映画感想#44 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014年)
原題 Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)
監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ニコラス・ヒアコボーネ、アレクサンダー・ディネラリス・Jr.、アルマンド・ボー
出演 マイケル・キートン、ザック・ガリフィアナキス、エドワード・ノートン、アンドレア・ライズボロー、エイミー・ライアン、エマ・ストーン、ナオミ・ワッツ 他
2014年 アメリカ 120分
ロングショットが表すのはリーガンの心情か
2015年アカデミー作品賞、監督賞、撮影賞の注目作。確かに圧巻でした。見終わった後の、なんとも言えない感情。主人公リーガンの緊張・疲労・孤独が自分のことのように感じられました。
おそらくそれは、話題の”超ロングショット”に起因するものだと思います。
間がない。疲れているけど、休む余裕もない。明日はどうしても来てしまうというリーガンの焦燥する心境を、このロングショットが上手く表現できていたのでしょう。
「明日もあるんだからまた頑張ろう!」ではなく、「どんなに辛くてもまた明日が来てしまう」という絶望。そんな感情が伝わり、とにかく疲れました。
リーガン(マイケル・キートン)を取り巻く俳優さんたちが強かったですね。エドワード・ノートンやエマ・ストーン、ザック・ガリフィアナキスの存在感たるや。
特にエマ・ストーン。リーガンの娘である彼女は、父親の弱みや知られたくない気持ちを、容赦無く曝け出していく。それが終盤リーガンの本気へとつながるのですが、見ていて「そこまで言うのね…」とリーガンがちょっとかわいそうになるほど。圧倒されました。
細かいことなのですが、「バードマン」というヒーローを知らないがために、リーガンの超能力とか空を飛ぶシーンが突拍子もないように思えてしまい…急に翼が生えたりして、ちょっと理解が追いつかないというか。(自分がヒーローものに馴染みがないからかもしれません。)
南米・メキシコ出身の監督ならではの勢いがあります。少し蒸し暑いような空気感、情熱的(かつおしゃれ)な音楽、そしてセリフを喋りまくる人々の勢い。
引き込まれ、圧倒された2時間でした。
☆鑑賞日 2015年4月13日
投稿に際しての余談〜原題、どういう意味?〜
原題Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)といのは、結局どういう意味なのでしょうか?「無知がもたらす予期せぬ奇跡」というのは一体。
何度か繰り返し見ないと、本質に辿り着けないような気がします。時間を置いて見たら、何かピンと来るものがあるかもしれません。今の所、まだピンと来ていません。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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