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特別な宿題

合唱伴奏

それは、ピアノを習っている子への特別な宿題です。

小学校高学年になると、秋の合唱祭や学芸会に向けて練習するように!と、音楽の先生から楽譜が渡されることがあります。自ら立候補しても、お願いされても…これはなかなか大変な課題です。

この夏も3名の生徒さんが合唱伴奏の練習に取り組んでいます。
夏休み明けにオーディションがある子、お友達がギブアップした難関曲を頼まれた子。受験でピアノはやめたけれど、夏休み中に単発で見てほしい、とご連絡をくださった子。

合唱伴奏は、やると決めたら修行の始まりです。
他のお友達には無い課題を、コツコツと練習しなければならないのですから…。

伴奏として渡される楽譜のほとんどは、今ピアノで勉強している曲よりも難しい課題が多く、1日や2日、ちょこっと練習したくらいでは弾けるようになりません。
しかも、自分の伴奏でクラス全員の歌を引っ張っていかなければならないのです。
・一定のテンポで弾く
・間違えても止まってはいけない
・歌とのバランスを考える
・指揮を見る
最低でも、ここまで弾けるようにならなければなりません。

しかし若い力のなんと素晴らしいことか…
「クラス全員の歌がかかっている」となるとみんな本当に一生懸命練習し、弾けるようになるのです。

かつて、小学校2年生の音楽発表会で「100%勇気」挑戦した男の子は、今年音大へ進学しました。横開きの一段譜、大きな音符を弾くレベルを勉強しているこの子に、この曲弾けるの?と、心配する私をよそに、なんとか自分の力で譜読みをしようと練習を進めてきてくれました。この挑戦から彼の音楽の力が開花していったのだと思います。

ピアノの練習は、自分との戦いです。
でも合唱伴奏は、弾けるようになるとアンサンブルとなります。
一人で練習している時には味わえない、共に音楽を作り上げる楽しさを味わうことができます。

芸術の秋、これから合唱祭などの準備をする学校もあるかと思います。
オーディションがあったらぜひ、勇気を出して手をあげてみてくださいね!


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