける方もいます。

そうした考えが広まることで、さまざまな食やライフスタイルを許容し、多様性を大切にしていく文化を育んでいくことができる可能性を秘めています。
数十年前に比べて、ライフスタイルをはじめ食生活やジェンダー、働き方など、どんどん多様な生き方が生まれています。時代が大きく変わる中で、そうした多様性を受け入れ、尊重しあうことはとても大切なのではないでしょうか。

ヴィーガン・ベジタリアンはさまざまな観点でSDGsに貢献できる

より良い地球を次世代に残していくために、課題はたくさんあります。
しかし、私たち1人ひとりができることもたくさんあります。

世界規模で話されていることは遠い課題に感じるかもしれませんが、ヴィーガン・ベジタリアンのライフスタイルを取り入れることは、身近ですぐにできること。元ビートルズのポール・マッカートニー氏が提唱した「ミートフリーマンデー」のように、1日だけ肉を食べないようにする、家で食べるお肉を大豆ミートなど代替肉にしてみるなど、すぐに実践できることもあります。
最近では、スーパーでも大豆ミートが簡単に手に入ったり、ヴィーガン・ベジタリアンの食事を扱うレストランも増えてきており、少しずつ身近になりはじめています。

環境問題は自分とは遠い場所の話だから、今すぐの課題ではないから等と知らないふりをするのではなく、今できる小さなことを実践していくことの積み重ねが、大きな結果につながるでしょう。

必ずしもヴィーガンだから、ベジタリアンだから良い悪い、ということではありませんが、これからの時代を生きる自分たちや子供・孫の世代のために、良い影響を及ぼし得る選択肢の1つなのではないでしょうか。

参考文献
*1 国連 経済社会局 (2022年)
*2 FAO(2017)“The future of food and agriculture:Trends and challenges”
*3 Food Outlook、国連食糧農業機関(FAO)(2022‐2023見込み/2022年)
*4 国連食糧農業機関(FAO)(2022年)
*5 農林水産省:我が国における食糧問題の現状と課題外部リンク


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