【Day1】屋久島ゼロtoゼロトレイル
2024.08.14
山遊びをする度に常々考えていました。
インスタグラムのストーリーも良いけれど文章にしてもっと書き綴りたいなと。
アカウント開設しても結局続かないんだろうなと決心がつかず先延ばしにしていたところ、この度、縁あってとあるnote垢にて記事投稿デビューをさせていただけることになりました!!!!歓喜!!!
ひとまずは共同管理人という立場でこの記事を処女作として寄稿いたします。
※この記事以外のクレームは受け付けません。
それでは参りましょう。
九州最高峰の宮之浦岳を有する海上のアルプス・小さな地球村、世界自然遺産である屋久島にどっぷり浸かった山旅。
手始めにタイトルにあるゼロtoゼロトレイルとは?
簡単に言うと、浜辺で海に触り海抜0mから島を横切り反対側の海に触れる、この山行をゼロtoゼロと表現しています。
地図で見ると簡単ですね。
まずは鹿児島から屋久島入りを目指します。
方法は飛行機・高速船・フェリーと幾つかありますが、選択したのはこの「フェリーはいびすかす」18:00鹿児島発〜07:00屋久島着という、乗船時間は長いけれど早朝着で初日の山行を無駄にしない効率の良い移動方法です。
学生時代に夜行バスへ乗りちぎった私からすればこの行程に惹かれます。
貨物船だった船へ、しゃーなし人も乗せてやるか、みたいなスタイルで区切りもない部屋には旅客が空気読み合って雑魚寝するのも旅味満載。
甲板へ自由に出られるので、夜空の星や朝焼けも見られます。船内にあったゴザを敷いて寝そべりスタイルで星空を眺める強者もいました、素人じゃありませんね。
漸く屋久島へ降り立ちました。
ここから1時間ほどバスを待つ事になるので待合室で地図を眺めていると、親切なおじさんが暇だから乗せてってやると申し出てくれました。
第1屋久島ニキィ!!!!
道中に話を聞くと、20年前に東京から移住してきたそうです、昔はよく登っていたけど脚が悪くなってからは屋久島の山に入っていないとのこと。
第一屋久島ニキィ、、、。
金が無えだの、仕事くれだの、言い出したので乗車賃払うまで降ろしてくれない悪徳離島ビジネスがよぎりましたが無事に到着です。
名も知らぬ親切な第1屋久島ニキに別れを告げ、一旦、登山道とは反対方向へ歩き出します。
冒頭でも申し上げましたが、ゼロtoゼロを完遂させるためのスタート地点へ。
憧れの屋久島ゼロtoゼロトレイルがココにスタートします。車も無しに単身乗り込んだ事もあって期待と不安が入り混じります。
登山道入口へ戻り、舗装路を暫く真っ直ぐ進んだあと、屋久島の深い森へと誘われて往きます。
正直、来る前から気付いてましたが、この登山口全く人気無いです。人の通った跡がありません。生い茂った植物にやられて早速脚が傷だらけになりました。
季節が真夏なので道中はずっと虫が顔の周りをブンブン飛んでいます。気分は油女シノ。と言いたいところですがイライラしちゃいます。まだまだチャクラが足りないようです。虫除け買えばよかった。
心頭滅却すれば火もまた涼し…心頭滅却すれば火もまた涼し…心頭滅却すれば…と唱えながら往きます。気分はさながらローグワンのチアルート。
入山早々に本島ではなかなか観られない生い茂り具合を魅せつけてきます、屋久島くん。
白谷雲水橋まで来るとようやく人の姿が見えました。
このエリアはジブリの「もののけ姫」のモデルになったのでは?と言われている人気エリアで歩いていると森の鬱蒼具合がネクストレベルへ進んだ気がします。
美しいですね。足を止めて眺めてしまいます。目を瞑ると米良美一氏のテーマソングが聞こえてきます。
ここで本日泊まる予定だった白谷小屋へ到着しましたが、そこまで移動疲れもなく、時間も早く、元気だったため、次の小屋まで行ってしまうことにしました。
3泊4日行程が急遽2泊3日へ変更です。
ここで屋久島の東側を臨める太鼓岩に着きました。見渡す限りの森森具合で気持ちが良いです。到着からずーっと晴れてて更に気持ちが良いです。
写真下部にみえている岩を叩くとポンポン音が鳴るのが太鼓岩と言うネーミングの由来です。近くのガイドが話しているのが聞こえてきました。この後も大勢出会うのですが、屋久島は基本ガイドを付けて散策するスタイルが一般的な様です。
かの有名な縄文杉から1番近い高塚小屋を目指します。
トロッコ道が現れました。
ここからは歩きやすいけれど、縄文杉日帰りツアー客がわんさか帰ってくるから道を譲り合うのが億劫でした。ほんとすごい人数のツアー客が帰路についている。
ガイドさんも様々でして、とても礼儀正しいガイドさん、こっちの行程を事細かに聞いてくる過保護ガイドさん、かなり遠くから大声で「じゃあココでクイズね!これは20ptだよ〜!」とか聞こえてくる愉快な声量オバケガイドさん、大柄なモヒカンマッチョガイドさん。
色んなガイドさんとすれ違いました。
突然ですが、屋久島の沢の水は飲めます。
道中には数多く沢が流れていてそこで飲み水を確保出来るので大量に水を持ち歩かなくて済みます。これは荷物が減るのでかなり嬉しいです、何より美味しい、ついグビグビ飲んでしまう。お腹が心配にはなりますが、正露丸を常備して来たので安心です、糖衣じゃない方、軽い腹痛は匂うだけで治ります。
(後々発覚しましたが、正露丸は忘れて水無し一錠の下痢止めストッパしか持ってませんでした。人間なんて単純です、自己暗示でなんとかなるものです。)
ウィルソン株に着きました。
豊臣秀吉が大阪城築城のために伐採された当時樹齢2000年の特大切株。切られずに現代も生えていたら縄文杉を超える屋久杉だったと言われています。
秀吉殿はギルティーですが、時効とします。
現代では株の内部から空を見上げるとハートに観えるスポットとして有名です、なかなか見えなくて見える場所を随分探しましたが、無事にウィルソンハートをゲットです。
さあ、どんどん進みます。
この辺りから木の階段が永遠と続きます。
かなりしんどいです。書き忘れていましたが、背負っている荷物は10kg程度です。かなりしんどいです。
初お目見えとなりました、ヤクサル。天敵がいないからエサを奪おうと人間を襲ってきたりしないそうです。
マジでいつまで続くんこの階段、、、。
木道整備に従事している方には頭が上がりません。なんなら保全金の寄付もちゃんとして来ました。けど階段は辛いんです、本当に辛いです。頭の中でずっと虫ウザい階段嫌い…と唱えてました。
トンデモ大木だけど写真じゃ伝わらない大王杉も横目にズンズン往きます。
さあもうすぐです。この階段地獄ともオサラバ出来ます。この時間になるとツアー客もいなくなり登山道はほぼ独占です。
そして遂に…
辿り着きました、縄文杉。
あまりに美しく壮大で荘厳な御姿に言葉を失います。
時間帯もあり日帰りツアー客もいないからしばらく縄文杉を独占します。なんて贅沢な時間。
貸し切りのうちにこんな写真も撮っておきます。
不思議とずっと眺めて居られました。
触れられるような距離には近寄れないのだけれど
眺めているだけで心が洗われていくような、屋久島の奥深いこの場所でようやく迎え入れられているような、そんな気分にして下さいます。
名残惜しさを残しつつ、朝になったら絶対また来ようと決め、宿へ向かいます。
初日の宿に到着しました。
コースタイムは10時間15分。
かなり長い行程でしたが初日から縄文杉も拝めて一度も雨に降られず大満足トレイルでした。
3階が空いているとの事でしたのでお邪魔します。
高塚小屋はスタイリッシュな姿ですが3階建てとは驚きました。山小屋で3階に泊まるのは初めてです。
ベランダまで着いていました。想像していたより混雑していなくてかなり快適そう!嬉しい誤算です。
晩御飯を食べながら今晩小屋で一夜を共にする方々に話を聞きます。色んな人がいました。
・ヒッチハイクで来た医学部ニキ
・既に3日この小屋を拠点に絵を描いている美大ネキ
・世界一周経験した自転車ニキ
・くじゅう連山に住み着いている久住ニキと嫁ネキ
・今日の道中ほぼほぼ一緒だった隣県住みニキ
・ガイド連れご夫婦
皆さんトンデモ話をサラリと披露してきます。強者過ぎる。しかも珈琲やらお酒やら沢山くれます。ありがたや。
何を隠そうワタクシも持ち合わせております。
オールドパーを200ml。
鹿児島でバス待つ間コンビニで涼んでいる時に見かけて買っておいて良かった…。
みんなに注ぎます。ストレートで、屋久島の水割で、美味しかった。
途中で御夫婦が連れて来たガイドさんに星が見える場所まだ連れていってもらっちゃいました。
iPhone15のナイトモードでもこれだけ撮られる。途中で大学生2人が横になって寝そべって青春していやがった、良いぜ大学生、とても良いぜ。
戻ってもまだ飲みます。
屋久島のガジュマルのお酒は絶対お土産に買って帰ることが確定しました。
話も弾んで翌日の事は忘れてオールドパーは空きました。幸せ。
そんなこんなでDAY1が終わりました。
えっ、山に篭って絵を描くなんて魔女宅でジジの人形拾ったあの人じゃん!!実写版じゃん!名前なんだっけ!!なんて考えながら眠りにつきました。
(ウルスラと言うそうですね。)
初日が1番ボリューム多いかもな、山旅はDAY2へと続きます。