1ページに満たない映画感想<2014年⑥〜各国の良作編〜>
友だちと歩こう(2013年/緒方明/日本)
出演作品200本以上の名バイプレイヤー・上田耕一の初主演とのこと。
①煙草を買いに行く②赤い毛糸の犬③1990年代のリンゴ④道を歩けば の4つの物語から成る短編集のような構成。
歩くのがとても大変そうなおじいちゃん同士の親友とみちゃん・くにちゃん。30代だけど大人になりきれない拗らせ系のトガシ・モウリ。この二組のコンビを中心に話は進んでいきます。
人は1人では生きられない。くにちゃんがいるから、とみちゃんも生きていける。速くは歩けないけれど、それでも頑張って歩いている。それが、まるで人生のようで。トガシがいたからモウリも新しい人生を歩いていける。タイトル通り、「支えあって、共に歩いて行こうよ」というゆるりとしたメッセージが優しい。
ちなみに、作中で議論される「音は聞く耳がなくても存在するのか」という問いについては、「音が存在するのは、聞く耳があるから」というトガシに1票。
☆2014年3月25日鑑賞
君がくれた翼(2012年/バウデウェイン・コーレ/オランダ)
EUフィルムデーズのオランダ映画は、やはり秀逸でした。
母親を亡くし、暴力的な父親と一緒に住んでいる、少年ヨヨが主人公です。
お父さんはヨヨに当たってみたり、イライラしたり。きっと、どうしたら良いかわからなかったんだと思います。ヨヨ自身もお母さんのことが忘られなくて、いつもお母さんが歌っていた歌を聴いています。ヨヨは偶然出会ったカラスの赤ちゃんをお世話することだけが心の安らぎでしたが、お父さんはそれすらも許してくれません。
そのカラスも死んでしまい心の拠り所がなくなったヨヨは、お母さんの歌を歌います。あの時の歌には、複雑な気持ちが込められていたんだろうな。
カラスの死をきっかけに、お父さんも変わっていく。何がヨヨを苦しめていたのか、きっと気づいたのでしょう。
友達の女の子イェンテへの恋心もこれから発展しそうな、かわいらしいラストシーン。とても素敵でした。
この映画を見ながらすごく泣いてしまいました。幼いうちに母親を亡くしたヨヨの閉鎖的な心とか、暴力でしか発散できない気持ちとか。同じ境遇だったら、きっと同じように、精神的に閉ざされてしまうでしょう。
子供にとっては親が支えになっているということを、改めて感じる映画でした。
☆2014年6月20日鑑賞 ※EUフィルムデーズ2014にて
南風(2014年/萩生田宏治/日本・台湾)
台湾サイクリングの旅、いいですね。いわゆる”自分探し系”の映画です。
主人公は26歳出版社勤務の藍子。仕事も恋もうまくいかず、そんな時に台湾で出会った少女トントン、サイクリストのユウと一緒に旅をしながら、自分の将来と向き合っていきます。
正直、内容はそこまで刺さる感じではなかったけれど、大学3年の私はそろそろ就活が始まると思うと何だかそわそわして、「仕事か…私も何か見つけないと…」と焦りばかりがやってきてしまいました。はい。
「夜のピクニック」(2006年/長澤雅彦)で気になっていた郭智博くんが出るのなら!と思って見てみました。作中では中国語も話していたし、名前的にも中国系なのかな?と思いましたが、全然日本人みたいですね。失礼しました。
☆2014年7月25日鑑賞
ダバング 大胆不敵(2010年/アビナウ・カシュヤップ/インド)
いや〜歌って踊るね〜。ボリウッドのまさに「大胆不敵」な一作です。
そこまで内容がないと思いきや、家族とか兄弟とかすごく大事にしているのがインド映画。
主人公チュルブル・パンデーは最強ポリスらしいけど、でも警察失格でしょ(笑)荒らしすぎでしょ(笑)警察なのに汚職もやってるのだめじゃない?
・・・しかしそんな細かいことはぶっ飛ばしてしまうくらいダンスが面白すぎて、どうでも良くなりました。間違いなくストレス発散できる系の映画ではあります。
サルマーン兄貴の筋肉と圧力がものすごかったです。
このダンス、この歌。いったい何なんだこの振り付けは(インド映画あるある)。
※大体こういうダンスシーンでは主役がどどん!とセンターに来るものですが、その両脇を固める2人ってきっとバックダンサーの中でもかっこ良かったり、ダンスがうまかったりする精鋭なんだろうなと思いながら見ています。
▼同じくボリウッド映画「きっと、うまくいく」はこちら。
☆2014年8月1日鑑賞
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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