クローズアップ現代『ガザと“ホロコースト生還者” 殺りくはなぜ止まないのか』
クローズアップ現代 ガザと“ホロコースト生還者” 殺りくはなぜ止まないのか
今、イスラエルでは戦争反対を表明することさえできなくなっている。ある高校教師はFacebookに「この狂気を止めよう」と書いただけで、警察がきて家を荒らされ反逆罪で逮捕され職を失った。復職しても学校で待っていたのは、彼を非難し唾を吐きかけ罵倒する生徒達だ。その光景はあまりにも恐ろしい。
イスラエルが過剰に報復するのはなぜか。
イスラエルには、徴兵制度がある。男女問わず2年間の兵役が義務付けられている。そこで自分たちが国を守るということを叩き込まれる。
また、1980年代から、ホロコーストを体系的に教えるようになった。年配の人はイスラエル建国でパレスチナ人が苦しんだということを知っているが、若い世代はホロコーストと、そしてテロの被害者意識のみが染み付く。
イスラエルは、歴史的トラウマというような重大な状況にある。ホロコーストのみならず、それ以前にもポグロムと称される虐待虐殺にあってきた。国際社会は誰も助けてはくれなかったし、あまつさえ、ポグロムなどなかったことかのごとき扱いである。国際社会に対する不信感は根強い。
20年前のイスラエルはこれほどではなかったという。反戦を主張して罵倒されるようなことはなかった。ましてや逮捕など。何がこれほどにイスラエルを変えたのだろう。
歴史的トラウマ。
西欧諸国には負い目があってイスラエルに何も言えなかったのか。アメリカはどう関係していたろう。
大戦後、イスラエルの建国は必要だったとしても、あのような形でなければならなかったのか。パレスチナ人、強いてはアラブ人に対する差別意識はなかったろうか。
それは、おそらくは、人類全体が考えるべきことであって、反省すべきことであって、決して対岸の火事ではない。
イスラエルに歴史的トラウマがあるのであれば、それを癒すことはできないのだろうか。
今また再び、パレスチナに歴史的トラウマが植え付けられようとしている。
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